炎が眠っている
その熱と光を休めながら
かつて燃えたことを証明する
灰が柔らかな布団になって
炎は夢を見ている
かつて照らし出した
闇の中に浮き立つ人の顔が
ばらばらになって融合した
光を清算する夢を見ている
燃料など必要なかった
ましてや消すための水も要らない
この自立した眠りにより
炎は自らを蓄え続ける
火の粉が一定の海域を超えると
それは不可解な声となり
かつて人はそれを詩と呼んだものだった
選出作品
作品 - 20160609_307_8878p
- [佳] 眠った炎 - zero (2016-06)
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眠った炎
zero