くちびるに孕んだ熱を
溶かすように
冬の朝の
湿地帯には
多くの鳥が飛来して
こごえるほど
反射する水面の下
暮らしをたしかめる
落葉に
印された時は
かぜが空へ
とどけようと
ほほえむように、
いつか
あなたの墓守になる、といった
恋人から手わたされた
花束すら呼吸する
小さな器から
水が減り
減ることの
ただしさ、と
枯れることの
ひとしさ、を
名付けられた
昨日
、
読みかけの本は
鳴らない電話の向こうに
ひらかれたまま
声をとじて
ページをめくる
指先に
明日が
もう
降りはじめて、
選出作品
作品 - 20111216_451_5762p
- [佳] 観測 - Lisaco (2011-12)
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観測
Lisaco