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作品 - 20080523_205_2782p

  • [優]   - ためいき  (2008-05)

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  ためいき


切断した蛇の首
山水の流れに踊る胴体
光る鎌を持って
それは
真夏の真昼のこと

背丈より高い草を分けて
時折意味もなく鎌を振り回し
貯水池へ
青緑に濁った
忘れられた場所へ

(アナタハオ忘レカモシレマセンガ、
アノ石油ショックノアト、
革命モヒモ同然ノ生活モ出来ナクナッタト首ヲ吊ッタ男ハ、
アノ辺リニテントヲ張ッテイタコトガアリマス)

(彼女ガ、
祭リノアトノ空虚ノナカデ、
線香花火ヲ見ツメテイタノハ
確カソコカラ町ニ続く細イ道ダッタネ)

迷い込んだ森
燃える陽光に撃たれたように
無数の蛇が枝から落ちてくる
殉教すらない道程に

鎌をふりまわして
もうひとり鎌をふりまわす誰かの気配とともに行く
森から出て、垂直の光りに焼かれると
繁茂する笹のなかに光る水面

三十年前と何も変わらない
その貯水池の上に
水鳥の羽ばたき、光りの水滴、そして
静寂