海の広さに一つだけ答える
わからないよって
帰るだけ
砂を袋に入れて
ああまだ生きているなぁ
いつまでも生きていたいなぁ
心を縛る縄をほどいてくれた海風とも
いつまでも一緒にいたいなぁ
でもそれはできない
だから僕は思い出す
新しい神の夕べに薪は倒れてカタリという
一人の旅に出た友よ
僕は君がまだ生きているかのように思っていたいんだ
問いの届かぬ海の向こうにも陸がある
美しい波と時よ
命の永遠よ
繰り返し連鎖するイメージは強いることもなく
海と空との青く広大な向うへとたどり着くだろう
愛の感情は寛大でありいくつもの苦しみを救ってきた
人が目指すところは全ての心の内側
助けるのととがめるのは同じ心
もう物言わぬものは決して消えない
閉じた幕の向こうでも続く劇がある
時折振り返るとふっと歌声が聞こえてくるような気がする
ふっと表情を思い出して君の心を考える
選出作品
作品 - 20170311_297_9489p
- [佳] 海 - 黒髪 (2017-03)
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海
黒髪