わらうふりはやめろ
内部の閃光へと
むなしい風のこがれは身を散らす
苦い胚乳があったから
木が真っ先に倒れて
おれは厚い炎に包まれる
おまえの言葉には終わりがないから
聞き飽きた
風のように頭をぶん殴ってやる
痛みをとがった角膜に溜めておけ
おれたちは地底で殴りあう
*
ぎしぎし鳴らして生まれでた
するとあらゆるものがマグマを呑んでいる
水が根を浸せば空にも枝がのびるのか?
はじめから枯れているものはもう見るな
骨を燃やしたら
空気には毛が生えた、誰もこたえない
背骨のなつかしい時間帯
遠い、
何度も訪れた見知らぬ地名を口にすると
おれのヘッドランプは
ちょうど電池が切れそうになっていた
*
おれの手が土を握ると
触れたところから鉄になる
おれの最後の言葉は
肉にしか刻めない
選出作品
作品 - 20060906_345_1525p
- [優] 山 - 樫やすお (2006-09)
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山
樫やすお