血に満ちた海を 光れ
彼らの汚れた腕は 一片の愛を希み
漂流の中で 互いを刺し合う
血に満ちた空を 光れ
私らの汚れた足は 一片の愛を希み
漂流の中を 歩み続ける
貴方の涙を 私は水のように飲みました
貴方の刻まれた胸を 私は巣のように休みました
貴方の痩せた肉を 私はたった一つの食糧としました
返礼 私は私を差し出しました
永遠に渇くようにと
手を放しました
物語からの追放を
私は私の物語を追放し
私は貴方の物語から私を追放しました
漂流の中で私は永遠に渇きながら 殺人を犯すでしょう
徴を 歌います
それでも あの光がこの目を満たすというなら
私の手は 青白い 輝きを抱き
手放した希望の数々をそっと食みながら
染まりゆく翼を 発芽させるのです
私達を分かち それが幸福であることを祈る
あの数々の嘘達を殺しましょう
瞳は黒から 赤へ そして銀に至りました 次は恐らく白でしょう
この瞳は白夜の輝きを宿すでしょう 永遠でしょうか? 循環する色彩の
望みません
この物語を 私は断ちたいのです
この物語を 私は行きたいのです
血に満ちた海を 光れ
血に満ちた空を 光れ
あの夢に ふれ
永遠の春が 貴方の額を撫でるよう 願います
私は咲いていますか
私は囀りますか
淡く飛び立つ 雲雀の瞳の凍結を
貴方は 忘れて欲しいのです
白夜が貴方を 守ることを祈ります
やがて行く季節に
血の臭いを辿る白い瞳の獣を
貴方は殺してください
その血は空に昇り 1mmのオーロラを咲かすでしょう
この幻光 が 貴方の 目に 映るならば
夢のように
煌く
血の色を
オーロラと白夜へ
選出作品
作品 - 20180205_276_10225p
- [佳] a dream - 白犬 (2018-02)
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a dream
白犬