白い波に
くるまっていた
喉のあたりまで
やわらかい水泡が
触っていた
飴色の少年が
砂を踏み
月の光が
足跡を
しずかに消す
桟橋から
消えたばかりの
泣き声
光へ
手を伸ばすと
波の視線が
揺らぎはじめる
手のもとへ
光のもとへ
波は打ち寄せ
少年が
振り返る
時間だけ
月の球体が
生まれた
選出作品
作品 - 20170710_868_9749p
- [佳] 波 - maracas (2017-07)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
波
maracas
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
白い波に
くるまっていた
喉のあたりまで
やわらかい水泡が
触っていた
飴色の少年が
砂を踏み
月の光が
足跡を
しずかに消す
桟橋から
消えたばかりの
泣き声
光へ
手を伸ばすと
波の視線が
揺らぎはじめる
手のもとへ
光のもとへ
波は打ち寄せ
少年が
振り返る
時間だけ
月の球体が
生まれた
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