野も町もかなしく震えるので、
ろうそくの火のような、
さびしさを灯し、
生きものは尖っていく、
のだと思う
夜通し続いた嵐が過ぎ去った、朝、
生きものたちは、
消え入りそうに、ほそく、ぴんと、尖って、
軒先や、濡れた木々の梢に、
はりついている
羽根や毛を、つめたいかぜに、ふるわせながら、
毛先から、逆さまにうつる世界を、滴らせて
ぴんと、尖っている
それは、みえるものと、みえないものとが、
かげろうのように、まざりあう、世界
波紋と、沈黙とが、
ともしびのように、せめぎあう、場所
そして、たったひとりの、われわれも、また、
さびしく、呼吸しながら、
尖っていくのだ
選出作品
作品 - 20070122_697_1788p
- [優] 生きものって尖ってく感じがする - レモネード (2007-01)
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生きものって尖ってく感じがする
レモネード