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2013年08月分

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CLOSE TO THE EDGE。

  田中宏輔



●ぼくの金魚鉢になってくれる●草原の上の●ビチグソ●しかもクリスチャン●笑●それでいいのかもね●そだね●行けなさそうな顔をしてる●道路の上の赤い円錐がジャマだ●百の赤い円錐●スイ●きのう●ジミーちゃんと電話で話してて●たれる●もらす●しみる●こく●はく●さらす●といった●普通の言葉でも●なんだか●いやな印象の言葉があるねって●そんな言葉をぶつぶつと●つぶやきながら●本屋のなかをうろうろする●ってのは●どうよ●笑●ぼくの金魚鉢になってくれる●虫たちはもうそろそろ脚を伸ばして●うごめきはじめているころだろう●不幸はひとりではやってこないというが●なにものも●ひとりではやってこない●なにごとも●ただそれだけではやってこないのである●絵に描いたような絵●わたしの神は一本の歯ブラシである●わたしの使っている歯ブラシが●わたしの神であった●神は歯ブラシのすみずみまで神であった●主婦●荒野をさ迷う●きのう見た光景をゲーゲー吐き戻してしまった●暴れまわる母が●一頭の牛に牽かれてやってきた●兄は口に出して考える癖があった●口から●コップや●コーヒーや●スプーンや●ミルクや●文庫本や●フロイトや●カーネル・サンダースの人形や●英和辞典をゲロゲロ吐き出して考えていた●壁は多面体だった●一つ一つ●すべての壁面に印をつけていくと●天井と床も入れて●二十四面あった●二十四面のそれぞれの壁に耳をくっつけて●それぞれの部屋の音を聞くと●二十四面のそれぞれ違った部屋の音が聞こえてきた●5かける5は25だった●ぼくの正義のヤリは見事にふるえていた●どうして●ぼくのパパやママは働かなくちゃならないの●子供たちの素朴な疑問にノーベル賞受賞者たちが答える●という文庫本があった●友だちのジミーちゃんは●こういった●悪だからである●たしかに楽園を追放されることにたることをしたのだから●やっぱり●ぼくの友だちだ●すんばらしい答えだ●エレベーターが●スコスコッと●前後左右上下●斜め●横●縦●縦●横●斜め●横●に●すばやく移動する●わたしの記憶もまた●スコスコッと●前後左右上下●斜め●横●縦●縦●横●斜め●横●に●すばやく移動する●ぼくの金魚鉢になってくれる●草原の上の●ビチグソ●しかもクリスチャン●笑●それでいいのかもね●そだね●行けなさそうな顔をしてる●道路の上の赤い円錐がジャマだ●百の赤い円錐●スイ●神は文字の上にいるのではない●文字と文字の間なのね●印刷された文字と文字の間って●紙のことなのね●1ミリの厚さにも満たない薄い薄い紙のこと●神は紙だから●って●神さまは●前と後ろを文字文字に呪縛されて●ぎゅうぎゅう●もうもう●牛さん●おじさん●たいへん●ぼく●携帯で神に信号を発する●携帯を神に向けてはっしん●って●ぎゃって●投げつけてやる●ぼくは●頭をどんどん壁にぶつけて●神さまは●頭が痛いって●ぼくは●頭から知を流しつづける●血だ●友だちのフリをする●あのとき●看護婦は●ぼくのことを殴った●じゃなく●しばいた●ぼくの病室は●全身で泣いて●ぼくの涙が悔しくて●スリッパを口にくわえて●びゅんびゅん泣いていた●ああ●神さまは●ぼくがほんとうに悲しんでいるのを見て●夕方になると●金魚の群れが空にいっぱい泳いでた●神さまは●ぼくの肩を抱いて●ぼくをあやしてくれた●ぼくは全身を硬直させて●スリッパで床を叩いて●看護婦が●ぼくの腕に●ぼくの血中金魚濃度が低いから●ぼくに金魚注射した●金魚は●自我をもって●ぼくの血液の中を泳ぎ回る●ていうか●それって●自我注射●自我注釈●自我んだ●違った●ウガンダ●どのページも●ぼくの自我にまみれて●ぐっちょり●ちょりちょり●チョチョリ●チョリ●あ●そういえば●店長の激しい音楽●マリゲ●マルゴ●まるぐんぐ●マルス●マルズ●まるずんず●ひさげ●ひさご●ひざずんずっ●びいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい●あるいは●神は●徘徊する●金魚の群れ●きょうは休日だというのに●一日中●病室にいた●病室の窓を見上げてたら●空の端に●昼間なのに●月が出ていた●きょとんとしたぼくの息が●病室の隣のひとを●ペラペラとめくっては●どのページに神が潜んでいるのか●探した●思考とは腫瘍である●わたしの脳髄ができることの一つに●他者の思考の刷り込みがある●まあ●テレパシーのようなものであるが●そのとき●わたしの頭に痛みがある●皮膚に走る電気的な痛みともつながっているようである●頭が痛くなると同時に●肘から肩にかけて●ビリビリ●ビリビリ●と●きょうは●とてつもなく痛い●いままでは●頭の横のところ●右側の方だけだったのに●きょうは●頭の後ろから頭の頂にかけて●すっかり痛みに●痛みそのものになっているのだ●さあ●首を折り曲げて●これから金魚注射をしますからね●あなたの血中金魚濃度が低くて●さあ●はやく首を折り曲げて●はやくしないと●あなたの血管が金魚不足でひからびていきますよ●あさ●パパ注射したばかりじゃないか●きのうは●ママ注射したし●ぐれてやる●はぐれてやる●かくれてやる●おがくれる●あがくれる●いがくれる●うがくれる●えがくれる●街は金魚に暮れている●つねに神は徘徊する●ぼくの指たちの間を●もくもくと読書する姿が見える●そのときにもまた●ぼくの指の間を●神が徘徊しているのだ●ぼくは●もくもくと読書している●図書館で●ぼくは●ひとりで読書する少年だったのだ●四年生ぐらいだったかな●ぼくは●なんで地球が自転するのかわからない●って本に書かれてあるのにびっくりして●本にもわからないことがあるのだ●と●不思議に思って●その本が置いてあったところを見ると●書棚と書棚の間から●死んだパパそっくりの神さまが●ぼくの方を見てるのに気がついた●すると●ぼくの身体は硬直して●ぼくは気を失っていた●ぼくが気を失っていた間も●ぼくの指の間を神は徘徊していた●地球がなんで自転しているのかって●それからも不思議に思っていたのだけれど●だれもわからないのか●ぼくが●この話をしている間も●神さまが●ぼくの指の間から●ぼくのことを見張っている●ぼくの指は●神さまに濡れて●血まみれだった●憎しみの宴が●ぼくの頭のなかで催されている●きょうは●一晩中かもしれない●額が割れて●死んだ金魚たちがあふれ出てきそうだ●頭が痛い●額が割れて●死んだパパやママがあふれ出てくるのだ●ぼくはプリン●ぼくの星の運命は●百万光年の●光に隠されている●光に隠されている●いいフレーズだな●影で日向ぼく●ぼっこじゃなくて●ぼくがいいかな●日向ぼく●で●影で日向ぼっこ●ぼっこって●でも●なんだろ●ぼくの脳髄は●百のぼくである●じゃなく●ぼっこ●じゃなく●ぼこ●リンゴも赤いし●金魚も赤いわ●リンゴでできた金魚●金魚でできたリンゴ●金ゴとリン魚●リンゴの切断面が●金魚の直線になっている●死んでね●ぼくの金魚たち●ルイルイ●楽しげに浮かび漂う●ぼくの死んだ金魚たち●神さまの指は●血まみれの幸運に浸り●ぼくの頭のなかの金魚を回す●トラベル●フンガー●血まみれの指が●ぼくを作り直す●治してね●血まみれのプールに●静かに●ゴーゴーと●泳ぎ回る●ぼくの死んだ金魚たち●ぼくの頭のなかをぐるぐる回る●倒壊したパパの死体や●崩れ落ちたママの死体たち●なかよく踊りまちょ●神は●死んだパパやママの廃墟を徘徊する●リスン・トゥー・ザ・ミュージック●ぼくの廃墟のなかで●死んだパパやママが手に手をとって踊る●手のしびれが●金魚の指のはじまりになるまで●その間も●ずっと●ママは●金魚をぼくの頭のなかでかき回している●重たい頭は●ぼくの金魚がパクパク●パクパク死んでいる●指が動きにくいのは●自我がパクパクしているからだぞ●ああ●たくさんのパクパクしている●ぼくの自我たち●人差し指の先にも自我がある●自我をひとに向けてはいけないとママは言った●さあ●みんな●この自我にとまれ●ギコギコ●ギーギー●ギコギコ●ギーギー●ね●ママ●ぼくのママ●出てきちゃ●ダメ●さっき●鳥が現実感を失う●とメモして●すると●ぼくは●アニメのサザエさんの書割の●塀の横を歩いていた●問いを待つ答え●問いかけられもしないのに●答えがぽつんと●たたずんでいる●はじめに解答ありき●解答は●問いあれ●と言った●すると●問いがあった● ぶさいくオニオン●ヒロくんの定食は●焼肉だった●チゲだっておいしいよ●キムチだっておいしいよ●かわりばんこの●声だ●ぼくは●ヒロくんの声になって●坐ってる●十年●むかしの●ゴハン屋さんで●この腕の●縛り痕●父親たちの死骸を分け合う●ぼくのたくさんの指たち●ああ●こんなにも●こんなにも●ぼくは●ぼくに満ちあふれて●戦線今日今日●戦線今日今日●あの根●ぬの根●カンポの●木の●根●名前を彫っている●生まれ変わったら●何になりたい●うううん●べつに●花の精でもいいし●産卵する蛾の映像でもいいよ●あ●べつに●産卵しない蛾の映像でもいいし●大衆浴場●湯船から●指を突き出し●ヘイ●カモン●詩人の伝記が好き●詩人の詩より好きかも●詩人の出発もいいけど●詩人のおしまいの方がいいかな●不幸には●とりわけ●耳をよく澄ますのだ●ぼくのなかの●声が●ああ●聞こえないではないか●そんなに遠く離れていては●ぼくのなかの●声が●耳を済ます●耳を澄ます●じりじりと●耳を澄ます●ぼくのなかの●声が●耳を済ます●耳を澄ます●耳が沈黙してるのは●ぼくの声が離れているからか●ああ●聞こえないではないか●そんなに遠く離れていては●もう詩を書く人間は●ぼくひとりだけだ●と●笑●ぼくの口のなかは●たくさんの母親たちでいっぱいだ●抜いても抜いても生えてくる●ぼくの母親たち●ぼくは●黄ばんだパンツ●の●筋道にそって歩く●その夜●黄ばんだパンツは●捨てられた●若いミイラが●包帯を貸してくれるっていって●自分の包帯をくるくる●くるくる●はずしていった●若竹刈り●たけのこかい●木の芽がうまい●ほんまやな●せつないな●ボンドでくっつくけた●クソババアたち●ビルの屋上から●数珠つなぎの●だいぶ●だいぶ●死んだわ●おだぶつさん●合唱●あ●合掌●だす●バナナの花がきれいだったね●きれいだったね●ふわふわになる●喜んで走り回ってた●棺のなかに入ったおばあちゃんを●なんで●だれも写真にとらなかったんだろう●おばあちゃんは●とってもきれいだったのに●生きてるときより●ずっときれいだったよ●ぼくのおばあちゃんの手をひっぱって●ぼくのおばあちゃんを棺のなかに入れたのは●ぼくだった●ばいばい●ふわふわになる●おばあちゃん●土間の上にこぼれた●おかゆの湯気が●ぼくの唇の先に●触れる●ああ●おいちかったねえ●まいまいつぶれ●ウサギおいしい●カマボコ姫●チュッ●歯科医は●思い切り力を込めて●ぼくの口のなかの●母親をひっこぬいた●父親は●ペンチで砕いてから●ひっこぬいた●咳をすると●ぼくじゃないと思うんだけど●咳の音が●ぼくの顔の前でした●咳の音は●実感をもって●ぼくの顔の前でしたんだけど●ぼくのじゃない●ただしい死体の運び方●あるいは●妊婦のための●新しい拷問方法●かつて●チベットでは●夫を裏切った妻たちを拷問して殺したという●まあ●インドでは●生きたまま焼いたっていうから●そんなに珍しいことではないのかもしれないけれど●こうして●ぼくがクーラーのかかった部屋で●友だちがくれたチーズケーキをほおばりながら●音楽を聴きながら●ふにふに書いてる時間に●指を切断されたり●腹を裂かれて●腸を引きずり出されたりして●拷問されて苦しんでる人もいるんだろうけど●かわいそうだけど●知らないひとのことだから●知らない●前にNHKの番組で●指が机の上にぽろぽろ●ぽろぽろ●血まみれの指が●指人形●ぼくの右の人差し指はピーターで●ぼくの左手の人差し指は狼だった●ソルト●そーると●ソウルの街を●電車で移動●おまえは東大をすべって●ドロップアウトして●そのまま何年も遊びたおして●ソウルの町を電車で移動●聴いているのは●ずっと●ジャズ●ただしい死体の運び方●あるいは●郵便で死体を送りつける方法について●学習する●切手で払うのも大きい●小さい●デカメロン●ただしく死体と添い寝する方法●このほうが●お前にふさわしい●おいしいチーズケーキだった●きょう●いちばんの感動だった●河原町のあちこちの街角から●老婆たちが●ぴょんぴょん跳ねながらこちらに向かってくる●お好みのヴァージョンだ●神は疲れきった身体を持ち上げて●ぼくに手を伸ばした●ぼくは●その手を振り払うと●神の胸をドンと突いてこう言った●立ち上がれって言われるまで●立ち上がったらダメじゃん●神さまは●ぼくの手に突かれて●よろよろと●そのまま疲れきった身体を座席にうずめて●のたり●くたり●か●標準的なタイプではあった●座席のシートと比較して●とくべつおいしそうでも●まずそうでもなかった●ただ●しょっぱい●やっぱり●でっぱり●でずっぱり●蛆蝿が●老婆たちの卵を産みつける●老婆たちは●少女となって卵から孵り●雛たちは●クツクツと笑うリンゴだ●どんな医学百科事典にも載っていないことだけど●植物事典には載ってる●気がする●か●おいしい●しょっぱい●か●ぼくの顔面をゲートにして●たくさんの少女と老婆が出入りする●ぼくの顔面の引き攣りだ●キキ●金魚●アロハ●おえっ●老婆はすぐに少女になってしまって●口のなかは●死んだ少女たちでいっぱいになって●ぼくは●少女たちの声で●ヒトリデ●ピーチク・パーチク●最初の話はスラッグスの這い跡で●夜の濡れた顔だった●そういえば●円山公園の公衆トイレで首を吊って死んだ男と●御所の公衆トイレで首を吊って死んだ男が同一人物だという話は●ほんとうだった●男は二度も死ねたのだ●ぼくの身体の節々が痛いのは●なかなかなくならない●こんど病院に行くけど●呪術の本も買っておこう●いやなヤツに痛みをうつす呪術が●たしかにあったはずだ●ぴりぴり●ぴかーって●光線銃で狙い撃ち●1リットルの冷水を寝る前に飲んだら●ゲリになっちゃった●ぐわんと●横になって寝ていても●少女の死体たちが●ぼくの口のなかで●ピーチク・パーチク●ぴりぴり●ぴかーっと●たしか●首を吊った犬の苦しむ顔だった●紫色の舌を口のなかからポタポタたれ落として●白い泡はぶくぶくと●枕草子●小さいものは●みなかわいらしい●と書いてあった●小さな少女の死体はかわいらしい●ぼくの口のなかの死体たちが●ピー地区・パー地区●ふふふ●大きな棺に入った大きな死体もかわいらしい●ピー地区・パー地区●ふふふ●筆箱くらいの大きさの少女たちの死体がびっしり●ぼくの口のなかに生えそろっているのだ●ピー地区・パー地区●ふふふ●ようやく●ぼくにもわかってきたのだ●ぼくのことが●今晩も●寝る前に冷水を1リットル●けっ●あらまほしっ●きっ●ケルンのよかマンボウ●ふと思いついたんだけど●帽子のしたで●顔が回転している方が面白い●頭じゃなくて●正面の顔が●だよん●ふふふ●アイスクリーム片手にね●アイスクリームは●やっぱり●じょっぱり●しょうが焼き●春先に食べた王将のしょうが焼き定食は●おいちかった●ぼく●マールボロウでしょう●話の途中で邪魔すんなよ●ぼく●マールボロウだから●デジカメのまえで●思わずポーズきめちゃった●クリアクリーン●歯磨きの仕方が悪くって●死刑●ガキデカのマンガは●いまなかなか見つからなくって●わかんない●井伊直弼●って●スペリング●これでよかったっけ●って●てて●いてて●てて●ぼく●井伊直弼●ちゃうねん●あつすけだよん●って●魔法瓶覗いて●ぎいらぎら●リトル・セントバーナード●ショウ●人生は●演劇以上に演劇だ●って●べつに●言ってるか●どうかなんて●知らない●ちいいいいいい●てるけどね●ケッ●プフッ●ケルンのよかマンボウ●ぼーくの●ちぃーって●る●けー●天空のはげ頭●(●ナチス・ドイツ鉄かぶと製の●はげカツラが●くるくると回転する●頭皮にこすれて●血まみれギャーだった●ふにふに●空飛ぶ円盤だ●このあいだ●サインを見た●登場人物は●みんな霊媒だった●十年前に賀茂川のほとりで●無数の円盤が空をおおうようにして飛んでるのを●友だちと眺めたことがあった●友だちは●とても怖がっていたけど●ぼくは怖くなかった●友だちは●ぼくに●円盤見て●びっくりせいへんの●って言ってたけど●ぼくは●こんど●ふたりで飲みに行きましょうね●って言われたほうが●びっくりだった●いやっ●いやいや●やっぱり●暴れまわる大きな牛を牽いてやってくる●一頭の母親の方が怖ろしいかな●笑●どうしてるんだろう●ぼくの口のなかには●母親たちの死んだ声がつまってるっていうのに●ぼくの耳のなかでは●その青年の声が叫びつづけてるんだ●だから●インテリはいやなんやって●カッチョイイ●あのえいちゃんの声が●ああ●これは違う声か●違う声もうれしい●ぼくのまぶたの引き攣りは●ヒヒ●うつしてあげるね●ヒヒ●うつしてあげるね●神経ぴりぴり●血まみれ●ゲー●て●うつしてあげるね●プ●しゅてるん●知ってるん●ユダヤの黄色い星●麻酔なしの生体解剖だって●写真だったけど●思い出しただけで●ピリピリ●ケラケラ●ケセラセラー●あい・うぉん・ちゅー●あらまほしぃ●きいいいいいい●ぼくの詩を読んで死ねます●か●ぼくの詩を読んで死ねます●か●ひねもす●のたり●くたり●ぼくの詩を読んで死ねます●か●ひねもすいすい●水兵さんが根っこ買って●寝ッ転がって●ぐでんぐでん●中心軸から●およそ文庫本3冊程度ぶんの幅で●拡張しています●か●ホルモンのバランスだと思う●か●まだ睡眠薬が効かない●か●相変らず役に立たない神さまは●電車の●なかで●ひねもす●のたり●くたり●か●ぼくは●疲れきった手を●吊革のわっかに通して●くたくたの神を●見下ろしていた●か●おろもい●か●飽きた●か●腰が痛くなって●言いたくなって●神は●あっくんの手を●わっかからはずして●レールの上に置きました●キュルルルルルルって●手首の上を●電車が通りすぎていくと●わっかのなかから●無数の歓声が上がりました●か●日が変わり●気が変わり●神は●新しいろうそくを●あっくんの頭の上に置いて●火をつけました●か●なんべん死ぬねん●か●なんべんもだっち●ひつこい轍●銃の沈黙は●違った●十の沈黙は●うるさいか●とか●沈黙の三乗は●沈黙とは単位が違うから●もう沈黙じゃないんじゃないか●とか●なんとか●かんとか●ヤリタさんと●荒木くんと●くっちゃべり●ぐっちゃべり●ええ●ええ●それなら●ドン・タコス●おいちかったね●いや●タコスは食べなかった●タコライス食べたね●おいちかったね●ハイシーン●だっけ●おいちかった●サーモンも●おいちかった●火の説教●痩せた手のなかの●コーヒーカップは●劫火●生のサーモンもカルパッチオ●みゃぐろかなって言って●ドン・タコス●ぱりぱりの●ジャコ・サラダは●ぐんばつだった●笑●四十歳を過ぎたおっさんは●ぐしょぐしょだった●いや●くしゃくしゃかな●これから●ささやかな葬儀がある●目のひきつり●だんだん●欲しいものは手に入れた●押し殺した悲鳴と●残忍な悦び●庭に植えた少女たちが●つぎつぎと死んでいく●除草剤をまいた●痩せた手のなかの●あたたかいコーヒーカップは●順番が違うっちぃぃいいいいいい●あっくんの頭の上のろうそくが燃えている●ろうそくの上のあっくんの頭が燃えている●死んだ魚のように●顔面の筋肉は硬直して●無数の蛆蝿が●卵を産みつけていく●膿をしぼり出し●ひねり出すようにして●あっくんは卵を産んだ●大統領夫人が突然マイクを向けられて●こけた●こけたら●財布が出てきた●財布は●マイケルの顔に当たって●砕けた●マイケルの顔が●笑●笑えよ●ブフッ●あっくんの頭の上で燃えているろうそくの火は●ろうそくの上で燃えているあっくんの顔は●しょっぱい●そろそろ眠る頃だ●睡眠薬を飲んで寝る●噛み砕け●顔面に産みつけられたろうそくの上で燃えているあっくんの顔は蛆蝿たちの卵を孵す●あっくんの頭の上で燃えているろうそくの火は●ろうそくの上で燃えているあっくんの顔は●しょっぱい●ひつっこい●しょっぱさだ●笑●前の職場で親しかったドイツ語の先生は●バーテンダーをしていたことがあると言ってた●バーテンダーは●昼間は●玉突きのバイトをしていた●青年がいた●ぼくが下鴨にいたころだ●といっても●ぼくが26●7才のころだ●九州から来たという●青年は二十歳だった●こんど●ふたりっきりで飲みましょうねって言われて●顔面から微笑みが這い出してきて●ぽろぽろとこぼれ堕ちていった●ぼくは●彼のチンポコを●くわえたかった●くわえてみたかった●ちとデブだったけど●かわいかった●ぼくは●ちとデブ専のケがあるから●ブフッ●笑えよ●で●とうもろこし頭の●彼は●ぼくのなかで●ひとつの声となって●迸り出ちゃったってこと●詩ね●へへ●死ね●で●乾燥した●お母さんが●出てきたところで●とめる●釘抜きなんて●生まれて●まだ十回も使ったことがないな●ぼくの部屋は二階で●お母さんは●縮んで●釘のように●階段の一段一段●すべての踏み段に突き刺さっていたから●釘抜きで抜く●ぜんぶ抜く●可能性の問題ではない●現実の厚さは●薄さは●と言ってもよいが●ぼろぼろになった●筆の勢いだ●美しい直線が●わたしの顔面を貫くようになでていく●滅んでもいい●あらゆる大きさの直線でできた●コヒ●塑形は●でき●バケツをぶつけて●頭から血を流した●話を書こうと思うんだけど●実話だから●話っていっても●ただ●バケツって●言われたから●バケツをほっただけなんだけど●手がすべって●パパは頭から血を流した●うううん●なんで●蟹●われと戯れて●ひさびさに●鞍馬口のオフに寄る●ジュール・ベルヌ・コレクションの●海底二万哩があった●きれいな絵●500円●だけど●背が少し破けてるので●惜しみながらも●買わず●ブヒッ●そのかわり●河出書房の日本文学全集3冊買った●1冊105円●重たかった●河出新刊ニュースがすごい●もう何十年も前の女優の●若いころの写真がすごい●旅館が舞台のいじめもののテレビドラマの主人公で●何十年も前のことだけど●いまの天皇が好きな女優だと前にテレビで言ってた●これがほしくて買ったとも言える●笑●でも●いったい何冊持ってるんだろう●全集の詩のアンソロジー●このあいだの連休は●詩を書くつもりだったけど●書けなかった●蟹と戯れる●啄木●ではなく●ぼく●でもなく●ママ●を●思ふ●ママは●蟹の●巨大なハサミにまたがって●ビッビー●シャキシャキッと●おいしいご飯だよ●ったく●ぼくカンニングの竹山みたいな●怒鳴り声で●帰り道●信号を待ってると●いや●信号が近づいてくるわけじゃなく●信号が変わる●じゃなく●信号の色が●じゃなく●電灯のつく場所がかわるのを待ってたんだけど●信号機が●カンカンなってた●きのうのこと●じゃなくて●きょうのこと●ね●啄木が●ぼくの死体と戯れる●啄木が●ぼくの死体と戯れる●さわさわとざらつく●たくさんのぼくの死体を●啄木が●波のように●足の甲に●さわっていくのだ●啄木は●ぼくの死後硬直で●カンカンになった●カンカン鳴ってたのは●きのうの夜更けだ●二倍の大きさにふくらんだ●ぼくのコチコチの死体だ●だから行った●波のように●啄木の足元に●ゴロンゴロン横たわる●ぼくの死体たち●蟹●われと戯れる●いたく●静かな●いけにえの食卓●ぽくぽく●ったく●ぼく●と●啄木●ふがあ●まことに●人生は一行のボードレールである●ぼくの腕●目をつむるきみの重たさよ●狒狒●非存在たることに気づく●わっしゃあなあ●木歩のことは以前に●書いたことがある●木歩の写真を見ると思い出す●関東大震災の日に●えいじくんが●火炎のなかで●教授に怒鳴られて●ぼくの部屋で●雪合戦●手袋わざと忘れて●もう来いひんからな●ストレンジネス●バタンッ●大鴉がくるりと振り向き●アッチャキチャキー●愛するものたちの間でもっともよく見られる衝動に●愛するものを滅ぼしたいという気持ちがある●関東大震災の日に●えいじくんが●ぼくと雪合戦●ヘッセなら●存在の秘密というだろう●2001年1月10日の日記から抜粋●夜●ヤリタさんから電話●靴下のこと●わたしの地方では●たんたんていうの思い出したの●靴下をプレゼントしたときには気づかなかったのだけれど●とのこと●客観的偶然ですね●と●ぼく●いま考えると●客観的偶然ではなかったけれど●たんたん●ね●ぼくのちっぽけな思い出だな●ちっぽけなぼくの思い出●ね●笑●金魚が残らず金魚だなんて●だれが言った●原文に当たれ●I loved the picture.●べるで・ぐるってん●世界は一枚の絵だけ残して滅んだ●どのような言葉を耳にしても●目にしても●詩であるように感じるのは●ぼくのこころが●そう聞こえる●そう見える準備をしているからだ●それは●どんな言葉の背景にも●その言葉が連想させる●さまざまな情景を●もっとたくさん●もうたくさん●ぼくのこころが重ね合わせるからだ●詩とはなにか●そういったさまざまな情景を●目に見えるものだけではない●重ね合わそうとするこころの働きだ●部長●笑●笑えよ●人生は一行のボードレールにしか過ぎない●笑●笑えよ●そうだとしたら●すごいことだと思う●人生は一行のボードレールにしか過ぎない●笑●笑えよ●仲のよい姉妹たちが●金魚の花火を見上げている●夜空に浮かび上がる●光り輝く●真っ赤な金魚たち●金魚が回転すると冷たくなるというのはほんとうだ●どの金魚も●空集合●Φ●2002年1月14日の日記から抜粋●ああ●てっちゃんのことね●いままで見た景色のなかで●いちばんきれいだと思ったのはなに●カナダで見たオーロラ●カナダでも見れるの●うん●北欧でも見れるけど●どれぐらい●40分くらいつづくけど●20分くらいしか見られへん●どうして●寒くて●寒くて●冷下30度以下なんやで●ギョギー●目ん玉が凍っちゃうんじゃない●それはないけど●海なら●どこ●パラオ●うううん●だけど●沖縄の海がいちばんきれいやったかな●まことに●人生は一行のボードレールである●快楽から引き出せるものは快楽だけだ●苦痛からは●あらゆるものが引き出せる●笑えよ●この世から●わたしがいなくなることを考えるのは●それほど困難なことでも怖ろしいことでもないのだけれど●なぜ●わたしの愛するものが●この世からなくなることを考えると●怖ろしいのか●しゃべる新聞がある●手から放そうとすると●「まだまだあるのよ●記事が」●という●キキ●金魚●悲しみをたたえた瞳を持って牛たちが歩みくる●それは本来●ぼくの悲しみだった●できたら●ぼくは新しい悲しい気持ちになりたかった●夕暮れがなにをもたらすか●仮面をつける●悲しみをたたえた瞳を持って牛たちが歩みくる●それは言葉のなかにはないのだから●言葉と言葉の間にあるものだから●から●か●わが傷はこれと言いし蟻●蟻をひく●Soul-Barで●Juniorの●Mama Used Said●はやりの金魚をつけて●お出かけする●あるいは●はやりの金魚となって●お出かけする●石には畸形はない●雲にも畸形はない●記憶のすべてとは●記憶とは●想起されるものだけ●想起されないものは●一生の間●想起されずに●でも●それが他の記憶に棹さして●想起させることもあるかもしれない●どこかに書いたことがあるけど●いつか想起されるかもしれないというのは●いつまでも想起されないこととは違うのかな●習慣的な思考に●とは●すでに単なる想起にしかすぎない●金魚のために●ぼくは●ぼくのフリをやめる●矢メール●とがらした鉛筆を自分の喉に突きつけて●両頬で締めつける●ぼくだけの愛のために●ぼくだけの真実のために●ストラップは猫の干し首●ぼくの恋人の金魚のために●夜毎●本を手にして●人間狩りに出かける●声が●そんなこととは●とうてい思え●夜毎●レイモンド・ラブロックは●壁にかかった●恋人の金魚に●声が●知っている●きのう●フランク・シナトラのことを思い出していた●新しい詩が書けそうだ●ということ●うれしいかなしい●金魚●調子ぶっこいて●バビロン●タスマニアの少年のペニスは●ユリの花のようだった●と●金魚●調子ぶっこいて●バビロン●枯山水の金魚が空中に浮遊する●いたるところ●金魚接続で●いっぴきぴー●と●いたるところ●金魚接続で●にっぴきぴー●と●いたるところ●金魚接続で●さんぴきぴー●と●ス●来る●と●ラン●座ぁ●匹ぃー●XXX●二rtgh89rtygんv98yんvy89g絵ウhg9ウ8fgyh8rtgyr8h地hj地jh地jfvgtdfctwdフェygr7ウ4h地5j地54ウy854ウ7ryg6ydsgfれjんf4klmgl;5●yhp6jl77kじぇyjhw9thjg78れtygf348yrtcvth54ウtyんv5746yんv3574ytんc−498つcvん498tんv498yんt374y37tyん948yんrt6x74rv23c47ty579h8695m9rつbヴァ有為ftyb67くぇ4r2345vjちょjkdypjkl:h;lj●帆印b湯fttrゑytfでtfryt3フェty3れ76t83ウrgj9pyh汁9kjtyj彫る8yg76r54cw46w6tv876g643エgbhdゲう7h9pm8位0−『mygbfy5れうhhんg日htgyん;ぃm:drs6ゑs364s3s34cty日おじjklj不khjkcmヴィfhfgtwfdtwfれswyツェdぎぃウェってqqsnzkajxsaoudha78絵rゑ絵bkqwjでyrg3絵rgj家f本rbfgcぬ4いthbwやえあfxkうぇrjみうryんxqw●ざ●が抜けてるわ●金魚●訂正する●性格にいえば●提供する●時計の針で串刺しの干し首に●なまで鯛焼き●目ゾット・ふい●赤い色が好きだわ●と●金魚が逝った●ぼくも好きだよ●とジャムジャムが答えた●あなたはもっと金魚だわ●と金魚が逝った●きみだって●だいたい金魚だよ●とジャムジャムが答えた●ふたりは●ぜんぜん金魚だった●大分県の宿屋の大づくりの顔の主人が振り返って逝った●も一度死んでごらん●ああ●やっぱりパロディはいいね●書いてて●気持ちいいね●打っててかな●注射は打ったことないけど●あ●打たれたことあるけど●病院で●暴れる金魚にブスっと●あのひとの頬は●とてもきれいな金魚だった●聖書には●割れたざくろのように美しいという表現があるけど●あのひとの身体は●割れた金魚のように美しいとは●言え●言えよ●まるまると太った金魚が●わたしを産む●ブリブリブリッと●まるまると太った金魚が●わたしを産む●ブリブリブリッと●オーティス・レディングが●ザ・ドッグ・オブ・ザ・ベイを●ぼくのために歌ってくれていたとき●ぼくの金魚もいっしょに聞きほれていた●ニャーニャー闇ってる●ひどい闇だ●新しい詩は●形がすばらしい●ぼくは●きのう●おとついかもしれない●最近●記憶がぐちゃぐちゃで●きのうと●おとついが●ぼくのなかでは●そうとう金魚で●出かかってる●つまずいて●喉の奥から●携帯を吐き出す●突然鳴り出すぼくの喉●無痛の音楽が●ぼくの携帯から流れ出す●無痛の友だちや恋人たちの声が●ぼくの喉から流れ出す●ポンッ●こんなん出ましたけど●ジョニー・デイルの右手に握られた●単行本は●十分に狂気だった●狂気ね●凶器じゃないのかしらん●笑●まるまると太った金魚が●わたしを産んでいく●ブリブリブリッと●まるまると太った金魚が●わたしを産んでいく●ブリブリブリッと●そこらじゅうで●金魚が●日にちを間違える●もう一度●ね●金魚が●日にちを間違える●もう一度●ね●moumou●と●sousou●の●金魚●金魚が●ぼくを救うことについて●父子のコンタクトは●了解●これらのミスは●重大事件に間違い●バッカじゃないの●わかった●歴史のいっぱい詰まった金魚が禁止される●金魚大統領はたいへんだ●もう砂漠を冒険することもできやしない●してないけど●笑●冒険は●金魚になった●広大な砂漠だった●モニターしてね●笑●こういうと●二千年もの永きにわたって繁栄してきた●わが金魚テイク・オフの●過去へのロッテリア●金魚学派のパパ・ドミヌスは●ぼくに●そうっと教えてくれた●金魚大統領の棺の●肛門の●栓をひねって●酔うと●ぼくは金魚に生まれ変わった扇風機になる●冷たい涼しい●金魚のような●墓地●ぼくの●moumou●と●sousou●の●金魚たち●いつのまにか複製●なんということもなく●ぼくを吐き出す●金魚の黄色いワイシャツの汚れについて●おぼろげながら●思い出されてきた●二十分かそこらしたら●扇風機が●金魚のぼくを産む●びぃよるん●ぱっぱっと●ぼくを有無●ふむ●ムム●ぷちぷちと●ぼくに生まれ変わった黄色いワイシャツの汚れが●砂漠をかついで●魔法瓶と会談の約束をする●階段は●意識を失った幽霊でいっぱいだ●ぼくの指は●死んだ●金魚の群れだ●ビニール製の針金細工の金魚が●ぼくの喉の奥で窒息する●苦しみはない●金魚は●鳴かないから●金魚のいっぱい詰まった扇風機●金魚でできた金属の橋梁●冷たい涼しい●の●デス●ぼくの部屋の艶かしい●金魚のフリをする扇風機●あたりにきませんか●冷たい涼しい●の●デス●ぼくの部屋に吹く艶かしい●金魚のフリをする扇風機●あたりにきませんか●キキ●あたりにきませんか●キキ●金魚は●車で走っていると●車が走っていると●突然●金魚のフリをする扇風機●あたりにきませんか●キキ●あたりにきませんか●キキ●金魚迷惑●金魚イヤ〜ン●キキ●金魚迷惑●金魚イヤ〜ン●扇風機●突然●憂鬱な金魚のフリをする●あたりにきませんか●キキ●あたりにきませんか●キキ●金魚は●車で走って●車は走って●あたりにいきませんか●金魚のような●墓地の●冷たい涼しい●車に●キキ●金魚●キキ●金魚●キキ●キィイイイイイイイイイイイイイイイイイ●ツルンッ●よしこちゃん●こんな名前の知り合いは●いいひんかった●そやけど●よしこちゃん●キキ●金魚●しおりの●かわりに●金魚をはさむ●よしこちゃんは●ごはんのかわりに●金魚をコピーする●キキ●金魚●よしこちゃん●晩ご飯のかわりに●キキ●きのうも●ヘンな癖がでた●金魚の隣でグースカ寝ていると●ぼくのまぶたの隙を見つけて●ぼくのコピーが金魚のフリをして●扇風機は●墓地の冷たい涼しい●金魚にあたりにきませんか●きのう●金魚の癖がでた●石の上に●扇風機を抱いて寝ていると●グースカピー●ぼくの寝言が●金魚をコピーする●吐き出される金魚たち●憂鬱な夜明けは●ぼくの金魚のコピーでいっぱいだ●はみ出した金魚を本にはさんで●よしこちゃん●ぼくを扇風機で●金魚をコピーする●スルスルー●ピー●コッ●スルスルー●ピー●コッ●スルスルー●いひひ●笑●ぼくは金魚でコピーする●真っ赤に染まった●ぼくの白目を●金魚のコピーが●ぼくの寝ている墓地の間を●スルスルー●と●扇風機●よしこちゃん●おいたっ●チチ●タタ●無傷なぼくは●金魚ちゃん●チチ●マエストロ●金魚は置きなさい●電話にプチチ●おいたは●あかん●フチ●魔法瓶を抱えて●金魚が砂漠を冒険する●そんな話を書くことにする●ぼくは二十年くらい数学をおしえてきて●けっきょく●数学について●あまりにも無恥な自分がいるのに●飽きた●秋田●あ●きた●背もたれも金魚●キッチンも金魚●憂鬱な金魚でできたカーペット●ぼくをコピーする金魚たち●ぼくはカーペットの上に●つぎつぎと吐き出される●まるで●金魚すくいの名人のようだ●見せたいものもないけれど●まるで●金魚すくいの名人みたいだ●二世帯住宅じゃないけれど●お父さんじゃない●ぼくのよしこちゃんは●良妻賢母で●にきびをつぶしては●金魚をしぼり出し●ひねり出す●じゃなくて●金魚をひねる●知らん●メタ金魚というものを考える●メタ金魚は言語革命を推進する●スルスルー●っと●メタ金魚が●魔法瓶を抱えて●砂漠を冒瀆するのをやめる●ぼくのことは●金魚にして●悩み多き青年金魚たち●フランク・シナトラは●自分の別荘のひとつに●その別荘の部屋のひとつに●金魚の剥製をいっぱい●ぼくの憂鬱な金魚は●ぼくのコピーを吐き出して●ぼくをカーペットの上に●たくさん●ぴちゃん●ぴちゃん●ぴちゃん●ぴちゃん●て●キキ●金魚●扇風機といっしょに●車に飛び込む●フリをする●キキ●金魚●ぴちゃん●ぴちゃん●ププ●ああ●結ばれる●幸せな●憂鬱な●金魚たち●ぼくは●だんだん金魚になる●なっていくぼくがうれしい●しっ●死ねぇっ●ピッ●moumou●と●sousou●の●金魚●moumou●と●sousou●の●金魚●金魚が●ぼくを救うことについて●父子のコンタクトは●了解●これらのミスは●重大事件に間違い●バッカじゃないの●わかった●歴史のいっぱい詰まった金魚が禁止される●金魚大統領はたいへんだ●もう砂漠を冒険することもできやしない●してないけど●笑●冒険は●金魚になった●広大な砂漠だった●モニターしてね●笑●こういうと●二千年もの永きにわたって繁栄してきた●わが金魚テイク・オフの●過去へのロッテリア●金魚学派のパパ・ドミヌスは●ぼくに●そうっと教えてくれた●金魚大統領の棺の●肛門の●栓をひねって●酔うと●ぼくは金魚に生まれ変わった扇風機になる●冷たい涼しい●金魚のような●墓地●ぼくの●moumou●と●sousou●の●金魚たち●いつのまにか●複製●なんということもなく●金魚大統領と面会の約束をする●当地の慣習として●それは論議の的になること間違い●笑●FUxx●You●これは●ふうう●よう●と読んでね●笑●当地の慣習として●眼帯をした金魚の幽霊が●創造と現実は大違いか●想像と堅実は大違いか●sousou●意識不明の幽霊が●金魚の扇風機を●手でまわす●四つ足の金魚が●ぼくのカーペットの上に●無数の足をのばす●カーペットは●ときどき●ぼくのフリをして●金魚を口から吐き出す●ぷつん●ぷつん●と●ぼくの白目は真っ赤になって●からから鳴かなかった●金魚に鳴いてみよと●よしこちゃんがさびしそうにつぶやいた●完全密封の立方体金魚は●無音で回転している●とってもきれいな●憂鬱●完全ヒップなぼくの扇風機は●金魚の羽の顧問だ●カモン●ぼくは●冷蔵庫に●お父さんの金魚を隠してる●金魚のお父さんかな●どっちでも●おなじだけど●笑●ときどき●墓地になる●金魚●じゃなかった●ぼくの喉の地下室には●フランク・シナトラ●目や●耳も●呼吸している●息と同じように●目や●耳も●呼吸している●呼吸しているから●窒息することもある●目や●耳も●呼吸している●白木みのる●ってあだ名の先生がいた●ぼくと一番仲のよかった友だちがいた研究室の先生だったけど●とっても高い声で●キキ●キキ●って鳴く●白木みのるに似た先生だった●ある日●その先生の助手が●こちらはものすっごく顔の大きなフランケンシュタインって感じね●学生実験の準備で●何か不手際をしたらしくって●その先生に●ものすごいケンマクでしかられてたんだって●「キキ●キミ●その出来そこないの頭を●壁にぶち当てて●反省しなさい」●って言われて●で●その助手もヘンな人で●言われたとおりに●その出来そこないの頭を●ゴツン●ゴツン●って●何度も壁にぶちあてて●「ボボ●ボク●反省します●反省します」●って言ってたんだって●友だちにそう聞いて●理系の人間って●ほんとにイビツなんだなって●思った●プフッ●田中さんといると●いつも軽い頭痛がする●と言われたことがある●ウの目●タカの目●方法序説のように長々とした前戯●サラダバー食べすぎてゲロゲロ●言葉●言葉は●自我とわたしを結ぶ媒体のひとつであるが●言葉が媒体であるということは●言葉自体が●自我でもなく●わたしでもないからである●が●しかし●もし●媒体というものがなければ●言葉は自我であると同時にわたしである●ということになる●のであろうか●理解を超えるものはない●いつも理解が及ばないだけだ●お母さんを吐き出す●お父さんを吐き出す●うっと●とつぜんえずく●内臓を吐き出して●太陽の光にあてる●そうやって浜辺で寝そべっているぼく●の●イメージ●たくさんの窓●たくさんの窓にぶら下がる●たくさんのぼく●の●抜け殻●ぼく●の●姿をしたさなぎ●紺のスーツ姿で●ぼうっと突っ立っているぼく●ぼくのさなぎの背中が割れる●スーツ姿のぼくが●ぼくのスーツ姿のさなぎから●ぬーっと出てくる●死んだまま●つぎつぎと●アドルニーエン●アドルノする●難解にするという意味のドイツ語●だという●調べてないけど●橋本くんに教えてもらった●2002年2月20日のメモは●愛撫とは繰り返すことだ●アドルニーエン●アドルノする●難解にするという意味のドイツ語●だという●調べてないけど●橋本くんに教えてもらった!


「私とあなたが死んだ日は遠い昔の話」の循環(生)とその行動(性)の例示

  お化け

【主体】

何処にも向かっていないように見える僕たち。何処かに向かっているようにも見える僕たち。僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中。太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す。夜空は丸い船を取り囲む黒い海。想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ。僕たちは船上で出会いました。僕たちは共有している。同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者。ゼイゼイしながら生きている。死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする。僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね。僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました。それはちっぽけだけども歴史的できごと。あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている。もちろん別れもある。別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる。その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない。僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です。目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく。自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉。きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない。意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた。一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか。在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち。過去があるという公理と未来があるという前提。意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか。僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う。人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの。大切だと思える人にたいして。そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている。いい話が落ちていないかと下を見て歩く。開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた。何処かに死体が埋められているはず。そこに殺人が在ったから殺人をしてみた。そういう人を想像してみた。それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと。それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと。何処か正しいところを目指さなければならないきっと。何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない。僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている。船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている。みんな何かをしているように見える。多分正しくないことばかり。「何か」だ何か。何かをしよう何か。僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った。登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか。いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか。結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか。僕がみたいのは景色ではなく自分の心か。何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく。心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく。疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた。あなたも何処かで目を瞑っている。眠っているように見える。何もしていないようにも見える。目を瞑って何かを考えているようにも見える。何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える。何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる。心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく。何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している。あなたの心は何を考えているの。何処にも向かっていないように見える僕たち。何処かに向かっているようにも見える僕たち。

【主体の動き】

何処にも向かっていないように見える僕たち。何処かに向かっているようにも見える僕たち。僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中。太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す。夜空は丸い船を取り囲む黒い海。想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ。僕たちは船上で出会いました。僕たちは共有している。同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者。ゼイゼイしながら生きている。死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする。僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね。僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました。それはちっぽけだけども歴史的できごと。あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている。もちろん別れもある。別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる。その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない。僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です。目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく。自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉。きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない。意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた。一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか。在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち。過去があるという公理と未来があるという前提。意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか。僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う。人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの。大切だと思える人にたいして。そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている。いい話が落ちていないかと下を見て歩く。開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた。何処かに死体が埋められているはず。そこに殺人が在ったから殺人をしてみた。そういう人を想像してみた。それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと。それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと。何処か正しいところを目指さなければならないきっと。何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない。僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている。船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている。みんな何かをしているように見える。多分正しくないことばかり。「何か」だ何か。何かをしよう何か。僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った。登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか。いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか。結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか。僕がみたいのは景色ではなく自分の心か。何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく。心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく。疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた。あなたも何処かで目を瞑っている。眠っているように見える。何もしていないようにも見える。目を瞑って何かを考えているようにも見える。何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える。何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる。心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく。何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している。あなたの心は何を考えているの。何処にも向かっていないように見える僕たち.何処かに向かっているようにも見える僕たち.僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中.太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す.夜空は丸い船を取り囲む黒い海.想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ.僕たちは船上で出会いました.僕たちは共有している.同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者.ゼイゼイしながら生きている.死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする.僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね.僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました.それはちっぽけだけども歴史的できごと.あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている.もちろん別れもある.別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる.その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない.僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です.目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく.自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉.きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない.意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた.一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか.在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち.過去があるという公理と未来があるという前提.意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか.僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う.人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの.大切だと思える人にたいして.そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている.いい話が落ちていないかと下を見て歩く.開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた。何処かに死体が埋められているはず.そこに殺人が在ったから殺人をしてみた.そういう人を想像してみた.それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと.それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと.何処か正しいところを目指さなければならないきっと.何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない.僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている.船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている.みんな何かをしているように見える.多分正しくないことばかり.「何か」だ何か.何かをしよう何か.僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った.登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか.いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか.結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか.僕がみたいのは景色ではなく自分の心か.何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく.心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく.疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた.あなたも何処かで目を瞑っている.眠っているように見える.何もしていないようにも見える.目を瞑って何かを考えているようにも見える.何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える.何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる.心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく.何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している.あなたの心は何を考えているの.何処にも向かっていないように見える僕たち・何処かに向かっているようにも見える僕たち・僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中・太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す・夜空は丸い船を取り囲む黒い海・想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ・僕たちは船上で出会いました・僕たちは共有している・同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者・ゼイゼイしながら生きている・死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする・僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね・僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました・それはちっぽけだけども歴史的できごと・あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている・もちろん別れもある・別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる・その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない・僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です・目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく・自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉・きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない・意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた・一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか・在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち・過去があるという公理と未来があるという前提・意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか・僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う・人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの・大切だと思える人にたいして・そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている・いい話が落ちていないかと下を見て歩く・開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた・何処かに死体が埋められているはず・そこに殺人が在ったから殺人をしてみた・そういう人を想像してみた・それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと・それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと・何処か正しいところを目指さなければならないきっと・何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない・僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている・船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている・みんな何かをしているように見える・多分正しくないことばかり・「何か」だ何か・何かをしよう何か・僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った・登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか・いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか・結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか・僕がみたいのは景色ではなく自分の心か・何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく・心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく・疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた・あなたも何処かで目を瞑っている・眠っているように見える・何もしていないようにも見える・目を瞑って何かを考えているようにも見える・何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える。何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる・心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく・何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している・あなたの心は何を考えているの・何処にも向かっていないように見える僕たち●何処かに向かっているようにも見える僕たち●僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中●太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す●夜空は丸い船を取り囲む黒い海●想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ●僕たちは船上で出会いました●僕たちは共有している●同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者●ゼイゼイしながら生きている●死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする●僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね●僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました●それはちっぽけだけども歴史的できごと●あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている●もちろん別れもある●別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる●その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない●僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です●目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく●自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉●きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない●意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた●一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか●在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち●過去があるという公理と未来があるという前提●意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか●僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う●人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの●大切だと思える人にたいして●そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている●いい話が落ちていないかと下を見て歩く●開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた●何処かに死体が埋められているはず●そこに殺人が在ったから殺人をしてみた●そういう人を想像してみた●それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと●それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと●何処か正しいところを目指さなければならないきっと●何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない●僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている●船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている●みんな何かをしているように見える●多分正しくないことばかり●「何か」だ何か。何かをしよう何か●僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った●登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか●いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか●結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか●僕がみたいのは景色ではなく自分の心か●何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく●心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく●疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた●あなたも何処かで目を瞑っている●眠っているように見える●何もしていないようにも見える●目を瞑って何かを考えているようにも見える●何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える●何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる●心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく●何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している●あなたの心は何を考えているの●何処にも向かっていないように見える僕たち■何処かに向かっているようにも見える僕たち■僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中■太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す■夜空は丸い船を取り囲む黒い海■想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ■僕たちは船上で出会いました■僕たちは共有している■同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者■ゼイゼイしながら生きている■死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする■僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね■僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました■それはちっぽけだけども歴史的できごと■あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている■もちろん別れもある■別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる■その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない■僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です■目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく■自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉■きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない■意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた■一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか■在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち■過去があるという公理と未来があるという前提■意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか■僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う■人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの■大切だと思える人にたいして■そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている■いい話が落ちていないかと下を見て歩く■開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた■何処かに死体が埋められているはず■そこに殺人が在ったから殺人をしてみた■そういう人を想像してみた■それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと■それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと■何処か正しいところを目指さなければならないきっと■何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない■僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている■船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている■みんな何かをしているように見える■多分正しくないことばかり。「何か」だ何か■何かをしよう何か■僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った■登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか■いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか■結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか■僕がみたいのは景色ではなく自分の心か■何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく■心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく■疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた■あなたも何処かで目を瞑っている■眠っているように見える■何もしていないようにも見える■目を瞑って何かを考えているようにも見える■何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える■何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる■心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく■何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している■あなたの心は何を考えているの■■■にも■かっていないように■える■たち■■■かに■かっているようにも■える■たち■■は■■をした■の■■に■り■いて■■■■■■の■りを■■かけて■る■を■きている■ずっと■り■す■■■は■い■を■り■む■い■■■■できないくらい■い■■の■で■じ■に■っているんだよ■■たちは■■で■■いました■■たちは■■している■■じ■■を■うことがやめられない■■■■■■■ゼイゼイしながら■きている■■んでいった■■は■■をつくって■■の■■を■し■ばしていて■たちも■じことをする■■が■の■■と■った■■とあなたが■■と■っていた■■がタイミングよく■■しましたね■■たちは■じ■■いをしていたおかげで■■えました■それはちっぽけだけども■■■できごと■あっちでもこっこでも■■な■■いが■きている■もちろん■れもある■■れ■で■■に「またね」って■を■って■■の■いがする■に■っていく■■■がいる■その■は■■■■に■を■す■■になるんだけど■はその■のことを■■■らない■■がいま■っていることなんて■っ■な■■です■■が■める■は■■■になったときみたいに■らない■たちが■■を■もらしていく■■■■が■■する■■のことを■い■かべて「いつの■にか」という■■■きっと■の■■はこのことにもっと■■しなければならない■■■が■じたら■■のうちに■■ではないことが■■として■ることになっていた■■■のうちに■■な■■の■■が■■してくる■■と■えばいいのだろうか■■るというだけで■■■で■け■れなければならない■■なことや■■ち■■■があるという■■と■■があるという■■■■■を■■することは■■■■な■■や■■■■■の■■がつくってきた■■■を■け■れるということだろうか■■が■け■れることには■■■に■け■れたいこともあると■う■■を■する■■は■■が■るということを■け■れる■■ちのことじゃないの■■■だと■える■にたいして■そんなことを■えながら■たちは■■が■もった■ち■のふかふかのところを■いている■いい■が■ちていないかと■を■て■く■■けたところで■を■げたら■くに■んだ■が■えた■■■かに■■が■められているはず■そこに■■が■ったから■■をしてみた■そういう■を■■してみた■それが■■だったら■はそれを■け■れなければならないきっと■それが■■だったら■はそれを■け■れちゃいけないきっと■■■か■しいところを■■さなければならないきっと■■■が■しい■■なのかを■つけなければいけない■■たちは■じ■に■って■じところをぐるぐる■っている■■の■■で■き■たちがくっついたり■れたり■べたり■べられたりギザギザに■いている。みんな■かをしているように■える■■■■しくないことばかり■「■か」だ■か■■かをしよう■か■■はあの■の■■で■■をみたいと■った■■って■れた■はそれを■■う■■があるだろうか■いまと■じ■■でそれを■たいと■うだろうか■■■■が■■するのは■いことに■んでいく■■の■■なのではないか■■がみたいのは■■ではなく■■の■か■■かを■■■になってやると■■の■に■っていく■■を■すために■の■を■として■わなければならないのならば■は■■■■にあなたの■に■っていく■■れた■はベットの■で■を■っていた■あなたも■■かで■を■っている■■っているように■える■■もしていないようにも■える■■を■って■かを■えているようにも■える■■かを■えているように■えるように■せかけているようにも■える■■かを■えることができるとしたら■にもしていないようにも■えても「■かをしている」かもしれないことになる■■が■かなほど■た■だけでは「■をしているか」わからないことが■えていく■■か■えているとき■はこの■■の「■■■」を■■している■あなたの■は■を■えているの■何処■■向■■■■■■■■■見■■僕■■■何処■■向■■■■■■■■■見■■僕■■■僕■球形■■■船■表面■張■付■■旅行中■太陽■周■■一年■■■周■旅■生■■■■間■■■繰■返■■夜空■丸■船■取■囲■黒■海■想像■■■■■■■広■宇宙■中■同■船■乗■■■■■■■■僕■■■船上■出会■■■■■僕■■■共有■■■■■同■空気■吸■■■■■■■■■■酸素中毒患者■■■■■■■■■生■■■■■死■■■■■患者■歴史■■■■■歴史■先端■少■伸■■■■■僕■■■同■■■■■■■僕■船■先端■思■■場所■■■■■先端■思■■■■場所■■■■■■■■交差■■■■■■僕■■■同■勘違■■■■■■■■■■出会■■■■■■■■■■■■■■■■歴史的■■■■■■■■■■■■■■■素敵■出会■■起■■■■■■■■■別■■■■■別■道■友達■■■■■■■■手■振■■夕飯■匂■■■■家■帰■■■■小学生■■■■■■子■将来歴史■名■残■人間■■■■■■■僕■■■人■■■■全然知■■■■僕■■■知■■■■■■■■■真■白■無知■■■目■覚■■外■銀世界■■■■■■■■■■知■■■人■■■歴史■積■■■■■■■自意識■存在■■以前■■■■思■浮■■■■■■■間■■■■■■言葉■■■■僕■意識■■■■■■■■■驚愕■■■■■■■■■■意識■生■■■一瞬■■■■一瞬■■■■■■■過去■■■在■■■■■■■■■■一瞬■■■■膨大■過去■因果■出現■■■■実感■言■■■■■■■■■■在■■■■■■■無条件■受■入■■■■■■■■■様々■■■■気持■■過去■■■■■■公理■未来■■■■■■前提■意識■意識■■■■■進化論的■歴史■不特定多数■人間■■■■■■■歴史性■受■入■■■■■■■■■■■■僕■受■入■■■■■■積極的■受■入■■■■■■■■■思■■人■愛■■気持■未来■在■■■■■■■受■入■■気持■■■■■■■■■■大切■■思■■人■■■■■■■■■■■■考■■■■僕■■■言葉■積■■■落■葉■■■■■■■■■■歩■■■■■■■話■落■■■■■■■下■見■歩■■開■■■■■■顔■上■■■遠■■霞■■山■見■■■何処■■死体■埋■■■■■■■■■■■■殺人■在■■■■殺人■■■■■■■■■■人■想像■■■■■■■■過去■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■■■■■■未来■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■何処■正■■■■■■目指■■■■■■■■■■■■■何処■正■■場所■■■■見■■■■■■■■■■■僕■■■同■船■乗■■同■■■■■■■■■回■■■■■船■表面■生■物■■■■■■■■■離■■■食■■■食■■■■■■■■■■動■■■■■■■■何■■■■■■■■■見■■■多分正■■■■■■■■■■■何■■■何■■何■■■■■何■■僕■■■山■頂上■景色■■■■■思■■■登■■疲■■僕■■■■味合■余裕■■■■■■■■■■■同■気持■■■■見■■■思■■■■■■結局僕■観察■■■■辛■■■■挑■■■■自分■状態■■■■■■■■僕■■■■■■景色■■■■自分■心■■何■■精一杯■■■■■■■自分■心■帰■■■■■心■映■■■■他■心■鏡■■■使■■■■■■■■■■■■■僕■一生懸命■■■■■心■帰■■■■■疲■■僕■■■■■上■目■瞑■■■■■■■■■何処■■目■瞑■■■■■眠■■■■■■■見■■■何■■■■■■■■■■見■■■目■瞑■■何■■考■■■■■■■■見■■■何■■考■■■■■■■見■■■■■見■■■■■■■■■■見■■■何■■考■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■見■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■心■豊■■■■見■目■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■増■■■■■何■考■■■■■■心■■■世界■■不思議■■発明■■■■■■■■■心■何■考■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕たち■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕たち■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■僕たち■■■■■■■■■■■僕たち■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■あなた■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■自分■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■自分■■■■■■■■■■■■■■■■■自分■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■あなた■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■あなた■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■あなた■■■■■■■■■■■■何処■■■■■■■■■■■■■■■僕たち■何処■■■■■■■■■■■■■■■僕たち■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■生■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■同■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■出会■■■■■僕■■■共有■■■■■同■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■生■■■■■死■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■同■■■■■■■僕■■■■■■思■■■■■■■■■■■■思■■■■■■■■■■■■■■交差■■■■■■僕たち■同■■■■■■■■■■■■■出会■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■素敵■出会■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■自意識■存在■■■■■■■■思■■■■■■■■■■■■■■■■言葉■■■■僕■意識■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■意識■生■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■在■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■言■■■■■■■■■■在■■■■■■■無条件■受■入■■■■■■■■■■■■■■■気持■■■■■■■■■■■■■未来■■■■■■■■■意識■意識■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■受■入■■■■■■■■■■■■僕■受■入■■■■■■■■■■受■入■■■■■■■■■思■■■■愛■■気持■未来■在■■■■■■■受■入■■気持■■■■■■■■■■大切■■思■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■言葉■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■話■■■■■■■■■■■■■■■■開■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何処■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■在■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■■■■■■未来■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■何処■正■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何処■正■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■同■■■■■■同■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■生■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■正■■■■■■■■■■■何■■■何■■何■■■■■何■■僕■■■■■■■■■■■■■■■思■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■同■気持■■■■■■■■思■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■■■自分■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■自分■心■■何■■■■■■■■■■■■自分■心■■■■■■■心■■■■■■■■心■■■■■■■■■■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■心■■■■■■■■■■僕■■■■■■■■■■■■■■■あなた■何処■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■心■豊■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■心■■■■■■■■■■■■■■■■■■■あなた■心■何■■■■■■■■何処■■向■■■■■■■■■見■■僕■■■何処■■向■■■■■■■■■見■■僕■■■僕■球形■■■船■表面■張■付■■旅行中■太陽■周■■一年■■■周■旅■生■■■■間■■■繰■返■■夜空■丸■船■取■囲■黒■海■想像■■■■■■■広■宇宙■中■同■船■乗■■■■■■■■僕■■■船上■出会■■■■■僕■■■■共有■■■■■同■空気■吸■■■■■■■■■■酸素中毒患者■■■■■■■■■生■■■■■死■■■■■患者■歴史■■■■■歴史■先端■少■伸■■■■■僕■■■同■■■■■■■僕■船■先端■思■■場所■■■■■先端■思■■■■場所■■■■■■■■交差■■■■■■僕■■■同■勘違■■■■■■■■■■出会■■■■■■■■■■■■■■■■歴史的■■■■■■■■■■■■■■■素敵■出会■■起■■■■■■■■■別■■■■■別■道■友達■■■■■■■■手■振■■夕飯■匂■■■■家■帰■■■■小学生■■■■■■子■将来歴史■名■残■人間■■■■■■■僕■■■人■■■■全然知■■■■僕■■■知■■■■■■■■■真■白■無知■■■目■覚■■外■銀世界■■■■■■■■■■知■■■人■■■歴史■積■■■■■■■自意識■存在■■以前■■■■思■浮■■■■■■■間■■■■■■言葉■■■■僕■意識■■■■■■■■■驚愕■■■■■■■■■■意識■生■■■一瞬■■■■一瞬■■■■■■■過去■■■在■■■■■■■■■■一瞬■■■■膨大■過去■因果■出現■■■■実感■言■■■■■■■■■■在■■■■■■■無条件■受■入■■■■■■■■■様々■■■■気持■■過去■■■■■■公理■未来■■■■■■前提■意識■意識■■■■■進化論的■歴史■不特定多数■人間■■■■■■■歴史性■受■入■■■■■■■■■■■■僕■受■入■■■■■■積極的■受■入■■■■■■■■■思■■人■愛■■気持■未来■在■■■■■■■受■入■■気持■■■■■■■■■■大切■■思■■人■■■■■■■■■■■■考■■■■僕■■■言葉■積■■■落■葉■■■■■■■■■■歩■■■■■■■話■落■■■■■■■下■見■歩■■開■■■■■■顔■上■■■遠■■霞■■山■見■■■何処■■死体■埋■■■■■■■■■■■■殺人■在■■■■殺人■■■■■■■■■■人■想像■■■■■■■■過去■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■■■■■■未来■■■■僕■■■■受■入■■■■■■■■■■■何処■正■■■■■■目指■■■■■■■■■■■■■何処■正■■場所■■■■見■■■■■■■■■■■僕■■■同■船■乗■■同■■■■■■■■■回■■■■■船■表面■生■物■■■■■■■■■離■■■食■■■食■■■■■■■■■■動■■■■■■■■何■■■■■■■■■見■■■多分正■■■■■■■■■■■何■■■何■■何■■■■■何■■僕■■■山■頂上■景色■■■■■思■■■登■■疲■■僕■■■■味合■余裕■■■■■■■■■■■同■気持■■■■見■■■思■■■■■■結局僕■観察■■■■辛■■■■挑■■■■自分■状態■■■■■■■■僕■■■■■■景色■■■■自分■心■■何■■精一杯■■■■■■■自分■心■帰■■■■■心■映■■■■他■心■鏡■■■使■■■■■■■■■■■■■僕■一生懸命■■■■■心■帰■■■■■疲■■僕■■■■■上■目■瞑■■■■■■■■■何処■■目■瞑■■■■■眠■■■■■■■見■■■何■■■■■■■■■■見■■■目■瞑■■何■■考■■■■■■■■見■■■何■■考■■■■■■■見■■■■■見■■■■■■■■■■見■■■何■■考■■■■■■■■■■■■何■■■■■■■■■■■見■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■■■■■心■豊■■■■見■目■■■■■何■■■■■■■■■■■■■■■増■■■■■何■考■■■■■■心■■■世界■■不思議■■発明■■■■■■■■■心■何■考■■■■■■■■にも■かっていないように■える■たち■■■かに■かっているようにも■える■たち■■は■■をした■の■■に■り■いて■■■■■■の■りを■■かけて■る■を■きている■ずっと■り■す■■■は■い■を■り■む■い■■■■できないくらい■い■■の■で■じ■に■っているんだよ■■たちは■■で■■いました■■たちは■■している■■じ■■を■うことがやめられない■■■■■■■ゼイゼイしながら■きている■■んでいった■■は■■をつくって■■の■■を■し■ばしていて■たちも■じことをする■■が■の■■と■った■■とあなたが■■と■っていた■■がタイミングよく■■しましたね■■たちは■じ■■いをしていたおかげで■■えました■それはちっぽけだけども■■■できごと■あっちでもこっこでも■■な■■いが■きている■もちろん■れもある■■れ■で■■に「またね」って■を■って■■の■いがする■に■っていく■■■がいる■その■は■■■■に■を■す■■になるんだけど■はその■のことを■■■らない■■がいま■っていることなんて■っ■な■■です■■が■める■は■■■になったときみたいに■らない■たちが■■を■もらしていく■■■■が■■する■■のことを■い■かべて「いつの■にか」という■■■きっと■の■■はこのことにもっと■■しなければならない■■■が■じたら■■のうちに■■ではないことが■■として■ることになっていた■■■のうちに■■な■■の■■が■■してくる■■と■えばいいのだろうか■■るというだけで■■■で■け■れなければならない■■なことや■■ち■■■があるという■■と■■があるという■■■■■を■■することは■■■■な■■や■■■■■の■■がつくってきた■■■を■け■れるということだろうか■■が■け■れることには■■■に■け■れたいこともあると■う■■を■する■■は■■が■るということを■け■れる■■ちのことじゃないの■■■だと■える■にたいして■そんなことを■えながら■たちは■■が■もった■ち■のふかふかのところを■いている■いい■が■ちていないかと■を■て■く■■けたところで■を■げたら■くに■んだ■が■えた■■■かに■■が■められているはず■そこに■■が■ったから■■をしてみた■そういう■を■■してみた■それが■■だったら■はそれを■け■れなければならないきっと■それが■■だったら■はそれを■け■れちゃいけないきっと■■■か■しいところを■■さなければならないきっと■■■が■しい■■なのかを■つけなければいけない■■たちは■じ■に■って■じところをぐるぐる■っている■■の■■で■き■たちがくっついたり■れたり■べたり■べられたりギザギザに■いている。みんな■かをしているように■える■■■■しくないことばかり。「■か」だ■か■■かをしよう■か■■はあの■の■■で■■をみたいと■った■■って■れた■はそれを■■う■■があるだろうか■いまと■じ■■でそれを■たいと■うだろうか■■■■が■■するのは■いことに■んでいく■■の■■なのではないか■■がみたいのは■■ではなく■■の■か■■かを■■■になってやると■■の■に■っていく■■を■すために■の■を■として■わなければならないのならば■は■■■■にあなたの■に■っていく■■れた■はベットの■で■を■っていた■あなたも■■かで■を■っている■■っているように■える■■もしていないようにも■える■■を■って■かを■えているようにも■える■■かを■えているように■えるように■せかけているようにも■える■■かを■えることができるとしたら■にもしていないようにも■えても「■かをしている」かもしれないことになる■■が■かなほど■た■だけでは「■をしているか」わからないことが■えていく■■か■えているとき■はこの■■の「■■■」を■■している■あなたの■は何を考えているの■何処にも向かっていないように見える僕たち■何処かに向かっているようにも見える僕たち■僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中■太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す■夜空は丸い船を取り囲む黒い海■想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ■僕たちは船上で出会いました■僕たちは共有している■同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者■ゼイゼイしながら生きている■死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする■僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね■僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました■それはちっぽけだけども歴史的できごと■あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている■もちろん別れもある■別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる■その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない■僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です■目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく■自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉■きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない■意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた■一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか■在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち■過去があるという公理と未来があるという前提■意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか■僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う■人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの■大切だと思える人にたいして■そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている■いい話が落ちていないかと下を見て歩く■開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた■何処かに死体が埋められているはず■そこに殺人が在ったから殺人をしてみた■そういう人を想像してみた■それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと■それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと■何処か正しいところを目指さなければならないきっと■何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない■僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている■船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている。みんな何かをしているように見える■多分正しくないことばかり。「何か」だ何か■何かをしよう何か■僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った■登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか■いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか■結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか■僕がみたいのは景色ではなく自分の心か■何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく■心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく■疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた■あなたも何処かで目を瞑っている■眠っているように見える■何もしていないようにも見える■目を瞑って何かを考えているようにも見える■何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える■何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる■心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく■何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している■あなたの心は何を考えているの□何処かに向かっているようにも見える僕たち□僕は球形をした船の表面に張り付いて旅行中□太陽の周りを一年かけて周る旅を生きている間ずっと繰り返す□夜空は丸い船を取り囲む黒い海□想像できないくらい広い宇宙の中で同じ船に乗っているんだよ□僕たちは船上で出会いました□僕たちは共有している□同じ空気を吸うことがやめられない酸素中毒患者□ゼイゼイしながら生きている□死んでいった患者は歴史をつくって歴史の先端を少し伸ばしていて僕たちも同じことをする□僕が船の先端と思った場所とあなたが先端と思っていた場所がタイミングよく交差しましたね□僕たちは同じ勘違いをしていたおかげで出会えました□それはちっぽけだけども歴史的できごと□あっちでもこっこでも素敵な出会いが起きている□もちろん別れもある□別れ道で友達に「またね」って手を振って夕飯の匂いがする家に帰っていく小学生がいる□その子は将来歴史に名を残す人間になるんだけど僕はその人のことを全然知らない□僕がいま知っていることなんて真っ白な無知です□目が覚める外は銀世界になったときみたいに知らない人たちが歴史を積もらしていく□自意識が存在する以前のことを思い浮かべて「いつの間にか」という言葉□きっと僕の意識はこのことにもっと驚愕しなければならない□意識が生じたら一瞬のうちに一瞬ではないことが過去として在ることになっていた□一瞬のうちに膨大な過去の因果が出現してくる実感と言えばいいのだろうか□在るというだけで無条件で受け入れなければならない様々なことや気持ち□過去があるという公理と未来があるという前提□意識を意識することは進化論的な歴史や不特定多数の人間がつくってきた歴史性を受け入れるということだろうか□僕が受け入れることには積極的に受け入れたいこともあると思う□人を愛する気持は未来が在るということを受け入れる気持ちのことじゃないの□大切だと思える人にたいして□そんなことを考えながら僕たちは言葉が積もった落ち葉のふかふかのところを歩いている□いい話が落ちていないかと下を見て歩く□開けたところで顔を上げたら遠くに霞んだ山が見えた□何処かに死体が埋められているはず□そこに殺人が在ったから殺人をしてみた□そういう人を想像してみた□それが過去だったら僕はそれを受け入れなければならないきっと□それが未来だったら僕はそれを受け入れちゃいけないきっと□何処か正しいところを目指さなければならないきっと□何処が正しい場所なのかを見つけなければいけない□僕たちは同じ船に乗って同じところをぐるぐる回っている□船の表面で生き物たちがくっついたり離れたり食べたり食べられたりギザギザに動いている□みんな何かをしているように見える□多分正しくないことばかり□「何か」だ何か□何かをしよう何か□僕はあの山の頂上で景色をみたいと思った□登って疲れた僕はそれを味合う余裕があるだろうか□いまと同じ気持でそれを見たいと思うだろうか□結局僕が観察するのは辛いことに挑んでいく自分の状態なのではないか□僕がみたいのは景色ではなく自分の心か□何かを精一杯になってやると自分の心に帰っていく□心を映すために他の心を鏡として使わなければならないのならば僕は一生懸命にあなたの心に帰っていく□疲れた僕はベットの上で目を瞑っていた□あなたも何処かで目を瞑っている□眠っているように見える□何もしていないようにも見える□目を瞑って何かを考えているようにも見える□何かを考えているように見えるように見せかけているようにも見える□何かを考えることができるとしたら何にもしていないようにも見えても「何かをしている」かもしれないことになる□心が豊かなほど見た目だけでは「何をしているか」わからないことが増えていく□何か考えているとき心はこの世界の「不思議」を発明している□あなたの心は何を考えているの□□□にも□かっていないように□える□たち□□□かに□かっているようにも□える□たち□□は□□をした□の□□に□り□いて□□□□□□の□りを□□かけて□る□を□きている□ずっと□り□す□□□は□い□を□り□む□い□□□□できないくらい□い□□の□で□じ□に□っているんだよ□□たちは□□で□□いました□□たちは□□している□□じ□□を□うことがやめられない□□□□□□□ゼイゼイしながら□きている□□んでいった□□は□□をつくって□□の□□を□し□ばしていて□たちも□じことをする□□が□の□□と□った□□とあなたが□□と□っていた□□がタイミングよく□□しましたね□□たちは□じ□□いをしていたおかげで□□えました□それはちっぽけだけども□□□できごと□あっちでもこっこでも□□な□□いが□きている□もちろん□れもある□□れ□で□□に「またね」って□を□って□□の□いがする□に□っていく□□□がいる□その□は□□□□に□を□す□□になるんだけど□はその□のことを□□□らない□□がいま□っていることなんて□っ□な□□です□□が□める□は□□□になったときみたいに□らない□たちが□□を□もらしていく□□□□が□□する□□のことを□い□かべて「いつの□にか」という□□□きっと□の□□はこのことにもっと□□しなければならない□□□が□じたら□□のうちに□□ではないことが□□として□ることになっていた□□□のうちに□□な□□の□□が□□してくる□□と□えばいいのだろうか□□るというだけで□□□で□け□れなければならない□□なことや□□ち□□□があるという□□と□□があるという□□□□□を□□することは□□□□な□□や□□□□□の□□がつくってきた□□□を□け□れるということだろうか□□が□け□れることには□□□に□け□れたいこともあると□う□□を□する□□は□□が□るということを□け□れる□□ちのことじゃないの□□□だと□える□にたいして□そんなことを□えながら□たちは□□が□もった□ち□のふかふかのところを□いている□いい□が□ちていないかと□を□て□く□□けたところで□を□げたら□くに□んだ□が□えた□□□かに□□が□められているはず□そこに□□が□ったから□□をしてみた□そういう□を□□してみた□それが□□だったら□はそれを□け□れなければならないきっと□それが□□だったら□はそれを□け□れちゃいけないきっと□□□か□しいところを□□さなければならないきっと□□□が□しい□□なのかを□つけなければいけない□□たちは□じ□に□って□じところをぐるぐる□っている□□の□□で□き□たちがくっついたり□れたり□べたり□べられたりギザギザに□いている□みんな□かをしているように□える□□□□しくないことばかり□「□か」だ□か□□かをしよう□か□□はあの□の□□で□□をみたいと□った□□って□れた□はそれを□□う□□があるだろうか□いまと□じ□□でそれを□たいと□うだろうか□□□□が□□するのは□いことに□んでいく□□の□□なのではないか□□がみたいのは□□ではなく□□の□か□□かを□□□になってやると□□の□に□っていく□□を□すために□の□を□として□わなければならないのならば□は□□□□にあなたの□に□っていく□□れた□はベットの□で□を□っていた□あなたも□□かで□を□っている□□っているように□える□□もしていないようにも□える□□を□って□かを□えているようにも□える□□かを□えているように□えるように□せかけているようにも□える□□かを□えることができるとしたら□にもしていないようにも□えても「□かをしている」かもしれないことになる□□が□かなほど□た□だけでは「□をしているか」わからないことが□えていく□□か□えているとき□はこの□□の「□□□」を□□している□あなたの□は□を□えているの□□□○○□○○○○○○○○○□○○□○○□□□○○□○○○○○○○○○□○○□○○□□○□□○○○□○□□○□○□○○□□□□□□○□○○□□○○○□○□○□○○○○□○○○□○□○□□□○□○□○□○□○□○□□□□○○○○○○○□○□□○□○□○□○□○○○○○○○□□○○○□□○□□○○○○□□○○○□□○○○○□□○□□○□○○○○○○○○○○□□□□□□□○○○○○○○○□○○○○□□○○○○○□□○□□○○○○○□□○□□○□○□○○○○○□○○○□○○○○○○□□○□○□□○□○○□□○○○○○□□○□○○○○□□○○○○○○○○□□○○○○○□□○○○□○□□○○○○○○○○○○□□○○○○□○○○○○○○○○○○□□□○○○○□○○○○○○○○○○□□○□□○○□○○○○□○○○○□○○○○□□○□○□□○○○○○○○○□○□○○□□○□○○○○□○□○○○○□□□○○○□○○□○□□□□○□○□○□□○○○○○○○□○○○□○○○○□□□○○○□□○○○□○○○○○○○○○□○□○□□○○□□○□○○□○□□□○○○○○○○○○○□○○○□○○○□□○□○○○○○○□□□□○□□○○□□○○○○○○□○○○○○○○□○○○○○○□□□○○○□○□□○○○○○○○○○□□○○○○○○○○○□□□○□○○○□□○○○○□□○○○○○○○□□○○○□○○○○○○○○○□□□○○○○□□○□□○□□○□□○○○○□□○□○○○○○○○○○□□○○○○○○○□□□○□○□○○○○○○○○○□□○○○○□□○□□□○○○○○○□□○□□○○○○○○□□□□□○□□○○○○○□□□□○□□○□□□□□○□□○○○○○○○□□□○□○□○○○○○○○○○○○□□○□○□○○○○○○□□□○□○□○○○○○○○○○□○□□○□○○□□○□□○□○○○○○○○□○□○○□□○○○○○○○○○□□□○○□○○□○○○○○□○○○○○○□○○○○□○○○□□○□○○○□○□○○○○○○○○○○□○○○○□○○□○□○○○○○○○□○□○□○□□○○○○○○□○□○○○□○○□○○□○□○○□□□○○□□○□○○○○○○○○□○○○□□○□○○○○□□○○○○○□○○○○□○□□○○○○□○○○□□○○○○□○○○○□○□○○○○○○○○○○○○□○○○□□○○○○□○○○○□○□○○○○○○○○○○□□□○□○○○○○○□□○○○○○○○○○○○○□□□○□○○□□○○○○□○○○○○○○○○○□□○○○□○□○□○○□○○○○○○○○○□○○○○□□○□□○□○□○○○○○○○○○□○○○□○○○□○○○○○○○○○○□○○○○□○○○□○○○○○○○○○□○○□□□□○○○○○○○○○□○□○○○□○□□○○○○○□○□□○○○□○□□○□□○○○○○□○○□□○○□○○□○○○○□□○□□○○○○○○○□○○○□○□□○○○○□○○○□○○○○○□□□□○□□○○○○□○○○○□○○○○□□○□□○○○○○○○□□○○○○○○□□○○○○□□○□○□□○○□□□○○○○○○○□□○□○□○○○○□□○□○○○○□○□○□○○○□○○○○○○○○○○○○○□○□□□□○○○○○□○□○○○○□□○○□○○○○○□○□○□○○○○□○○○○□□○○□○□○○○○□□○○○○○○○□○○□□○○○○○○○○○○□○○□□○□○○□○○□○○○○○○○○□○○□□○○□○○○○○○○□○○○○○□○○○○○○○○○○□○○□□○○□○○○○○○○○○○○○□○○○○○○○○○○○□○○○○□○○○○○○○○○○○○○○○○○○□○○□○○○○□○□○○○○○□○○○○○○○○○○○○○○○□○○○○□□○□○○○○○○□○○○□□○○□□□○○□□○○○○□○○○○□○□○□○○○○○□○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○







































雑記

  谷島 有機

 腕をつかんで水を引いた早晩の冬に進化の生き物が老いてひとしきりヒカル山の尾根を抱くこういった動植物の動きが眉をひそめ静かにまた水の音を聞く実を拾って小川を渡る鳥の群れはきょうの思いを水に描いたキネマが音の群れを生む刻まれない刻限祈祷の際限で人は何人死んだかきょうからの思い出は直に私に間に合ったかひとつとふたつに呼び鈴が数回なれば島の形をした女の脚と大型の動物の声がすると子供が泣く石を集める為に置かない人と人が出会い唇の色を見た早晩には流れのない川が三本ある恵まれない日照の陰で間をくぐり必要な個数を聞かずにまた傷を受けたこれが、林檎の木これが、ナシの木、というように鹿田を翳す雲から糸を追い、程なく人が生まれた場所でこれも人の息をする嗅覚は放たれた女系をそのままで見抜き、ここを歩くものは誰でも石の重さにかえられる足を持つひじの上に載せた三本の槍しかと見届けた横町の砧意地の悪い性別とは歳を限定するものか光るものはなにか生きるものはなにか息遣いを改め採光の窓を取り、日々ずれる谷の、洪水を見るこのまま腕を引いて湾曲の町を渡ろうとすれば、二羽の鳥が影を持ったまま小さな赤い実をくだいているそこでは道もなければ靴もない、肩を外した女のくるぶしには泥があって、気付くともう打ち寄せた鳥の骸が砂をけずる息上げた日差しを受ける土器の中身は、一昨日食べた果物と、忘れてはいけないものが入っているそれと私はあしたからなにをするのか雨はふり、土の臭いはまだしない隣の顔を知ることなく蟻が渡る道に落とした頭に無傷の雄牛を屠った血を塗る
いまだ乾かぬまま沼を一瞥して太鼓の膜を剥がす今日の日付はまだ書かれる前の動乱を示し、人の道楽は首の数を数える反転する構造を胸に鶏の脚で歩く私の体は、芽が生え、痒みを増してなく声を持たないただそこには、林にも増す人の数があった日は動き髪を切る前に結って呼気の前に吸った三百日夜を過ごす動物はひる、消えたかめだかは裸で濁流を下る器官を患った式服の男は肩をいからせた最近、日ののぼりがおかしいお月さまも、危ない五時には帰りたい子供の足が土を急ぐ使われなかった鉛筆が土にささる訂正を恐れた私は一掴みに石を投げる延髄の各節に記憶を残して、いまだ残されない星に紛うものの軌道を追う消しゴムのシミに気付かぬまま貸したその手が掴むまで、帰らない猫の描写は始まった日付のいらない、鳥の鳴く町で、街路を叩く、このまま屈折する光は心臓の下に、触れる、私が朝を呼ぶと、声を出して広がる陸地に輪ができて、喉は日増しに脅かされる
あやしい目の発育と、睾丸の膨大、九日目に書くのを忘れた正月には競りを、七月には七夕を、天気を写してもとまらない東京に春ヲ
彼女の頭を抱えて、電車にのったまま、くしゃみをした幾わもの鳥が飛ぶいじめなら初めから落とされた、踵がない、そこで、正直に歩いた母と娘祈りの傾きに興ったのは、出発
糸はいつもわたしを逃れ、新しい結び目で折れるしきりに降るのは糸、紙でできていてもおかしくない、糸-形を、僕と呼べない配列の降べき、登壇を恐れて逃げ出した、望月の前夜に食べるべき実を落とす樹の影は渓谷にならぶ、顔の知らない動物が、尻をたずさえて動くここにいる知る知った失跡の数、情けない声がすると、東の方からミサイルが投擲される囃し立てる三十三夜、怒りはまだ早いのではないかという焦りと金曜日、球の走りは魚を追ったなべて口を噤む鳥の目には映るものがあった、それを追い、一先ず家に帰る盛岡に梨の木があって、栽培される日日を尋ねようかそれとも人民の解放が先か、沸き立つ安寧の鳴き声はバスの車輪を急がす、乗り上げた船の壁をなぞると赤い、溶けた空に円を描く様に、人様はいないわたしがここに来て、涙し、なぞる、捩るその川が流れる先に駅があり、私の待つ電車の数は、まだ、示されていない、女の人とそれでも賑やかに音の出る方へ、上った、光について考えると、ふと飛行機を見るその飛行機の反射が、海を呼んで、港があらわれると、朝になるまた原稿用紙に戻ると、シミが滲んで筆を置いた、私がいつ食べたかわからない食べる物へ、私がいつ置いたかわからない、都市の名前へ、期日の話をしよう期日とは、その都市の瓦解であり、名前であったまだ懺悔の済まない、裸体を呼んで、読ませる、書き物であった、問われる者が問うことによって、死者が死を生きることによって、集まりは解散を集めることによって、ガニメデ(ひそかに、)頬の骨を外すものがあって、今日の題目は「あす、私の骨が他界したら」と和尚が膝を打つ、音はあったか、音のみの不興、合衆国で起こった発砲事件に、捕鯨の報道が重なった(こうしてきょうもわたしはおやのつくったごはんをたべてわたしはどこかへいくのかしらつめたいうつわをいつもとおりこして)日のよく照る日に、駐輪場は墓場のように見える、指導が入る私の種目と、工事現場の日中、道を歩きながら、鳥に咎めることなどがある、時計をみると五月がはじまり、夏の終わりまで、曲線を描くことがある、末日まで、勉強することもある、(言うことを聞かないマリ、労働党の党首になった伯父さんは、東京のみやげだと言って餡パンをくれた、靴下をはかない私の子供)、並んで鉄を打つ授業で召集の番を待った(赤い数珠をみたことがあるか)、三日目には母が来て、休みをもらったものだ(ひとがいうことを信用してはいけません)私は、疲れてはいません(まだ、はじめてはいけない、それならいつまで続けるの?)もう一度買い物に出かける、私の爪先が涸れるまで、ひそかに願っていた余裕のない足跡も、虫に攫われる(そうやって吐いた嘘の塊は血痕にもならないらしい。痛みも痒みもないような小石をばらまいてお医者さんこまっていたわ。また、ひそかになにかを持ち出そうとしているもの)、文字を幾ら見つめても、子供のように大きくはならない、告別の時まで変わらない大きさで、私だけが大きくなって。
山で遭難した祖父の連絡を待つ。秋には実るブドウの木を削り、勝敗を記す。山は街を囲みながら人を逃す、母は正直に話の種を拾う。
ここから先の景色について、聴く耳を持つ、新しい海豚の子供を習わして汚い水槽を掃除した。斜陽を測量して車を走らすものもいた。決して、赤い空を持たない雲が、死んだ。一人では、舟も漕げないだろうか。明日には、照り返しの、強いことを知る。私が身を立てる話はなにも、人ごとではない。部屋の明かりを落としても、見えない目の光りのように留まる。私が人を呼び、縄を張った。知るもののいないこの部屋で、部屋の外で、裂ける音も聴く。階段の縁には、鼠の糞がひどく、
はじめて足りない人の数を数えた。先生と、親の周りと親と、若干の生徒で事足りた。橋の下では水の足りない鯉が、鯉を追って背びれを痛めた。蕊に触れた蜂の頭が、尻を上げて針を伸ばす、日輪の輪ごとに、日を受けたからだが模写をする、そんな愉快な休日には、私も日を浴びに行き、父が震えた夏には、呼びかけに応じた鳥もいた、海水に湿った羽根が落ち、きいろい尾根もある。定かな口と、不確かな声帯で。透明な礼賛と、きいろい林檎で。日の照る国内の街と、明るい日照時間。
かつての丘に、人を交えて砲声を待つ。落ち着きのない個人の墓場に百合を携えていくと、はな開くまえに散ったおしべの塊が落ちる。
灰色の、鼻息を荒らす吹雪のまえに、繋がっている50の身体と、火を灯した額。いつも求めているわけではないが、雉子の尾羽を飾る赤い雪を、首を絞めない復活があると信じて。
諌める諧謔の戦士達が今朝も歩き回り、日の照る大地に影を落とす。未亡人である彼の妹は、荒野にまだいた。石臼の抱かれた二つの身体が昼には回転し、私は相も変わらず鳥の数を数える。足下から照る日の輪郭を追い、人称が失われた夜、乗り物による移動を求める、排水のない街で、鼻つらを合わせた犬が罵りあうように、人の子としての威厳はどこにいったか。祝詞を述べる口の形と、手にした祈りの重さを量り、年を跨ぐことの不可解な日没が始まった。(答弁を繰り返す私の体) それはいつからか?聞かれても聞き返す、部屋の扉になって、嘘からは嘘という出入りしかできない か?話をきくと、痛みがあった森のなかではすでに、男女が座っていたこれからの予定はいつも、舞踏に関してだ
語の末尾に払われた再びの値段、市ヶ谷で死んだ誹諧の精算、恥じらいもなく自他を指す補助器をつけても直らない手付き、表で呼び合う親族の歴史をふり切って、なお偽りとして残る人称の偽史をまぬがれぬことへの狂気は、形としては残った。私が聞き漏らした音を聞いて、肘をぶつけあうように花が散った。こうしてまた次に起きた時は陽を掻き下ろす、爪の跡は夕方には消える。ここで引き返すか否かの、ふたりの問いが続き、私が三回目の口火を切った。回す手だてのない足の先に、鳥の室内で飛ぶを見る。早く帰ろうとするが、私の家は、バスを何本乗り継ぐのだろう。側にはいくつの、苺がなっているだろう。私が日々記す彼らの成長記に、余白ごとの仕事をし、まるで内科医のようだった。(切り取った折り紙に記した矢印)赤くなった手、虫が羽根を広げて日を遮る内容の夢想。子供から取り上げた写真をはたはたと現像し直す、夏至には二人組の奇形児が泣きながら私を訪れる。(最後まで読めない本、最後まで観れない映画、最後まで立てないからだの保身の動き)朝は遠い、得難い頭の影に女の姿を残したか。鳥は啼くが人知れず私の足は進む。計らいのない町の曲がり角で、最初の選択があった。ここに来てから歳月は年周期のレプリカとなり、下手な言い方にはなるが5月には5月の、6月には6月の、病いがあった。まだ馴染みのない土地が人の足のばらつきによっておさえつけられる、得難い定着。今日私が習う全てのことを記し、比して対等に喋る私の子どもと食事を摂る。遠くでは話しかける小犬の群れに、阻まれた生き物の化石があった。そこで食卓をふりかえったならば、私と子どもはいただろうか。合唱を送る声帯の連なりが、蛙のような姿勢をとって陽に照る。
その日、三人目が生まれた。照射に耐える地の乾きにも哀悼を示し、久しく会わなかった友達の連絡を待つ。梅雨の時節には雨を伴った風が私そのものを揺らし、私そのものに音を立てる。知らずに物を証言することは許されないか?口の利かない利口な私、著しく采配を隔てる手つきに、8時のニュースを流す。
愛したことのある家と、愛したことのある動物と、愛したことのある山辺を愛するものと巡礼したい、これが春の慈しみだと知らずに。
かたちを覚えると手がでる体操の手順を踏んで、からだを起こしては何度も呻くように確かめることは多い。限りなく円錐に近付いた気道のかたちが、外に開いて雨を吸った、それだけ暑さの厳しい、季節に住んでいたとも言える。カバンに入れた紙片の書き加えを、幾度も修正し、旅行に出た。感傷的な木立に破られるわけでもなく、友人に会いにいく。ここでの生活に区切りをつけること、生活を愛すること。「生活者」という言葉は嫌いだが、それは人を指すわけでもなく人称を得る。再び、献花の間に腕を押し込み、はみ出しそうになる身を抑えながら亡き人の横顔を見ようとする、奮い立つ傲慢な手つきと人の数に、空ごと変色しそうに不穏だ。年を越せば大方のことは忘れてしまうような、雑文をカバンに詰めて、そういう生き方をした。歩いても足を傷つけない靴の、先からほつれていく。
たべものを運ぶ子供の手に一筋の毛がかかった。範疇に逃れる蟻の群れと、それを見る目。
私の終わりに伴するものも祈りを絶えて、吐き気のするすべてに唾を落とした、けさは湿気の強く排泄もうまくいかない日、叫びもない。湿気の強い朝にそれ自身濡れたような言葉をつかい、つかわれ、占いごとは一神教の迫害の的なのかとそれらしい考えをいつもの水路に落とし込むだけ。出会った女の横顔毎に同じことを考えるむじな、ひからびた舗装道路と靴の裏に一応のつばを吐いた。(話はかわるが私は昔から餌やりが好きで、きょうもこのようにして一回分の餌を与える)何を記録するかは自由、と思わせてほしい初夏の熱帯夜。朝食に必ず載せたい具材を買って、参拝の経路で人の子を詰る。(すべての私の子らよ)きょうは不屈の日、と思って行きなさい。私がまだ覚えていないことの数々を、手を重ねてからだでおぼえるしかないのだと、無理やり持たせて。引字の手綱に声を押し寄せ浪立つ岩の隙間も見えないほどの指の数、呼ばれたことのない記憶の端に新しい女の子が生まれた。(目を余り使わないようにしてはどうか。視覚がやけに運ばれる昨今、聴覚の追随をも許すか)胃のない酸いからだを揺り起こすと、門限を待つ異国の若年が喉を鳴らす。市ヶ谷の聖戦をあとに、引き延ばす語り手の失地、春におぼえた言葉を何度も繰り返しながら世間では八月を超えた辺りから年の数に鈍感になり、働くことに関して一通りは知った?足を動かすと頭もよく動くと聞いて、見知らぬ川沿いを歩いた、近くの公園には久々に、滑り落ちる坂があったのだ。私がおぼえなければならないのはそれぞれの名詞、その打撲のような名詞を。それからと言うもの、私が語りつぐ理由もなくなり、話す相手によっては泣いたり笑ったりもした。半行を越えて瞬く間に、穴を塞ぐ。木のない町にはじめて、足が土を踏む、叩かれた粘土の音が聞かれる。「戦後」というやわらかいことばのあとに、繋げることばはあまりにも硬質で、あたりには虫が飛ぶ、火が叫ぶ、公園のベンチでまた人が死んだ。追撃の戦士は滞りもなく隊列を組み、一矢報いる溌剌な顔を掲げ、けさの太陽に対してそれはまたひとつの鏡のように座す。鹿の足を括って引いた謎解きの列、生き物の名前を呼んではありつけた礼儀の極地で排泄をする。終わりは近い、実に小石を投げた子供の腕は青ざめて、追悼は必ず示される。


森の夢―古いボート

  前田ふむふむ

     1

青い幻視の揺らめきが 森を覆い 
緩んだ熱を 舐めるように歩み 
きつい冷気を増してゆく
うすく流れるみずをわたる動物は 息をころし
微風をすする夜に 眼を凍らせる
昏々と深みを低める いのちの破片が
夜の波に転がり
静かな夢の温みへ動きはじめる

     2

みずうみは 湖面を空よりも高く
持ち上げては ひかりの眼差しを
水鏡の四方にくばり
穏やかにわたしの躰を 透過してゆく
そのみずの透明なやすらぎに
涙を弛めているわたしの孤独なこころよ
今 永遠が爽やかに繋がっている

     3

青い時間の空隙を埋めるように
一艘の古いボートが湖岸で眠っている
かつては、恋人たちが乗り 愛を語り合い
親子を乗せて喜ばせただろう
今は 打ち捨てられて
船底には大きな傷口が開いて 
萎えた体液を溢れさせている

傷口は傷むか 悲しいボートよ
おまえは 今日も 
そこで朽ち果てたままで眠っているのか

時間の一ページが剥がされて
ゆらゆらと空を舞う
青い月を煌々と照らす夜が
翼を大きく広げて
美しい娘がおまえに乗って みずうみを流れてゆく
月に導かれながら 湖面をゆっくりと弧を描いて
時折 夜の気まぐれが 強い風を吹かせて
おまえは 勢いよく進むが
森の硬質な赤い血がざわめいて 風をたしなめる
ふたたび おまえはゆっくりと湖面を歩く
娘の 繊細な櫂の動きに合わせて
夜のとばりが醒めるころ
娘を乗せる 白い馬がみずを飲みに来るまで
おまえの優しい夜は、永遠を流れつづける
過去の鮮やかなページの中で

     4

名もない鳥が飛ぶ
  みずの音が、わずかに聴こえる
    みずうみは 森の靄のなかで 孤独に佇む

       
零落する秋が 枯野にとどまるわたしに
失われた遠いひかりを抱かせる
目覚めはじめる朝が 指先に立ち上がり
思わずわたしの鼓動に 微熱をあたえるが
砕けた夢からは 寒々とした流砂が 零れおちてゆく

美しくみずのように癒されたい

曲折する願望は 森のいのちを刻む
みずのたおやかな静けさを
わたしの 冷めた呼吸のなかに浸して
滑らかな岩を撫でる 清流の意志に身を沈める

森の戯れとともに沈む 眠りの空は
わたしの鮮やかな視野を 飲み込んで
森は 夢を もえる緑野のなかで閉じる

うすい陽だまりがうまれて
鶏が、忘れた鳴き声を上げる


救急室3

  織田和彦




朝から、あおぞら総合病院は混み合っていた。8時15分。既に気温は25度まで上がっている。受付開始は8時20分からだが、蛇行する人々の列が、今にもあおぞら総合病院の外側にまで溢れ出そうだ。

「受付される方の最後尾はこちらです!」

黒縁眼鏡でスーツ姿の小柄な青年が、大きく手を挙げて、患者を誘導している。羊のように誘導に従う患者の列。実に秩序正しく、割り込みなどのマナーを失した行為は一切ない。

ぼくは財布から保険証を取り出し、列に並んだ。8月14日。お盆の真っ只中に、病院がこんなに混むなんて思わなかった。見たところ、8割くらいの人はどこが悪いのかさっぱり見分けが付かない。世の中と同じ、病は内部に深く潜み、表面にはそうそう現れないのだ。
などと思っていると、

「何科を受けられますか?」

と、唐突に黄色いシャツを着た少女に声をかけられた。顔に発疹が出ていること。頸部のリンパ節の辺りが腫れていることを告げると、看護師に相談してきます。そう告げると、病院の廊下を駆けていった。実際、どこの科を受けるのが適切なのか、よくわからなかったのだ。

走って戻ってきた、黄色いシャツの少女は、少し息を切らしながらも、嫌な顔一つせずぼくに一枚の紙切れを渡し「内科を受けてください」とそう言った。

その紙切れには、「11」という番号と、カタカナでぼくの名前が書かれていた。

その紙切れをもらうと、ぼくは何故かホッとした。

問診票を受付に提出した後、内科の診察室の前に置いてある黒いレザー貼りの長椅子に腰をかけ、病院内を観察しはじめた。足取りの覚束ないヨボヨボの爺さんが、さっきから内科の前をウロウロし、女性の看護師に声をかけては「今日は下痢が酷い」と訴えている。“今日は”と、いったところ、おそらく毎日通ってくる、病院しか行くところのない“困った爺さん”なのだろう。困った爺さんは、また違う看護師を掴まえては“病状”を訴えて回っている。

「下痢をされているんですね。大丈夫ですよ」

その一言をもらうと爺さんは安心したのか、内科の前をうろつくのを止め、病院の奥の廊下に消えた。

すると今度は目の前のエレベーターがドスンと開き、ストレッチャーに寝巻きのままぐるぐる巻きされた足の無い、80歳くらいの、別の爺さん運ばれてきた。白髪の坊主刈りで、よく太っている。ぼくの目の前を通り過ぎていくその爺さんの染みだらけの顔を見ていると。左の目から涙が流れ出しているのが見えた。

「私たち長く生き過ぎたのね」

正面玄関の、テラス側の廊下で、車椅子の婆さんたちが話しているの聴こえた。

「ジュウイチバン オダサン! オダカズヒコサ〜ン」
「はい」
「どうされました?」
「顔に発疹と下顎の辺りにシコリと腫れがあります」

ぼくほ問診票に書いた通りの説明をした。

内科の診察室の中から、長椅子に腰を掛けるぼくのところにツカツカと歩み寄ってきた、おそらく看護師と思わしき三十代後半くらいのその女性は、ぼくを診察室に招き入れるわけでもなく、ぼくの腫れた頬っぺたを触りながら、廊下で「診察」をはじめたのだ。

「ここ、痛む?」

多分、ぼくと同級生くらいと思われる女の看護師は、ショートカットの髪を茶色に染め、少し濃いめのブルーのアイシャドーを入れていた。

「おたふく風邪かもしれないわね」

如何にも世慣れた風な彼女は、ポケットからマスクを取り出し、「これ、しといて」とぼくにマスクを手渡すと、手招きをし、歩き出した。彼女はぼくが、ちゃんとついてきているかどうか確かめるように、二度ばかり後ろ振り返った。

「救急室3」と札の掛かった病室につくと、ぼくをその部屋に押し込んで、カーテンレールで間仕切りされたベットに案内し、「先生がくるまで、ここでしばらく待ってて」と言ってカーテンをピシャリと閉めた。

そして、カーテン越しの向こう側で「きゃっ!貼っちゃった」と言って出て行った。

何を「貼った」のか?カーテンを開けて見てみると「内科 オダさん」とだけ書かれたメモがカーテンの表側に貼り付けられていた。

多分、楽しい性格の看護師さんなんだろう。

そう考えて、ベットにしばらく寝転がることにした。熱もないし、特にしんどいわけでもない。しかしなんで彼女はぼくを救急室なんかにつれてきたのだろう?おたふく風邪とか言っていたので、感染症を疑い、院内感染を避けるための措置なんだろうか?説明がなかったのではっきりはわからないが、おそらくそうなんだろう。

さて、することがなくなったぼくは天井のトラバーチンの穴ぼこの数を数え始めた。スマートフォンは病院の駐車場に停めた車の中だし、“楽しい”看護師さんはさっさと出て行ってしまったし、ぼくは病室という隔絶されて世界の中に今一人取り残されてしまったのだ。そしてトラバーチンの穴ぼこの数を数えるという作業に意義を見いだせなくなったぼくは、ベットに横たえた体から全部の力を抜き、このまま眠ることにした。

どのくらい眠っただろうか?

5分か10分くらいのことかもしれない。
隣のベットからうめき声が聞こえはじめたのだ。

その声からすると50代くらいの、中年の女性のものと思われる。カーテン越しに光を透かしてみると、微かに見える影から、女性は点滴をしていることがわかる。さっきまで考えもしなかったが。この病室にいるのは、どうやらぼくだけではなさそうだ。さらにその向こう側のベットからは、若い女性が嘔吐いているのが聞こえた。

なるほど、人間、そう簡単にひとりになれるものではないな。ぼくは妙に納得した。人は、たとえどんな境遇や世界にあっても、仲間になれそうな他の誰かを必ず見つけ出すことができるのだ。

しかしだ、ぼくの放り込まれたこの「救急室3」は、重症患者が多いらしく、胃腸炎でひたすら嘔吐き続ける16歳の女子高校生、熱中症で倒れ運び込まれた主婦や、始終ストレッチャーで運び込まれる患者が出入りし、カーテンで塞がれてよくは見えないが、なんらかの「応急処置」を施されては緊急の往来を繰り返しているらしいのだ。泣き叫びながら嘔吐する女性が、数人の看護師に抱きとめられ「大丈夫!大丈夫だよ」と励まされている声がずっと聞こえる。

さながら野戦病院のごとき様相を呈しているのだ。

ぼくをここに連れてきた看護師のことを考えた。左手の薬指に指輪はなかったし、彼女と話せば、このあおぞら総合病院の事が、もっとよくわかるかもしれないな。

「オダさんって方はどちらですか?」

初老の紳士といった感じの小柄な医師が、黄色いシャツを着た丸顔の若い女性を伴って「救急室3」のぼくのベットに入ってきた。医師は神妙な面持ちでぼくの顔を覗き込んだ。患部を触り、幾つかの質問をしたあと、「ヘルペスですな、ヘルペス一型ですよ。皮膚科に案内しておきます」そういって、そそくさと出て行った。「皮膚科の先生を呼んでくるので、そのままそこでお待ち下さい。寝ていてくださって結構ですよ」丸顔の黄色いシャツの女性は頬を少し紅潮させながら言った。まだ見たところ、学生といった雰囲気だ。

少しガッカリしたぼくは、カーテンに貼られた「内科 オダさん」のメモを乱暴に剥ぎ取った。その裏側には、見知らぬ女性の名前と11ケタの数字が、まるで暗号のようにぐるぐると書きなぐられていたのだ。


三つの抽象的な語彙の詩

  前田ふむふむ

距離


       
凍るような闇に
おおわれている
もう先が見えなくなっている
わたしは手さぐりで
広い歩道にでるが
そこには夜はない

誰もいない路上
灰色の靴音を
ききながら歩くと
その乾いた響きのなかに
はじめて 夜が生まれる

街路灯が
わたしを照らして
影をつくっている
その蹲るようなわたしに
しずかさはない

わたしが影のなかに
街路灯のひかりを見つけたとき
その距離の間に
やがて
しずかさは生まれる

木々にとまる鳥が
眠りにつき
霧でかすみをふかめている
わたしは湿った呼気で
手をあたためる
そして
寒さに耐えるために
強く 公園のブランコにゆれるとき
わたしは ただひとり孤独を
帯びるだけだ

わたしの背に
聳えている街は
脈を打ちながら
いつまでも高々として
わたしを威圧して
夜をつくり
そして
しずかである


自由
            

名前をつける
無名の
草に
そして
草に眼があらわれて
顔が生まれる

名刺のように
空にも
海にも

白紙の便箋のように
無所属だった
街を闊歩するきみ
そして わたしも
顔をもつだろう

けれども
この個性をもつ
まぶしい世界に眩暈をかんじて
わたしは 仮に充足を
嫌ってもいいだろう
そして
名前を捨てれば
顔のない
盲人のように
その暗闇のなかで
すべて失うことを
感じるだろう

嘆くことはない
その真率な
しずかさのなかで
確信するだろう
世界が相互監視者であることを
やめているのを

そのとき
手さぐりで 
高々とした麒麟を撫ぜるように
くびのすわらない
赤子が母をさがすように
わたしはひとり
自由を獲得する


自分
      

雨が降っている
真夜中、階下の冷蔵庫が開いていて
あかりが零れている
男が冷蔵庫の前に
座りこんで前屈みになって
しきりに中のものを食べている

わたしは暑さのために
なかなか寝られず
みずを飲もうと
台所にいこうとしていたのだ

見ていると 男は手掴みで
まるで際限なく食べている
その血走った目つきといい
獣のようだった

少し近づき
よくみると
わたしが食べているのだ

通勤電車のなかで
吊り輪に持たれて
都会のありふれた景色を
窓越しに
眺めながら
そんなことを 
ふっと思い出したのだ

あれは昨日の夜のことだったと思う
そして あの生々しさから
あの出来事が決して夢なんかではないと
思えるのだ

でも見ていたのが 自分なのだから
あの男は わたしのはずがない
では
わたしでなければ誰なのだろう
鬼だったのか

考えてみれば
こうしている自分が
何の根拠にもとづいて
わたしなのだろう
他人は自分が思うように
わたしを見ていないはずだ
そう考えると 自分を
ほんとうのわたしなどと確信をもって
いえるのだろうか

もしかすると
みしらぬ世の中のどこかで
もう一人の自分がいて
ときに 得も言われない姿で
生きているのかもしれない

こうして街のなかにいるときにも
むこうから もうひとりの自分が
あらわれるかもしれない
そして
もうひとりの自分がこのわたしを見て
鬼のように思うのかもしれない

気がつけば
正午を過ぎている
レストランでランチを食べる
トイレに立ち
みだれた髪を梳かす
鏡のむこうに
わたしがいる


ぬけがら

  sample

ふるさとが肺を患い
転移する酩酊は
葉桜の色をねぶり
胃壁を食む、蛇が
赤い絵の具を射精する
その、ぬけがら、父の唾液
残滓に海の香り
帆を張る空に
幼い、空腹を晒す

鉄橋、どこまでも
灰と星くずを敷きつめて
寝返る背中に、光を配管する
中庭の芝生は水を舐め
半熟の色彩を投棄する
ビニール袋が風に殴られ
吐き出すものは何もない
すべて消費されてしまった
下書きのような午前

寒色を重ねる廊下に
人の足音が滴ってゆく濃淡
うわずみを掬う手
繁茂する祈りとさざなみ
堅牢な窓に
街並みは歯をたてて
白く、晴れわたる空の下
裸足で日没を待つ

沈黙を均等に切り分け
精緻に並べては光をあてる
沈黙の未熟児が
明日に運ばれる
渇いた草の上で口を開け
水が、汲みあげられるのを
待っている、午後
帰る場所を忘れて


どこからか伸びてくるタイル地の街路を

  リンネ

どこからか伸びてくるタイル地の街路を、何だか人間のようなそうでないようなぼんやりと膨らんだ白い影が滔々と波打ちながらひとしきり流れていて、コンビニの前や、道端に缶ジュースを吐き出す自販機の前など、方方で渦を巻いているのが見える。牛のように巨大なショッピングセンターの壁面には、映画館の宣伝モニターが上映中の数編の映画の予告を眩しく映し続けている。どれもモザイクが全面にかかっていて、愛想笑いをする人間の顔のように思われる。ぼうとした明かりに照らされてわたしの顔が、青白く滲んだり、鬼面のように赤黒く溢血するなどしたかと思えば、茄子のごとく紫に膨らんでみたりする。もともとの顔がどうであったか、こうなってしまってはまるっきり判然としない。

「いつだったか、ときおりきみはそういう何もないような顔つきをしてみんなを怖がらせたことがあったよねえ」と背後の人ごみの方から油のように染み出す妙な声があって、はっとして首をくるりと背後に回してみると、死んだと思っていたK太郎が、狐のような人嫌いのする目すじのきつい顔をしてこちらを覗いている。「あれえ、てっきりきみは……」とまで云って顎が外れた人形のようにわたしの口が呆けてしまった。K太郎の目は黒目がなく、真っ白で、視線らしきものが生まれないので昆虫じみて不思議である。私の顎が他人のもののように、誰かに自動操縦されているかのように「卵を詰め込んだみたいな目をしやがって」と勝手にぱくぱくと痙攣し出してわたしは面喰ってしまった。しまいにはねじまき式の兵隊のように無表情でK太郎の方へ向かって行進していく。

何もかも活動写真じみたようになってわたしは不安になってきた。と同時になんだかどうでもよいような開けた気分も湧いてくる。近くでみるとK太郎の顔は中学生の時の幼い眼鼻つきをしていて、しかし目玉はぐりぐりと尋常じゃない動きをしている。それでいて肌は女性のように柔らかいらしく、妙にふわふわとした雰囲気でほほ笑んでいる。わたしと同じでもう三十近いはずであるのに。懐かしがってしげしげと眺めていると、向こうは昨日会ったばかりだと云うように当たり前な顔でにやにやしてくる。中指と薬指を絡ませては解く、と云う運動をしきりに続けているのが見える。K太郎は狂っているようでもあった。人臭い風が通りに吹き走り出してきて、腹を壊したような、電車の転がるような雷の音が空を伝わってくる。稲光は見えない。

突然、K太郎が膝を崩して、けけけ、と声を引き攣らせた。昔から笑い出したら止まらない奴であったなあ、と懐かしみが心底から浮かんでくる。こんな様子なのでよく聞こえなかったが、笑い声の隙間に「M太郎も来る」というようなことを云っているようであった。するとわたしのすぐ隣に、引き延ばされた餅のようにのっぺりゆらりとしたM太郎が突っ立っている。こちらもK太郎と同じく中学校の同級である。伸びきって七尺近くの長さになっていて、わたしを見下ろして、何かもごもご言っているが、よく聞こえない。気づけば、K太郎のほうもびろんと七尺くらいに伸び上がってしまっていて、わたしの頭上を二人の頭部が吊ランプのごとくに揺れている。その楽しげな視線の交錯するところでわたしは妙な表情を湛えている。それはあるいは表情でないかもしれない。輪郭のないゴムボールのような顔であった。

意識がぼんやりととりとめもなくなっていく。周囲の、街のにぎやかな感じは、すっかり忘れ去られてしまったように、わたしの顔の裏側から抜き取られてしまって、代わりに漠然とした虚空が顔面に満ちている。顔が、さらにむくんでしまった。自分の居場所はどうも判然としないが、自分がどうにかしてそこに立っているのは分かった。街路のあったはずのどこか向こうから、今となってはどことも云えないような向こうのほうから、見果てもないほどの煙のような人影たちが茫然と浮かんでこちらに迫ってくる。ふいに「セイヨクハトッテオキナサイヨ」と臆面もなく云う声が上がって、はっとする。小汚い、波型のトタン板のような皺に汗をにじませたお婆さんが、制服姿の中学生男子数名に向かってにこやかに云ったのだ。あっけらかんとして云うので、こちらが面喰って友達と笑いあってしまった。その笑いは身に沁みるような悲しさがあった。煙が四囲からどうしようもなく近寄ってくるにつれて、その悲しみも、段々とぼやけてくるような気がした。
 
K太郎!
M太郎!

その響きは恐ろしかった。


おばけのかけら

  熊谷


*
妻が妊娠したと聞いた夜
ふと目が覚めてトイレへ行くと
便器にちいさな気泡がたくさん浮かんでいた
肌色よりすこし赤みがかかったそれは
人間になる前の状態を思い起こさせた
そして僕は一晩じゅう、そのひとつひとつに名前をつけていた
夢中になって、つける名前がもう何も浮かばなくなって
思わず、自分の名前を口にしたときに
ようやく朝はやってきた
何だか変な夢を見ていた
おはよう、君がうまれてくるのを
ずっと待っている

*
夕方に湯船につかってうたた寝をしていたら
去年亡くなったおじいちゃんが立っていた
ずいぶん若い頃の姿で体を洗っているのを見ると
今の恋人に何だか似ていて
特におしりの形がそっくりだった
もう一度会えた嬉しさと
まだこの世をさまよっていたのかもしれないという悲しさで
涙がじんわり浮かんで目の前がにじんだ瞬間
もう姿は見えなくなっていた
おやすみ、おじいちゃんがゆっくり眠りにつくのを
ずっと祈っているよ

*
デートが終わって家で着替えをしていると
スカートの裾には必ず煙草の匂いがついていた
今まであの煙には嫌悪さしか覚えなかったが
あなたから吐き出されるそれはあなたの分身みたいで
何だかとても愛しかった
けれど、私の服にしがみつくあなたのお化けは
最近どこかへ消えてしまった
試しに自分で吸ってみたり、煙草を吸う男の子と遊んでみたりしたけど
その匂いを好きになることはなかった
さようなら、あのお化けがまた違うスカートを見つけることを
ちょっとだけ応援しているよ


夜蝉

  にねこ

反響する、草にむせる
誰でもない
咳、ひとすじ
またたくように
歯噛む、隠れ、
隠し音の涼やかな虫
羽根、その羽根、
ふるえる律の階段を
降りた

走査される、感情、
朽ちた木が幾重にも
剥がれて
その声が、積む
額縁化された抜け殻の果て
ひらひらと
「散っていくのですね」



渦巻き叫べ



「ここにはありませんでした」
夜半の楽譜に彩る
気違われた数々の詩に
僕は死に
撓む背骨の質量を
天秤にかけた
心臓が打つ数だけ愛したと
指を舐め数えるしたたかさを
眼鏡についた指紋の曇りを
拭くふりをして通り過ぎる
鍍金した言葉と
あなたへの葬列
不確かな
とても不確かな

こえ、?



『聞こえますか、いまでも』



汗だけが生きているように
背中を流れていきます

公園には私ひとり
水銀灯が震えている
影を隠すように植物が佇んで

それだけで十分でした
それだけで十分でした
泣けました
泣きました
ほんとうは
泣けませんでした
水分は汗にすべて使ってしまって
むしろ私が涙でした

それを静かにすう、植物、

は、優しい…?




((((ひしゃげた空は黒檀の瞳の海に浮かぶようでした、街灯の独り立ち、その下でうずくまる、うずまく黒髪の中に守られているという本質が、しっぽりと闇に蒸れる夜に、プリズムのネオンが、うつくしくそうして不安定な)))

、まま。



「ひかりが欲しかったのです」、「塩辛い海から掬い上げてくれた断絶のハサミのような」、「冷酷が仄温かく下腹部を満たしていきます」、「声をかけられているのでしょうか」、「それとも罵声でしょうか」、「細すぎた足が樹皮に傷をつける前に」、「滴ったのは血液ですか」

、それとも。



(((たなびく前の、白い、
しいたげられた息を凝る)))

(((呼ぶ声、声がくちびる
震え耳が浸透していく)))


セックスしましょう、セックスしましょう、
あなたのことが好きなのです
だから、どうしてもセックスしましょう
私は孕みます
私によく似た
私の子供を
そうしてその子もまたあなたの名を呼びます
セックスしてください、
あなたが眩む万華鏡の底で
とても不安なこの体を埋め尽くすのは
あなたの名前に他ならない
あなたとして私の愛を受け取るために
あなたとあなたが交合する
その愛を


(((しんとした面持ちさんざめく
残響、の恐懼の破片)))

(((青ざめたるは、褐色の)))


腹に何かをいれねばなるまいと、
そう思って空を開けた、冷え切った空には
いつ買ったのかわからぬビールと
干からびたチーズ
展望台より落下する速度で、
啜り上げた涙では酔えぬと
左頬、かじりついたあと、
私が半月になる


(((嘘つきの羽が空に粘液を綴る、
星々をひいて、物語となる、それは、
治療です、あなたを漣む、
満ち引きの命、たとえば)))

恋やもしれぬ、空蝉の

接続されていく
埋没された記録、その軌跡
誰のものでもない
紐解けない物語
という、ひゆ、


打ち捨てられた
殻の中には不思議な紐が残っていました
すべてが琥珀色に透ける中に白い懐かしみが
あえかに震えるエニシダの枝のようで
どうしてこんなにも白いのでしょう、
あなたに結びついた黄昏
手折るのは容易いけれど、
「残しておきましょう」、「きっと彼は帰ってきます」
紐の先っぽはぐるぐる巻いて
空を飛んであなたに会いに行くこともない

迷い込んだ夏の夜の
角を曲がるたびに細くなっていく
あなたへの想いの迷宮が
こころもとなくて


/しがみついて泣いた
/しがみつけるのなら泣いた
/しがみつけなかったから泣かなかった
/かなかった、かなかな、
/なかないかなかな、かった
/なかったかなかなかな
/なかなか

、いない、。


大きく息をすった
この身体にはもういらないものが多すぎて
たくさん捨てていく
本当に大切なものを手にするためには
私の体は小さすぎて、
だからあなたの栄養を
分けてもらいたかった
私の中にわだかまる命の
震えがいま、私を産んで
だからわたしは空っぽなんだ
その空っぽを闇に浸して、
声を限りに、
なけ (いた、いない、ない、声、


呼ぶ声が聞こえる、


この息が尽きたら死のう、
この死が尽きたら息よう、
わたしが欲しかった光は
いつしか無数に林立する街灯に紛れ込み
わからなくなりました
そのしたにたっていたあなたの
すがたもかげに紛れてしまって
どうしてわたしがないているのかと
問うてくれる人もいませんでした
だからわたしは朝を待ち
それから、ご飯を食べにいきます
あなたがくれなかった栄養と
光を浴びて
誰かの叫びを保存し続ける
脆弱な皮のまま
水分を静かに吸いあげる
植物になりたいと、
そう思うのです


愛と死

  織田和彦





死というものを体験しない限り
本当のことなんてなんにも判りやしないと思う
いっぺん死んでみないことには
生きていることの本質なんて
誰にもわかりやしないのだ
いつしかぼくの頭の中を占拠し
離れなくなってしまった想念だ

だから毎日死ぬことばかり考えている
死ぬといってもあなた
本当に心臓が止まっちまったら
こっちに戻ってこれない
戻ってこれなくなっちまったら
生きる意味だとか?
本質だとか?
儲け話だとか
スケベでエッチな話も
ヘチマもへったくれもない

心臓を正常に作動させながらも
ちゃんと死ぬわけだ
いいかい?
心臓だけはちゃんと動かしな

それから
その他の生きるための活動を全部止めちまいな
全部はちょっと辛いな
一部だけでもいい

そうだな
例えば
血と汗と涙の結晶である
あのバカ安月給をだな
会社から受け取ることを断固拒否する
月末に振込まれるはずの給料が
りそなの口座に振り込まれない

死ぬということの意味は
たとえばそういうことだ
その意味について
少しでも触れることができたなら
あなたもぼくも
もう少し生きることについて深く感じることができるはずだ
生と死の間に横たわる
絶対的な服従と断絶と不条理と禍々しさを

生きていれば
ぼくももあなたも
あの少しばかりの
バカ安月給でもさ
美味しいものを食べに
女の子をデー卜に誘って
夜景の綺麗なホテルで
ロマンティックに過ごしていたかもしれない

死とは
そういったことの全てをなかったことにする

いいかい?
死を経験するんだ
心臓をちゃんと動かしながら
生に対する羨望の眼差しを持て!
同時にそこに蔓延るまやかしや悍ましさもちゃんと
その目と耳と心に刻むんだ

死というものを体験するたびに
生きるということがどうあるべきなのか学べるはずだ
手初めにあたなが今夜死んだと仮定するとき
生きていれば手にできたはずの
何か一つでも返上することだ

死はあなたから
あなたのものであった筈の命を切り離し
容赦なく多くのものを奪っていく

例えば今夜でいえば
あなたの愛するあの女性からの告白きっぱり断ることだ
生きていれば知り得たかもしれない地上でただ一つの愛を
あなたはあなたの死によって粉々に砕け!

あなたはあなたの愛によって粉塵となった死を暴け!


公園遊歩

  深尾貞一郎

いくつもの
夜のいろ
煉瓦造りの歩道の脇に
実りの近い
枯れたひまわりが立つ

たぶん
此処には
ひしめく花の種のような
ゆめがある

順路は月のない街へ
月のみちる街の公園から
蝶のかざりのついた
大きな帽子を被って

月のない街の公園から
透明な瓶にはいった
無花果の実を抱えて


Kは家に帰るまでの道のりを知っていたが

  リンネ

Kは家に帰るまでの道のりを知っていたが、決して家にたどり着かないであろうことを予感した。会社の上司であるA氏によれば、こうしたいわば帰宅不全のような状態は現代人特有の珍しくもない病らしく、実際上司の息子のBくんも修学旅行に云ったきりいつまでも帰宅を続けて一向に帰ってこなくなってしまったという。なんだあ、つまらないねえ、君もけっきょく現代っ子なんだ、とA氏が笑うとゆらゆらと笑いが伝染してしまいには同僚みんなが笑っていた。Kもおかしくてたまらなかった。ともかくKはいつものように自分の部署が担当している新製品の試作品の作製や、解析結果のまとめをひとまず終えると、同期のMさんに先に帰ることを告げ、リノリウムの床を甲虫のようにさかさかと滑り、ロッカー室の扉をぶつかるほどの勢いで開き、紺色の湿った作業着を自分の身体からはぎ取った。気分はむしろ踊るように軽やかであった。そのせいであろうか。先にロッカー室で着替えていた先輩のH氏が丁寧に何度もKに向かってお辞儀をしてくる。Kが気恥ずかしく思って、無理やり先輩の頭を素手で両側から掴むと、お辞儀の姿勢のままぴったり九十度で固まってしまった。これは不味いことをしたなとKは後悔したが、顔は嬉々として傍からは反省しているように見えない。ともかく、ロッカーにしまわなくては。幸い、両親が墓参りにいったきり帰宅不全に陥ったと云う一身上の都合で退職せざるを得なくなった、後輩のOくんのロッカーが今は使われていない。そこへ先輩を隠してしまおうとするが、気が急いて無理に押し込んだので自分の腕と先輩の腕があべこべに絡まってしまい、なかなかうまくいかない。それでも丁寧に腕を解いてしまい終わると、やはりKは満面の笑みを湛えて甲虫のようにさかさかと顔面を床すれすれのところまで下ろしながらロッカー室を出て行った。Kはそれっきり家に帰れなくなった。もちろん道順は知っているし、帰る意思もあった。というより今でも彼は実際に帰ろうとしている。帰宅の途中にある。それでも帰れないのは思想の問題であるとKは考えた。電車のつり広告にはこう記されていた。

 『たとえ道を知っていようとも、私は決してコルドバに着かないであろう』

 Kはもっともだと思った。これこそ世の中の真理であろうと思った。むろんKはコルドバというのがいったいどこにあるのか知らなかったし、この言葉がいったいどのような状況で使われたかなど全く想像もつかなかったが、だからこそ得心がいった。気づけばKはどこぞともしれぬ駅に漂着していた。そこは実にすばらしい駅であった。複数の線路に接続しており、駅周辺には大規模なショッピングモールや高速バスのターミナルがあった。そのもっと外側には高層ビルがつくしのように密生していたし、まさに中枢都市という立派な景観であった。Kは往来の人々のあいだを、つま先立ちで体を細くして逆流していくが、K自身いったい自分がどこへ向かっているのか分からなくなっていた。もちろん帰宅中であり、方向としてそれが自宅へ行く道であると云うことは明確に分かっているのだが、思想として、やはり根本のところがどうしても明確でないのである。いっそ、ハンガーのように肩を張って、地面に根を伸ばしてしまおうか、いや、やはりよしとこうかなどと、首を奇妙に傾げて懊悩していると突然、五歩分ほど離れたところにあるベンチに座っていたおばあさんが、羽を広げて街路樹に向かって飛びつき蝉のごとくわめいた。

 『口から、へその緒を通っていく血を吐いている!』

 Kは突然の眩暈に襲われ、吐き気をもよおした。雷に撃たれたように強張った足取りで来た道を戻り、電車に潜り込んで、会社まで駆けていくと、リノリウムの床をやはり甲虫そっくりに滑りロッカー室に飛び込んだ。
 H先輩の頭部が、ロッカーからはみ出して、こちらを見た。
 後輩Oが背後からKに飛びかかった。
 Kは自分の腕を自分の身体に巻きつけられ、脚は蛇腹のように幾重にも折りたたまれ、『しまった!』と叫んだときにはすでにロッカーの中であった。
 鍵の閉める音に続いて、上司Aの歌う声が響いてきた。
 その声はどこまでも響いていき、Kの頭の中で渦を巻いた。

文学極道

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