選出作品

作品 - 20170530_451_9646p

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誰もが罪びと

  黒髪

老人が犯す、罪
一輪挿しの花入れてつるつると光るあなたを封じ込める
くすり、とは、無礼だ
全てがはっきりとした輪郭で存在する
電車の中のスープ状の人々
別になんだっていいけど、疲れる
ヘアカタログを繰ってみた
一つの宇宙を手に入れたように
埋め立てられた池には
完全な善のような魚が棲んでいたのに
人が聞く最後を信じられるか
分からなければそれでもいいが?
最後には神様が全てをしっかりと仕立ててくれるから
明滅し始めた神様は
現れる?現れない?
この世界の北極圏に巨大な足を踏み下ろせ
知っておられる、人は弱いよ
ちょっとつついても悲鳴を上げる
だから非暴力を今こそ
それが必要だ
愛が愛が愛がと主張するように
うるさいことが愛だと思うのか
不可能である静寂と
騒がしさの楽しみを
それらはただきっちりやればいいんだ
疑いは言葉を殺していく
そんなのは必然的だ
笑う殺し屋の頭の上の帽子
吹き込まれた生き方の中での自発的な少しだけある良心
帽子の中に混乱を入れて
はっきりとした決着を明るみに出す
誰か正しい光を
暗闇の中うごめく奇怪は誰のものでもない
罪は全て神様、あんたが救ってくれるだろう
この世界の果てまで壊れるような
個人の破滅をカウントダウンしている
畑の中、土はお前を拒絶する
思い知れ
やって来ない暗い目の人が明るい笑顔を持っていること
何よりも大切だって
だって不条理は
ずっとずっとあなたを捉え
抜け出せないようにして
最後を与える
だから僕を受け取って
あなたは、心の中を見せれば
僕の中の命は、あなたの罪を洗って
やり直しのできない人生の上に
浮かれるような歌を歌えるよ
そう僕たちは
手をつないだアマガエルのようになりたいな