西から低く滑り込む熱が瞼を貫くと
引きずり下ろされた地平線の裏側に
処刑を待つ赤い観覧車が立ち上ぼり
夜警の鈍い脚が野原の一本道を裂く
城ごと襲われた時間の中枢が重なり
光の轟音を記憶する密かな指先から
末梢に至るまで伝令の雷が走り出し
触れる空の一点を導火線に軸は回る
幽閉の徒の機関銃の先の硝子の迸る
降り注ぐ星々を纏う丘陵への坂道を
王とともに登り詰めた海原を目掛け
放尿の果てに鮮やかな天弓を架ける
選出作品
作品 - 20151124_959_8453p
- [佳] 無題 - 湯煙 (2015-11)
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無題
湯煙