#目次

最新情報


選出作品

作品 - 20180129_028_10205p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


裸で駆け回るあなたたちに

  GGGGG

あらゆる心臓が行き場を無くして街を彷徨う時、
一本の木が夥しい量の破壊を胸に仕舞い込んで、
怪我をした祈りと包帯と
松葉杖の添えられた人生に乾杯をしよう

嘴の斜めに生えた揺り籠の
尻尾の先の涙の通り道

あなたの呼吸は古くから伝わって
分度器が破裂する音を聴いて
食べ物が酸化して、震えて、沈んで、
声を無くした君たちのように

もしも穴の開いた眼の
口の
右耳のあたりの
後ろの遊びが
ほつれて、転がって、岩を舐めた時、
警察署に止まる貨物船のように
私とあなたの間にある
たくさんの残虐性は
ひとつも余すところなく
あの夕方の景色を作り上げるだろう

突飛な拍手と新幹線と、
歩道橋と窓枠と豚の繭

雨の降った次の日の
朝の眠りが飛散する
ような


砕けて散って森を枯らす前に

10秒と言われた花が
あまりにも透明な唇を動かして
月を隠した雲の存在が
遠くに聴こえるまばたきの音と重なったので
私の裁量によってあなたは
傷口を見つめるための糸を
赤色に切って、貼って
呟くのだった

中身のない文鳥の
骨格を製図する海辺の空が
虫歯で欠けたスプーンの摂理を
T字に曲げてお辞儀をすると

遙かなる排泄と
身辺調査の足跡と
欠病した蟻喰いの前足と
藁に包まれた甘い脳髄の塊の中に
遺伝子と調和と掛け声と
盲目の羊とペン先と鉄橋の入口に
あなたを手招く風船の中に

手洗い場に残されて
錆びて削れて尖った愛情が
鏡の端と端の端に映る
影絵の背骨のように
腹痛だ
声は
今からだと思う者に
空間はそこできっと飛び起きて
裸の夕方に手を振ろう

果物の重さが人一人分の後悔に先んじて
腕を這い回る蜂の子どもたちに敬意を表して
水を張ったうがい薬の瓶の中に
あなたの許可でできた綿を詰めよう

そのように書かれた書物の
栞を持つ優れた時計と
背景に見える信号機と
ピアノの座席が始まります

街灯を切除する潔癖のトカゲと椋鳥と
アルコールの滲むベッドの欠片と
栄養のある仕組みと
ロバが婚姻をして
支払われる給与の総額に同意をして
行為をして
行為をして
行為をして

ある者はおそらくこう言うだろう
贅肉の凍ったタペストリーに虚空を添えて
アルミ製の銀行がバケツによって運ばれていく
大胆なパラシュートと発情のリズムが
満開の魚の絵に煙草を投げつけたその時に
悲しみや運動不足や声帯模写や自己同一性が
毛玉のドレスに酷く絡まって
それからやっと冬になっていく
まで
愛して

しかしそれに対して私はこう言うだろう
ありがとう

先細った指をもつ
獣の瞼の裏側の
眼鏡は挨拶運動に支えられて
煙の出る白い水槽に数えられて
分断された経済活動を保全する親切な海藻に運ばれて
零れて

性質的に酷似したありとあらゆる想像の中に
等級の価値をもつありふれた犠牲の中に
一杯の症候群を暖炉にくべて
正解を探し出そう

それはCとNとPの綴りから同時に始まり
太平洋を左回りに横断してトマト缶の中へ
動物園の向かいにある兵舎の窓の
奥に見える消えかけた蝋燭の蜘蛛に
時間制限のない不定形の骨折
泡を吐く闘牛の模写に従って
笑顔を覚えるとしよう

つまり私があなたに言いたかったことは、

文学極道

Copyright © BUNGAKU GOKUDOU. All rights reserved.