選出作品

作品 - 20090808_997_3698p

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SUMMERHEAT

  軽谷佑子

おととしきた幽霊が
家をあらしていった
寒そうに厚着をして
いつまでも謝っている

わたしは口をゆすぎ
身をあやまって
いったもえあがる
家でテーブルの
したで

ふれるものは
皆よごれる
こびりついた詩句を
こそいでは口へ
運ぶ


くらいままの道を
遠ざかっていった
かおを拭いて
戸をたたくおとがする

仕事へ行くまでに
雲がはれて
建物のかげが
座席を埋めつくした
皆いっせいに
消えうせようとしていた