この夏 あの夏の 踵
去り続ける 足音たち
水色の空高く吸い込まれて
消えてしまえばいいのに
何もなかったかのように
なのに
降ってくる
見上げる頭上に
はらはらと 肩をうち
地に落ちて 湿ったまま
重なって 赤や黄や緑 足元に
降りつもり 降りつもり
立ちつくす私の姿など
埋めてしまえばいいのに
誰一人いないかのように
なのに
閉ざされる予感の中に いつも
私だけが残される
つま先で
蜂の死骸を 踏む
選出作品
作品 - 20151103_035_8397p
- [佳] 落葉の中で - 鮎 (2015-11)
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落葉の中で
鮎