相反する心情を瘠せた天秤に揺らし
語り始めの薬指が気だるいエレジーを集めた
訪れの春 もう10年も前だったか
遅れた控えめとセンテンスは
8年前には歪めながら
飲み干す牛乳瓶の翳しのように
無責任な時節をしがみ付けた
永遠についての確固たる道標
散り散り
乾いた風にも馴染まず
たくさんの手記の中じっと押し黙る
“間違えただけ”
そうなのだろう
画集の数ほども積み上がるわけ
軽い嘲笑のような日々に耐え難くも
いつしか
消え逝く面影を数分で呑み下しては
不幸なんて云う
実直な死やらカタルシスを
稀な宝石のように繋ぐ
“間違えただけ”
違う
そうじゃない
欲しがったのは欠片程の産声をあげた魂だ
哀しみの海に欠けた水性を憂い
星のさざなみに
繋ぎ止めきれぬ白日に
この胸の切り裂きを
叶えられなかった蒼白い掌を
照らし続けた
ひかりだ
すこし突き放していた4月
永遠を見つけた
レール遥かを見つめ
歩き出す歩幅に
恋人のような月明かりが先を照らす
選出作品
作品 - 20050519_360_230p
- [優] 永遠 - キメラ (2005-05)
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永遠
キメラ