孕まない
二重に孕みはしない朝
の秘匿され/た、鈍色の広がり
の向こう岸で
あまりに
荒れ果てた赤の地表を
産まれたての彫刻刀
のボロボロッ
と転がり
湿った
市場から
密せられた 潜航
の いま
(始まる!
「あたらしい跫音を
背後から踏み、砕いて。
*
(噴流
の河口)
灰色の瞳
の静か、に
横たわり わたしたちの生を
宥めている
///混交。
してもいいですか
(一昨日の小夏と背面の危機を!
*
折り、曲げたのです。
その先端で
斜め
に露光する雷魚
の、(千の!)
重ねられた
少年の足指
は決して 倒立することはなく
対岸の
薄い、
緑の陽光のなか
一度も死んだことのない(という
黒青の馬たち
と並走している
草上の
誓われた
途切れがちに
最奥の
突/風。
ていねいに
鎮まった
地表の
捲れて
漏れだした
赤、に
隣りあった
千の、雷魚よ
明るい両の眼 その
数を 想うというの/
なら!
*
白い、泡の降り注ぎ
計量もされた
わたしたち、の
欠けた尺骨をひとつひとつ
掻き集め
ただひたすらに
食んでいくのか、おまえは!
選出作品
作品 - 20090914_848_3790p
- [佳] 千の雷魚 - DNA (2009-09)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
千の雷魚
DNA