五月の深いひだまりが
子守唄をうたう、
あなたの声で。
胸がやさしくふくらみ
屈折した光がおどりだす
緑の井戸の豊穣
こすれあう葉たちの瞼が閉じられては
青空の夜が点滅し
ひとつ
ふたつ
雲が遠ざかる。
世界はあまりにも静かなので
眠りは溶けない。
いっそ、駆け出そうか
淡い緑が凝結した夏木立へ
焼けたあなたの麦藁帽を被って
選出作品
作品 - 20150414_549_8020p
- [佳] 初夏 - uki (2015-04)
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初夏
uki