わずかな時差があるのだ
あなたの声がとどくまでの一瞬に
わたしの裏切りがあからさまになる
夜ごと
祭りの場にひきよせられて
わたしを守る沈黙に
逃げ込めない
うたい
おどり
火に追われて
それでもきらめいていた
いちずという名の やいば
あいだけが持つ
やいばがあるのだ
やさしさがその刃を研ぐ
さいごにころすために
呼ぶこえ
せめぎあうなみだ
の いちずを振り回したあとに
抱く腕は
じぶんをまもるためにあるのではない
と 知った
知ったおんながいちずを捨てた すてた朝
いちずに泣いた
やさしさのなきがらよ
しあわせになってね
うらぎりが追いつけないつかの間だけ
まもってあげる
いのちの砂から
つめたいあなたを洗う 波うちぎわ
記憶のとどかぬ 海からの声
身をていして
さかなたちが
いきよ という
そのように
*旧作
選出作品
作品 - 20160315_239_8696p
- [佳] 永遠の魚 - fiorina (2016-03)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
永遠の魚
fiorina