どこか隠れたところで
話をしているようだった
ずっと
機械仕掛けの小さな箱に
積まれた言葉は
なかなか話してくれません
僕は知り合いの
機械検定士1級の女の人に
ゼラニュウムのその箱を手渡すと
その人は
オルゴールをかけるように螺旋を回した
すると
機械仕掛けの小さな箱は
キュルルと音をたてて
夢のような光を発したのです
選出作品
作品 - 20090904_613_3765p
- [佳] 夢機械 - 熊尾英治 (2009-09)
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夢機械
熊尾英治