選出作品

作品 - 20161229_861_9375p

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NO PANTY , NO POEM , CAR SEX !

  泥棒


車で、
どこへ行っても
同じような街ばかりで、
とりあえず
海岸沿いで、
君は
情景をスルーして
ノーパンで、
水平線を斜めに見ていた。
僕には
君が
君の存在そのものが
世界の比喩に見えはじめたから
とても
一緒にはいられない。
これ以上
ふたり
一緒にいれば
骨まで透けてしまうから
もう
君がノーパンでも関係ないのさ
ほら
そろそろ陽が落ちて
海が
悲しい歌をうたいはじめるだろう
あ!
流れ星
さあ
今ここで、
最後のセックスをしよう
世界に
とり残された気がする君と僕
もちろん
それは錯覚
この惑星は
セックスする場所が多い
なるほどね
どこで、
セックスしても
同じようなセックスになるんだね
不思議だね
不思議じゃないね
星が降る
海に捨てたブラジャーは
クラゲのように漂い
君のパンティは
いつの間にか
あの星よりも小さくなり
同じように
やがて消える

優しいだけのポエムなんていらない
この夜に
骨が砕けるまで
君と僕は抱き合って
それで終わり
新しいね
新しくないね
月の輝かない夜
あ!
差別とキャベツ
似てるね
似てないね
さあ
僕の喉仏を切ってごらん
最初から
自分の言葉なんてないのさ
鋭くない破片
散らばる
効いてないメタファー
いつか
君が一枚の絵になる
それは地図かもしれないね

そんな夜の海岸沿い
誰のために
海は
同じような悲しい歌ばかり
どうして
いつまでも
うたっているのか
選べるなら
僕は
こんな夜も
楽しい歌がいい
あ!
潮騒と詳細
くだらないね
くだらないね
あ!
同じような感覚
また錯覚かな
海岸沿いで、
悲しいね
悲しくないね
あ!
メリークリスマス
メリークリスマス