毎月二十日は
わたしの子供が流されるころあいです
月に叩かれ伸ばされるままに
天球の中をぐるぐると周るころあいです
わたしはより一層裸になり
ぼやけて見えない幽霊の粒に触れ
過剰に気持ちが湧き立ちます
触れた部分は乾燥し
あまのじゃくな粉が飛ぶ
性を含まない花粉の旅立ち
あの人は未だに駅で待っているだろうか
無言の手紙が三日置きに来ているけれど
素敵なお母さんなら周りにたくさんいるわ
わたしはもう半分以上 魚になってしまったから
今夜ばかりはふるさとの
大きな川が恋しくなります
だからわたしは三合炊ける
すいはん器を抱いて眠ります
肌色の海のなかを
ゆっくりと旋回し
季節はずれのカーネーションを咲かせる
たとえ一人でも 独りでも
選出作品
作品 - 20061207_847_1700p
- [優] ほんのう - 巽 (2006-12)
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ほんのう
巽