ともだちにくびを傾げて
這いずるゆかはつめたくしける
焼けていく脚をみつめながら
ひとのことばかり考える
おしつぶされた
部屋のすみで話をきく
長いあいだほうっていたの
これからもきっと
離れた場所から
すぐに戻ってくる
コンクリートの壁は
声をとおさない
ともだちを犠牲にして
雨のなか帰宅する途中の
まっしろに水をはねあげる
舗装道路
道の向こうに
近づいて遠ざかる
影になごり惜しく
腕をさしのべる
選出作品
作品 - 20070901_465_2306p
- [優] 八月 - 軽谷佑子 (2007-09)
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八月
軽谷佑子