新人社員を代表して
答辞を読んだ日以来
同期の中での俺は
特別な存在だった
仕事の質、量、スピード
何をとっても超一流
会社に利益をもたらす
最高最上のルーキーだ
そんな俺を 夜風に当たりながら
会社のオーナーが 舗道を歩いている俺は
放って置く訳もなく たった今その令嬢との
ご自慢の一人娘を 初めてのディナーを
早速紹介してきた 済ませたばかり
恥ずかしかったのか
色白のヤマトナデシコは
食事の間じゅう
ずっとうつむいていて
たまに顔を上げると
すごく紅潮していた
あっけないものだな
彼女も洩れなく
俺の魅力に
ハマッてしまった
今夜はファーストデイト
だからあえて
大切にしている感を出すため
何もせずにタクシーに乗せ
丁重に見送った
おやおや
10分もしないうちに
早速メールが来たよ
完全に惚れられたようだね
チャック全開のチャックマン
今夜は久しぶりに
笑わせてもらった
菱形に開いたチャックから
白いシャツが飛び出していたね
ボケやから気付かんのやな
お父様は身だしなみには
超うるさいで
こんなんが一番嫌いなんや
もしかしたらお前
地方に飛ばされるかもしれんで
どないするつもりや?
まあ黙っといてやってもええ
穏便に取り計らって星印やったら
今からすぐ一人で
新宿のHOTELファインに恋
うつむくと確かに だが動揺ばかりも
白やぎさんからの していられない
お手紙が届いていた ここはTHINK
オーマイチャ〜ック そう良く考えるんだ
えらいこっちゃ 今回の事件の責任の所在
俺がチャックを開けていた
そもそもの原因を・・・
暗いリビドーがふつふつと
ある方向を示し始めた
そうだよママだ!
俺は激怒に指を震わせ
荒々しく携帯を操り
夜中にもかかわらず
ママを叩き起こした
俺「ママの馬鹿、どうしてくれるの。」
母「え、え、どうしたの。」
俺「みんなママがいけないんじゃないか。
ママがチャックを閉める習慣、つけてくれてないから、
僕、すごい恥をかいたんだよ。」
母「え、え、何、何、ごごめん・ごめん・」
俺「ダメダメダメ今夜こそ、絶対に許さない。
僕がどれだけ苦労して、ここまで登りつめて来たか、
いったいぜんたい判ってんの?」
母「おお、ごめん、ごめんよ、坊や。ううううう。」
俺「何でこんな簡単なこと、教えることが出来ないんだ。
それでも本当に僕の母親ですって言えるの。」
母「ごめんなさい、ごめんなさい坊や。みんなママが、
ママが悪かったの。でもどうしたら、どうしたらいいか、
言って頂戴、ううううう。」
俺「アホか、今頃謝っても、もう遅いんだよ。
土地でも売って、金作っとけや。ボケ。」
携帯をブチ切っても
怒りと憎しみで
まだハアハアしていた
ママの野郎
今度会ったら
ただじゃおかねぇ
さあ次は令嬢の件だが
なぜ俺を呼んだのか?
ここは言われるまま
HOTELファインに
行って見るしかないだろう
AM 0:00
HOTELファイン到着
支配人によって
地下室に案内される
部屋には令嬢が
キャットウーマンみたいな
コスチュームで待っていた
「おう、チャックマン、よう来たのぉ、
ひとつ言うとくで・・お前が大好きや。」
ホラね
こんなことだと思ったんだ
彼女はきっと抱いて欲しいんだよ
この俺に身も心も
それにしても酷い関西なまり
なんか嫌だな・・・
「けどな、見たら判ると思うけど、
私、あっちの方の趣味があるんや。
今からちょっとプレイの相性を
試してみたいんやけど、どうや、
チャックマン、ためしてガッテンか?」
迷うことはない
鞭の2,3発も受けたら
巨大企業の
跡取りになれるかもしれない
「いいけど、どんなことすんの?」
「いったん服を脱いで、これに着替えて欲しいんや。」
黒革のホットパンツ
ブリーフもなしで
着けろというのか?
ま いっか
OK OK
タイトなその
ホットパンツには
ギラギラと
恐いほど輝いている
ファスナーがついていた
「はいたよ、つぎどうすんの。」
「よう似合ってる、グーやでチャックマン、
Bzの稲葉、吉本のHG、TOKIOの長瀬みたいや。」
「皆、いっちゃってる人ばっかだなぁ。」
「そのチャック、ええやろ、ダイヤモンド製やで。
このホットパンツはなぁ、元彼も、そのまた元彼も、
代々はき続けてきた、伝統のシロモノや。
気に入ってもろたら、エエんやけど?」
「うん、なんかうれしいよ。」
「オオ、そうか喜んでくれるんやな。おおきに、おおきに。
ウエストのサイズもあつらえたみたい、ばっちりやな。
そしたら、手錠と足かせつけさせてもらうで。」
彼女は慣れた手つきで
てきぱきと俺を拘束しだした
このゴシックなSMルーム
天井からは手錠がぶらさがり
床には足かせがくっついていた
「できたで、ほな始めようか。」
嬢は俺の前でしゃがみこむと うつむく俺の目に
ダイヤモンドチャックに手をかけ たわわな美白乳が
シャーシャーと 飛び込んできた
上下しだした むむむビューテホー
起ってきちゃったよ
それは突然だった
ガギギュ
いい痛
痛いイタイイタイ
噛んじゃってる 噛んじゃってるぅ
やめてやめてやめて
「どや、どや、痛いか、痛いか。
当たり前やろボケ、神経ついとるんやから。」
「やめてよ、ひどいよ。」
「お前がスケべやからアカンねん。
やめて欲しかったら、まず勃起をやめろや。」
彼女は上半身の服を脱ぐと 俺はさらに興奮してしまい
俺の髪をつかみ 切れたあそこの静脈からは
顔を胸に引き寄せると 大量の血が噴出した
オッパイでビンタしてきた
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
俺はまるで囚われの
ダンシングフラワー
逃げようにも手首足首
がっちりロックされて
どうしようもない
「ええ声で鳴くのぉ、チャックマン、
ええ動きで舞うのぉ、チャックマン、
もっともっと楽しませてくれや。」
ジジッ
嬢はさらにファスナーをあげた
はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ
イダイダイダイダイーダイダー
「おもろいやんけ、おもろいやんけ、
チャックマン、おもろかったら、それでええんや。
もっともっと、スマイルフォーミー。」
ジジッ
グアオーグググゴー
「行ってみよう!チャックマン!行ってみよう!」
ジジッ
グギャーグギャー
「行きたくない!お嬢様!どこへも行きたくないよー!」
このままじゃまずい それにさっきから
千切れちゃうビーイング・ラブ 嬢の声が変だ
こんなLOVEマシーンじゃ オッサンみたいになっている
世界も羨まないよ ユーリズミックス(完全な入神状態)?
「ああなた、誰なのぉぉぉぉ。」
「我こそは、第六天魔王ナリ、
六道欲望界の覇者じゃ。
チャックマン!お前みたいな、
勘違い野郎は捨てておけん。」
ジジジッ
「グボォォ、グボォォ。」
痛すぎてゲロ吐いちゃった
このままじゃマジ
殺されかねない
嬢は第六天魔王だそうだし
もう訳ワカラナイや
だけれども
こんな状況でも
やっぱり
責任の所在を
明らかにしたい
俺がいた
悲しいエリートの性だ
やっぱママのせいだ
あぶない人に
ついてっちゃダメって
教えてくれなかったから
ママの馬鹿
ママの馬鹿
ママ ママ
助けてぇー
ドーーーン
その時ドアが爆発し オーナーだった
ミートボールみたいな つまり嬢のお父さん
頭をした男が現れた ママを呼んだらパパが来たのだ
「理里香ぁー、この痴れ者がー。」
ヘッドスリップしながら
変態娘の懐に飛び込み
右フック1発で宙に浮かせた
全盛時のタイソンみたいだ
彼女は一撃で気絶させられた
「き君、大丈夫か。」
「オ、オーナー助けてください。」
「よっしゃぁー、と言いたいけれど。
一つだけ聞かせといて欲しい。」
じじいよ
ゴジャゴジャ言わず
早く助けろ
すべておのれの
ド変態娘のせいなんだぞ
「君、理里香と結婚せえや。」
俺の中の全細胞が
このオファーを拒絶していた オーナーは俺の顔色から
聞いたとたん プンプン乗り気しない
10000個ぐらい 臭いを嗅ぎ取ると
ネクローシス(細胞壊死)がおきた 急に不機嫌になった
「なんや、君も嫌なんか?
最近の若い人は辛抱が足らん。
ほな、皆と一緒に、海に沈んでもらうで。
コンクリはいつでも練ってあるんや。
こんな話、表に出されへんよってな。」
ヘドロの海の底 何年か経ったら
餌食になった諸先輩方と一緒に 絶滅危惧種として
新種のサンゴになって おさかな君が
揺れているヴィジョンを視た 見つけてくれるだろうか
「いやや、 いやや死にとうない。
結婚します。するから早よう助けて。」
気が付くと俺は
付け焼刃の関西訛りで
オーナーに嘆願していた
「そうか、そうか、賢い奴っちゃな。
今から、君はわしの息子や。
待っとれ、すぐ助けたる。こうか?」
ブッチィィィィィィ スローダウンオーナー
オーナーはファスナーをつまむと 人生を急ぎ過ぎている
一気にずり下ろした 麻酔的な処置は無いの?
ビッチャァァァァー 力任せだなんて
嫌な感じのスプラッター音 チャックに肉片も付いているし
俺の脳髄は
すみやかに気絶を示唆した
目の前が真っ暗になった
サドな令嬢と結婚した俺 驚いたことに彼女は
見返りに会社の重役になった 普段はまったく貞淑で
悲しいかなトラウマで 品の良いセレブ妻であった
普通のズボンがはけず 25ansの読者モデルもこなす
ジャージ姿で出勤していた あこがれのタマプラーゼだった
ただ
生理前後の数日間
彼女の荒ぶる魂は
どんな慶応ボーイにも
止められないほど そんな時は
エグイものだった 義父の用意してくれた
シェルターに避難して
難を逃れていた
今日もそんな日
テレビを見ていると
電話が鳴った
秘書課の男だった
「オーナーが他界されました。」
ななんと
「つきましては、臨時取締役会を招集します。
シェルターの前にレクサスを止めていますので、
ただちに乗車してください。」
ママ ママ
チャンス到来だ
ママの自慢の息子は スキップしながら
ついに天下を取るよ シェルターを出て
後で電話するね 車に乗り込んだとたん
ジジジジジュゥゥウウ
電撃が走った
スタンガンだ
俺はうつろな目で
運転手の顔を見た
そこにいたのは嬢だった
そして野太い声で
こう言ったのだ
「さぁ、チャックマン、
邪魔者は消えた、プレイ再開や。」
選出作品
作品 - 20120601_112_6129p
- [優] ダイヤモンドΩチャック - 大ちゃん (2012-06)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
ダイヤモンドΩチャック
大ちゃん