波の蛍光灯にはりついて
小さな母が
影を見つめている
どこから飛来してくるのか
波は知れない
未だ夜の明かりに求められる
138億年前の爆発
母に光の形をとどめ
その、荒々しい波が
私の大脳皮質を凸凹に踏み潰す
手足や道具から
人間の主語や意味が〓げ
母は微笑みながら降り積もる
性善や性悪が波を支配し
現象がここにある
研ぎ澄まされた私の触覚の
視界が保有している権限は
闇の隅々に鎮み行使される
微かに震える波動が子宮に打ち寄せ
希望は最後まで動かないでいる
選出作品
作品 - 20170601_495_9654p
- [佳] 蛾と心 - 北 (2017-06)
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蛾と心
北