ある日、大切 な 何か
が、 砕け落ち、、
粉々 に 散らばった 欠片 に
蟻 が たくさん 集まって
スイートな 記憶 を
はこぶ、ヒマワリ の みち
蟻の行列は虎ノ門までつづき、
護衛の警察官 機動隊 白バイ パトカー
装甲車 戦車 ブルドーザー 耕運機
沿道に 日の丸の旗、はためき 走るアベベ
ボワァっと、火炎を噴く大道芸人
押し合い、圧し合い バーゲン売り場、
有閑マダムたちの服の奪い合い、
銀座青木、穴子の白焼きにキャビアを載せて
砂浜に無数のビーチパラソルが花開き、
強力な紫外線に晒された夏――
弾ける胸の谷間に木霊する、
抜殻のコンドームたちが渦状に群がり、
さかんに泳ぐ、広大なひかりの海
焼きそばの匂いも香ばしく、
紅生姜と青海苔をトッピングして、
マヨネーズも乱暴にきわどく搾り出し
口元にマヨネーズ、
胸の谷間にマヨネーズ、
顔中、たっぷりマヨネーズ、、
やがて星の夢をはこぶ、小さな蟻たちが
君のへそにも巣をこしらえて
泳ぐコンドームたちへ
ソースの匂いとともに愛を交信する
夏/向日葵の道――
黄色く 宇宙みたいな花の咲く
選出作品
作品 - 20170721_296_9773p
- [佳] 夏/向日葵の道 - atsuchan69 (2017-07)
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夏/向日葵の道
atsuchan69