真夜中にキッチンへ旅立ち
冷蔵庫の国境を越える
食べ残しのパイを頬張り
白夜の道を歩いていく
そこかしこで若々しい暴力が
ボールのように弾んでいる
(
聞く耳を持たない純粋さ)
道は続いていく
絶望的なほど遠くまで
どうして道など作ったのか
どうせ辿り着けないのに
(アスファ
(ルトの亀裂から
草が伸びて花を咲かせている)
私たちはずっと昔から
果たせないと分かっている約束に
「きぼう」などという
ふざけた名前を付けて
使えない遺伝子のように
子どもたちへ託してきた
(!
(みんな知っている
(それこそが
(不幸の種子である
ことを)
曇り空の下で
赤い色をした花だけが
世界からはみ出している
だから私は泣きながら
彼女を刈り取った
(大切なのは
(命じられる前に済ませること
(これで
(これからも続くだろう
道は)
白夜は)
うんざりするくらい)
(どこまでも
(いつまでも
涙が乾くまで
無色の空を見ている
鎌の刃に付いた血は
耐え難いほど
懐かしい香りがしている
選出作品
作品 - 20171025_804_9976p
- [優] 白夜 - 无 (2017-10)
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白夜
无