あんたんたるや
うるけるねんねん
┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
ワラシノ
稿紙の路を
ミチ
徘徊の ワラジ
ハイカイ 草鞋
羽根無し ハネナシ
ドリ 鳥の
、ざらつく頭
砂のまじる掌
もやもする
生命 EXE 亀甲晶
骨格の鉛筆が、
柵の手すりに
もたれる
牽牛のあばら骨が
寝台に横たわる
聴診器をあて、る
砂礫のかすかな寝息が
音もたてずに
聞き、もれる
どこにも在るワタシという他人が
今ここに有るワタシという稿紙に
這いつくばっている、
その…詩句を書きながら
うつ伏せ涎を垂れている
口から出た
(稿紙は涎で浮き上がり
口から出た
文字の地べたを
口の舌から
転げでた
寝ぼけた亀虫が
涎でふやける
稿紙のうえを
這って歩いていたのだ
前足、中足、後ろ足、
調子を合わせ、
6足、6歩、
乱雑な机のうえを、
触角を揺らし
四方(ヨモ)一寸先を
歩いていた、、
、 暗澹たる夜
潤ける念念
おいたちきえさらばえば
なすなのひととなりにけり
┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘┘
繰り返して流れる川や,海や,一陣の風の,降る雨のなかに混じる砂粒が,大地を磨きあげていく,微塵の大気を虹のように空を彩る,空と地の境をうごめき,どよめく砂たちが軋むようにして,人の気の失せた死の,神のその生きた自然の発する音の中に ──
消え去らば,「キエサラバエ」「ナスナビト」,とコトバを添える,生い立つ者の人・在の,生い立つ者の為人(ヒトトナリ)に,シに,消え,さらば え ば な 砂人(スナビト) ヒトトナリ 二 シ キエ サラバ エ バ ナ ナスナビト 繰り返し,そう繰り返し,諳んじながら,だんだんとこの句が出来あがる ───
生い立ち消え去らばえば
ナ砂の為人にけり
選出作品
作品 - 20180315_746_10316p
- [佳] 一生一句 - 玄こう (2018-03)
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一生一句
玄こう