ちいさな わたしに
鍵のかかる部屋が 与えられた
東にある窓は 曇りガラスだった
外灯に 仄かに 照らされて
時には 影絵が動く 窓だった
たまに 外あかりのない 夜
闇夜の カラスが 鳴いた
「カァ カァ カァ」
父から さらったのは
青い鳥では なかったか
外側から 鍵のかかる部屋は
大きな鳥籠では なかったか
「カァ カァ カァ」
遠い 昔 の カラスの 鳴きまね
伯母の家は 壊されて
スカイラークに なった
選出作品
作品 - 20050517_340_224p
- [佳] カラス なぜ なくの - そら (2005-05)
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カラス なぜ なくの
そら