長いあいだ見えなかった
逆さまに走る
ばらばらに散る
波頭に跳ねてとんで
いくたびのうつくしい夢
月日に身を投げて
遠くまで見通せる
場所に立っていつまでも見ている
髪を伸ばすことに躊躇しない
人のいる寝床を欲しがる
すこし温かくすこし熱い
だんだん崩れていく
おおぜいの水辺に立ち
腕はもうとうに
自由がきかない
選出作品
作品 - 20060710_252_1395p
- [佳] 別離 - 軽谷佑子 (2006-07)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
別離
軽谷佑子