ジャーンプ、イントウ アクアリウム、
かれはいつもあかるい、
熱はわたしの目をさます。
ジャーンプ、
走っていく向こうの船は、
大きな魚だけでできている、
手をふるといっせいにこちらを向く、
ぎょろりとした目、目、目。
抱きしめてほしくてしかたがない、
わたしの熱はとびあがる。
ジャーンプ、
向こうの船はスクリューをまわす、
したからうえへ、はてないたかみへ、
ジャーンプ、
雨は目のまえ、水槽の底、
アクアリウム、アクアリウム。
ジャーンプ、
じゃけんにあつかうことを知ってる、
かれは邪悪でいつもあかるい、
水槽のエアはきっと切れてる。
ジャーンプ、
船のスクリューはまわりつづける、
ぐしゃぐしゃに濡れてほおにはりつく、
わたしの下の毛、毛、毛。
やがてばたばた落下していく、
小さな魚は一列に並ぶ、
ジャーンプ、イントウ アクアリウム、
もういちどいちどもう一度、
かれはあかるいあとをのこす、
甘くておもたい。
こちらを向いてそのままでいる、
邪悪なかれはいつもあかるい。
選出作品
作品 - 20070727_673_2239p
- [佳] ジャンプ イントウ アクアリウム - 軽谷佑子 (2007-07)
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ジャンプ イントウ アクアリウム
軽谷佑子