十字路を抜けると
三日月がありました
その周りを
星たちが輝いていたので
光で眩暈がしたのです
その光はハリウッドからか
ロンドンからか
パリからか
分かりませんでしたが
世界中からなのかもしれない
そんな気がしたのです
別にぼくへ注がれる光ではないと
分かっているつもだったのに
なぜか高鳴る鼓動
静かにバイオリンを弾く少女が
月の中にいるような気がして
その少女の髪から
微かに地球の匂いがするのです
少女の髪の匂いを
ずっと忘れないでいたいと
思ったのです
こんな感覚が
みんな羨ましいのかもしれない
そんなことも思ったのです
バイオリンの音は
不思議と響きませんでしたけど
ぼくのヒステリックグラマーが
月の光で少しかっこよく見えまして
それだけで幸せだったのです。
選出作品
作品 - 20050915_950_522p
- [優] My music - 葛西佑也 (2005-09)
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My music
葛西佑也