。
軽蔑くんは
誰も軽蔑していないのに
毎日みんなに軽蔑されている
ある雨の日
あえて洗濯物を外に干し
部屋で自分を殴り倒す
痛っ
倒れたら
天井には青い空
死んだら
虹が出る部屋
グッジョブ!
想像してごらんよ
世界中の人たちが
みんな個性的になったら
とりあえず
戦争が終わる
終わって
またいつかはじまる
平凡な戦争
明日から
みんなを軽蔑するために
濡れた洋服に着替え
今夜は眠る
軽蔑くん
グッナイ!
。
微熱さんは
いつも微熱で笑っている
高熱をだした夜こそ
微熱の笑顔を大切にしている
例えばこんな感じ
(^_^;)
微熱さんは走る
電車よりはやく
自転車よりおそく
夜の街をひたすら走る
街は
意味もなく輝いているので
街路樹が
たまに化け物に見える
幻聴だって
もはや
ひとつのジャンル
小鳥のさえずり
それも音楽として
熱っ
生きているものは
みんな
微熱
寒いのに
空は八月のようだね
もう帰ろう
微熱さんの後ろには
ロキソニンの雨
しかも
どしゃ降り
。
世界ちゃんには
未来がない
友達もいない
誰が誰を傷つけても
どんなに他人事でも
世界ちゃんは
胸が苦しくなる
綺麗事で終わる午後に
おそらく
世界ちゃんは悲しくて悲しくて
いつか自殺するだろう
どうか
死なないでほしい
世界ちゃんが死んだら
みんな
あれだから
なんか
こう
あれだから
選出作品
作品 - 20170331_779_9522p
- [佳] 軽蔑くん。微熱さん。世界ちゃん。 - 泥棒 (2017-03)
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軽蔑くん。微熱さん。世界ちゃん。
泥棒