rainy,rainy
工場のパイプラインに流れる雨の
しずくを受けとめるのは紫陽花
ただじっとうつむいて
ヘルメットの下の
あなたの笑顔を思いだして
rainy,rainy
あなたがいま 何処にいたって関係ない
あなたがいま 誰を抱いていたって関係ない
気温40℃の工場の中でただ今日も汗が流れ出す
眼に染みる化学液の匂いと蒸気で
私の心は芯まで ただれそう
rainy,rainy
あなたがいま 何処にいたって関係ない
気温40℃の工場の中でただ今日も汗を流し
陽気な男たちの笑いに囲まれて弁当を食べる
あなたが置き去りにしたこの町でガラス窓の向こう
パイプラインの雨が紫陽花に降り注ぐ
rainy,rainy
雨上がりの空に工場の終わりのサイレン響けば
遠くに架かる淡い虹
汚れた作業着のまま自転車に乗って家に帰ろう
大きな水たまり幾つもハネれば
空っぽの弁当箱がカゴの中で踊る
rainy,rainy
紫陽花の花びらに銀のしずく光って揺れて
明日の天気なんて もう気にしない
rainy,rainy,
うつむくのは もうやめて
遠くに架かる淡い虹
選出作品
作品 - 20070720_421_2227p
- [佳] rainy,rainy - はるらん (2007-07)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
rainy,rainy
はるらん