閉じた空が小さく笑った
どこで見たんだろうね
鈍重なそれは黄ばんだ蝋で
遠い面影は短く語った
深くまで行っても剥がれたまま
あるいは全て流れながら
ふと躓きのなかに停止して
あと僅かな髄液を吸って壊死している
いつ抱かれるのか
そんな淡い焦燥に駆られて
丸めたはずの包装紙は褪せて
井戸の底にじっと身を任せるほか
空を許してやることが出来ないから
まどろんだ幻をそっと風に蒔いた
選出作品
作品 - 20130125_195_6651p
- [佳] まどろみの空 - 謝染はかなし (2013-01)
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まどろみの空
謝染はかなし