人間不在の部屋で
両手が椅子の外れにあった
生肉色の夕日が点滅する
泣き濡れた絹の両手が光を掬う
掌の上で柔く結晶した卵巣が
重たい部屋をそっと抱き締める
>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20170417_098_9551p
- 液体 :
あげさせてください。 ('17/04/22 09:21:46 *1)
- 鳩村 :
で?
と、思いました。 ('17/04/22 10:58:38)
- 液体 :
鳩村氏
お読みくださり、ありがとうございます。 ('17/04/22 11:12:09)
- あ〜 :
はじめまして。
う〜ん、よくわからない。堕胎とあるのでその様なのだろうか。6行なのでパット見れるのだが、漢字とかなのバランスが悪い。
「人間不在の部屋で」を”だれもいない部屋で”まぁっ『誰もいない海』を連想するのでだめか。「両手」との関連でそのほうがいいと思うのだが。「人間不在」を捨てきれないのなら、別の方法を試みなくてはね。
3行、4行はどうしようもないね。5行、6行はそのままでいいと思う。”はるか向こうで夕日が点滅していて/光を掬う両手が濡れていく”こんなのはどうかな。
整理すると
久しく人間不在の部屋にはいつまでも
両手首が椅子の外れに置かれてあった
はるか向こうでは夕日が点滅していて
光を掬う両手がしだいに濡れていった
掌の上で柔らかく実をむすんだ卵巣が
重たくなった部屋をそっと抱き締めた
失礼いたしました。 ('17/04/22 11:41:06)
- 玄こう :
二行と三行を入れ替えたほうがいい気がしました。(何回か読みどうも二行目の文につまずく…、無くていいかもしれません、だったら、部屋という一語は二度あってもいいかも)
読んで細かいことかもしれません、(両手も同じ語を使わないほうが…・、、短い詩なら、そうしたところにわたしは気を使います。
(何回か読み、みたび、よたびレス編集してしまいすみませんでした。
>生肉色の夕日が点滅する
という行文はセンスを感じました。)
堕胎。 そうしたことを、ほんとに詩にするには、なかなか女性でないと、なかなか詩で、むつかしいよな。という感じもしますが。
空間的な広がりがありました。
嫌いな詩ではありませんでした。
そういうところ詩書きさんは得意なのかもしれない。
ピカソ云々とかのレスもあり、
また是非とも次、読ませてください。 。 ('17/04/22 21:15:57 *4)
- 液体 :
あ〜氏
はじめまして。批評ありがとうございます。
全体としての「痛み」を表現しようと考えて、この作りになりました。
ピカソの絵に受ける感慨を目指しており、意味が分からなくても伝わってくるものを書こうとしていました。
誰もいない部屋でも意味は同じですが、ご指摘通り「人間不在」(の持つ語感)を大切にしていました。
あ〜氏の改訂版を読ませて頂き、私の拙い作品にあった不協和音が改善され、読み易くなっている事に驚きました。
ご指導くださいまして、ありがとうございました。 ('17/04/22 21:24:45)
- 液体 :
玄こう氏 (編集しました)
ご批評ありがとうございます。
元々この作品は別々にあった文を一つに組み合わせたもので、何度も入れ替えたりしたのですが、二行目と三行目の入れ替えは思いつきませんでした。
最終行の「部屋」も迷いました。一行目での「部屋」も捨て難く、結果的に両方とも残しました。
当方男性で、未知の「堕胎」を表現しようとして難渋し、改めてモチーフに対する理解の大切さについて考えさせられました。
ご指導くださりまして、ありがとうございました。
追記
ご丁寧にありがとうございます。
当方、様々な作風を試していますが、短詩では堀口大學の「月夜」に影響を受け、数少ない言葉で最大限の効果を生み出す作品を目指しています。
自分で何度も読み返すと、文章のリズムが分からなくなってしまいますので、そういったご指摘は参考になります。
もっと短くしたり、重複を避けるなどの工夫を探究したいと思います。
ピカソもそうですが、ベーコンも破壊的で好きです。ベーコンはピカソを敬愛し、キュビスムを意識したような作品を残しています。(キュビスムはブラックの発明だと思っていますが、ピカソの作品の方が有名です)
キュビスムは、サイコロに例えると、見える面も見えない面も一度に見せるようなもので、私もそういったものを書きたいと思っています。
《掌の上で柔く結晶した卵巣が/重たい部屋をそっと抱き締める》この矛盾した文の中に、キュビスムのようなものを込めたつもりでした。
私の拙い作品をお読みくださり、ありがとうございました。 ('17/04/22 23:18:19 *3)
- 狩野川 俊太郎 :
読まさせていただきました。
はじめまして。
ぼくは、すごい好みの詩す。
情景的な詩で、その中を自らの視点で探していく感じが。
堕胎の表現との事でしたが、ぼくは、その先に、落胆や不正確な救いなども、同時に感じました。
一つ感じるとすれば、もっと短く、息継ぎがあるとなぁ、くらいでした。
それは、間とも言えますし、ひらがなとも言えます。
多角的、キュビズムを感じさせるにも、いいのかなと。
目指しているものとは違うかとは思いますが、ぼくは絵で言えば、ベルナール・ビュフェの絵を想起させる詩の世界観、だと感じました。 ('17/04/23 13:39:55)
- 液体 :
狩野川氏
ご批評ありがとうございます。
先ずは好きと言って下さってありがとうございます。
各行には語感と意味を意識したのですが、全体像を構築する時には「意味」よりも「読み手側が受ける印象」を優先しました。
作品の色も視点の推移も、アナーキーな空気感を意識しましたので、ヴェルナールの絵画に見られる静謐さが出ているのであれば、この上なく光栄な事ではありますが、私自身満足しておらず、作品の質の向上を心掛けた作品制作に励みたいと思います。
息継ぎの事ですが、例えば吉増修造は詩を朗読させない為に、読めない言葉や記号、目のマークを挿入しているそうです。
朗読用の他に、目で見て楽しむものがあってもいいといった思いもあり、リズムに対する意識が薄くなっています。
リズムも心掛けるか、或いはリズムを壊してしまうか、私の中で迷っている節はあります。
ご指導くださりまして、ありがとうございました。 ('17/04/23 16:57:37 *1)
- すずらん :
液体さん
(言語表現の技術は未熟だと思いますが)
人間の命とは何か、その表象を今この時の断面に鮮やかさに鋲止めする≪光景≫を
自らの手で作り出したいという作者の意欲は作品から伝わってきました。
人間の命とは?生/死のコントラストで描かれるものは?
語り手の視線の経路上、その対比が共起的に描かれているようです。
目に留まったのは
>掌の上で柔く結晶した卵巣が
作品中1つのギミックの様に登場する「手」は
ここでは開かれ、「掌の上」のむこうに見えざる動作主の姿を感じさせます。
そこでの「卵巣」は、やわらかさ/結晶を呈し、生体/物体つまり生死の閾にあることがわかります。
それが
>重たい部屋をそっと抱き締める
というのは、
生体である「卵巣」がなりえたであろう人間存在の悲しい行為とも受け取られます。
と、こんな風に読んでみましたが
言葉の使い方が、≪光景≫を(描くというより)説明するという感じなので
せっかくの≪光景≫の組み立ての良いセンスが生かされていないように思いました。
例えば「柔く」も
やはらかに人分けゆくや勝角力 (高井 几董)
のような描き方ができると違ってくるかな。。
で、レスで言われているキュビズムですが・・デフォルメ感、多視点性、多面性はそれほど強いとは思いませんでした。
むしろ、個性を感じたのは
(キュビズムの展開図で描いているというより←ゴメンナサイ)
逆に「堕胎」を日本文化の立体化の手法で組み立てているところ。
なので
石に腰を、墓であつたか (種田 山頭火)
のようなブレス使いがあると、
置かれた≪光景≫から、世界観が広がるだろうなと思いました。
・・なんか、
作者の意図ガン無視の読者ですね(笑)。
悪しからず^^ ('17/04/23 20:30:37)
- 祝儀敷 :
私は作品が文字によって映し出す像がどうであるかという鑑賞方法をとるので、それは作者の意図しないものかもしれないがご了承を。
その観点で行くと、一、二行目は良い。
>人間不在の部屋で
>両手が椅子の外れにあった
江戸川乱歩的な雰囲気(しかも単に猟奇的ということでなく、実りある妖しさを伴ってのだ)を短文を以て表現できている。また人体とは別個に手があるという像も面白い。頭に場のムードを決めてしまえば後の文の読解にも役立つ。一、二行と関連して五、六行目
>掌の上で柔く結晶した卵巣が
>重たい部屋をそっと抱き締める
も乱歩的なムードを保てていて良い。
しかし、一、二、四〜六行が仄暗い密室のイメージを感じさせるものであるのに対し、三行目
>生肉色の夕日が点滅する
だけイメージが屋外に飛び出てしまっている。
もっと長い詩だったらアクセントとなるかもしれないが、短詩で行ごとのイメージのブレが出てしまうのは問題だと思う。
「生肉色」で乱歩的〜と言えなくはないのかもしれないが、しかし他の行がモノクロームな印象に対しここだけ生肉色で夕日と色のイメージが強すぎる。
三行目は単体でなら面白い表現なので、私ならこの詩には入れずにほかの作品に流用するだろう。 ('17/04/23 22:37:22 *1)
- 液体 :
すずらん氏
ご批評ありがとうございます。
作品は一つの場であり、作者の私もその場に立って読者側と同様に眺めるようにしていますので、私の意図は気になさらずにご批評・ご感想を寄せて頂けると幸いです。私の意図・意見も一つの解釈でしかなく、寧ろ作者の私以上に、読み手側が作品の性質を理解している事もあると思います。
そしてすずらん氏のご批評は明らかに私の力量を超えたもので頭が下がる思いです。
>言葉の使い方が、≪光景≫を(描くというより)説明するという感じなので
>せっかくの≪光景≫の組み立ての良いセンスが生かされていないように思いました。
各行は説明的なものとして、全体としての不可能な「光景」を描いてみたかったのですが、全行の相関関係の在り方が、連鎖ではなく並列になっている分、説明的なものが説明的なものとして残っているのであれば、キュビスム的手法も説得力を持たなくなるかもしれません。
キュビスムの定義として、或る対象物の各部分を特殊な角度で結び合わせ、その周囲の空間との距離感をより緊密にしていく、と捉えているのですが、そういった意味で、《掌の上で柔く結晶した卵巣が/重たい部屋をそっと抱き締める》の所をキュビスムのようなものとして個人的に捉えています。キュビスムを目的とした作品ではないのですが、そう捉えても仕方ない発言をしてしまったと思います。(申し訳ありません。)
前述した通り、これも私個人の感じ方であり、私の考えが正しい訳ではないです。又、日本文化の立体化の手法がよく解らないのです。
>人間の命とは何か、その表象を今この時の断面に鮮やかさに鋲止めする≪光景≫を
《今この時の断面》についてもよく解りませんでした。この二つについてお手数おかけしますが、ご教授頂けると幸いです。
効果的な書き方を探索したいと思います。
ご指導くださりまして、ありがとうございました。 ('17/04/23 22:52:31)
- 液体 :
祝儀敷氏
ご批評ありがとうございます。
江戸川乱歩は名前だけ聞いたことがあります。祝儀敷氏がどのような映像を思い描いたのか気になります。思い浮かんだ像がスクリーンとかに映し出される時代が到来すれば、きっと詩が世界的に流行るでしょう。他の読み手の思い描いた像との差異を楽しむ時代。詩の界隈が芸術の頂点に立つ時代になるのかもしれません。
《生肉色の夕日が点滅する》は印象が強すぎたのかもしれません。作品全体の色にアクセントを付ける決め手として配置した分、それが裏目に出てしまっているのなら悔しいですね。他の行との対比を意識しつつ暖色系を寒色系に変更してみるのもいいかもしれません。しかし、光の暖かみを伝えたい気持ちもあります。
ご指導くださりまして、ありがとうございました。 ('17/04/24 21:41:46 *2)
- すずらん :
液体さん
言葉不足でしたね。
こちらこそお手間を取らせてしまって、すみません。
その2点については、抱き合わせみたいな話なのです。
1)日本文化の立体化の手法
折り紙の立体化工程みたいと思ったのです、1行1行組み立てを進めてゆくのが。
でもキュビズムを挙げておられたので
そこまで具体的に書いちゃうのは憚られるなって。
2)今この時の断面
ここは、1)の見方を受けて、作品の1行1行が
「堕胎」の1断面であり、
「堕胎」のホールの姿を起ち上がらせるための経路をつなぐものである、
といったことを言っています。
感覚的には、
断面が次々出現してラストに至ってホールの姿が起ち上がる経路も
同時に読めるし、
千羽鶴を折る時の気持ちも重なって
折り紙の立体化工程をイメージしたのかも。 ('17/04/24 21:47:06)
- 鳩村 :
生肉色の
光を掬う
柔く
そっと
などが、余計な言葉だと、思います。
悪い意味で、ポエジー。 ('17/04/24 21:54:10)
- 鳩村 :
じめじめと、気持ち悪い言葉。もっと、ドライに。 ('17/04/24 21:56:56)
- 液体 :
すずらん氏
ご丁寧にどうもありがとうございます。
>そこまで具体的に書いちゃうのは憚られるなって。
申し訳ありません。
>断面が次々出現してラストに至ってホールの姿が起ち上がる
全行が連鎖反応を起こし、作品の像が立体的に立ち上がったのであれば、作者としては「僥倖」と言う他ありません。しかし、
>言葉の使い方が、≪光景≫を(描くというより)説明するという感じなので
>せっかくの≪光景≫の組み立ての良いセンスが生かされていないように思いました。
の事も懸念して、作品制作に臨みたいと思います。
改めてありがとうございました。 ('17/04/24 22:07:39 *2)
- 液体 :
鳩村氏
ご批評ありがとうございます。
言われてみると湿り気が強すぎますね。その点、気をつけます。
ありがとうございました。 ('17/04/24 22:25:11)
- 鷹枕可 :
ブラザーズ・クエイの映像作品であるかの様な印象を受けました。
>生肉色の夕日が点滅する
迄が夙に生々しく、復乾いた異形のうつくしさを描写していると感受致しました。
而して後半三行は、やや凡庸な、抒情に堕して(それでも立派な水準を維持していらっしゃるとおもわれますが)いる様にも受止められました。
とても良いものをもっていらっしゃるとおもいますので、次回作も愉しみにしております。 ('17/04/25 21:25:26)
- 液体 :
鷹枕可氏
ご批評ありがとうございます。
ブラザーズ・クエイは初めて知りました。面白そうです。
>而して後半三行は、やや凡庸な、抒情に堕して(それでも立派な水準を維持していらっしゃるとおもわれますが)いる様にも受止められました。
乾いた文体も目指そうと思います。
まだまだ至らぬ点があり、技術も未熟ですが気を引き締めて書いていきたいです。
ご指導くださりまして、ありがとうございました。 ('17/04/26 12:28:12 *1)
- 田中宏輔 :
イメージするのは、そうむずかしくないけれど、そのイメージが快楽にまでつながらない。快楽というか、読む楽しみというか。 ('17/04/27 16:29:13)
- 液体 :
田中氏
ご批評ありがとうございます。
私自身、読む楽しみを忘れていました。
大事なことを教えられました。
「読む楽しみ」を忘れずに、そこからまた詩作を続けたいと思います。
ご指導くださりまして、ありがとうございました。 ('17/04/27 23:20:39)
- イロキセイゴ :
六行詩の中で
>泣き濡れた絹の両手が光を掬う
>掌の上で柔く結晶した卵巣が
>重たい部屋をそっと抱き締める
これらの行が核心だと思いました。「卵巣が」重たい部屋を抱きしめるなどありえない事ですが、詩的見解、シュルレアリズムなのだと思いました。もう言及されているのかも知れませんが。 ('17/04/28 02:27:56)
- アラメルモ :
そうですね、この詩をキュピズムとはイメージできないですね。
僕もイロキさんと同じように、どちらかと言えば超現実的な時空間をイメージします。
何故かと言えば、三次元の空間に分解されてイメージできない。
(生肉色の夕日が点滅する〜重たい部屋をそっと抱き締める)ダリの絵画に見られるような、潜在的な記憶が意識された時間の流れ、心理的な内面性の描写を感覚的に思い浮かべます。
(人間不在の部屋で)この不在は、中絶で命を絶たれた赤子の悲しみを誘います。
総体的にみれば、そのように絶たれた側の意識が強く出て読める。
描かれてはいない寂しい病室のイメージまでもが浮かんできて、なかなか優れた表現だとは思う。
しかし母親までもが不在と置かれるものだろうか。
ならばあまりにもこの赤子は救われない。
できたらこのような結末に至った母親側からの心的なイメージ。
少しでも浮かべさせてほしかったかな。
※
肉体だけを指しているのではない。反論を意識して、一言付け足して置きます。
もちろん堕胎をどのように捉えても、受け身ではなく、能動的に与えてしまった、という意味を含んでのことです。 ('17/04/28 04:31:31 *7)
- 液体 :
イロキセイゴ氏
ご批評ありがとうございます。
挙げて頂いた三行は、この作品内で最も感傷的な部分だと思います。キュビスム的手法の明確化を図りたいと思います。シュルレアリスムも意識して書いています。
>「卵巣が」重たい部屋を抱きしめる
内側の空間と外側の空間を遮る時空を歪めて一つの空間に結びつけた部分のつもりです。
シュルレアリスムもキュビスムも「現実」を基点にして歪めていくもので、共通している部分の差別化を図る為の方法を考えてみます。
ご指導くださりまして、ありがとうございました。 ('17/04/28 19:32:17 *2)
- 液体 :
アラメルモ氏
ご批評ありがとうございます。
表現の的確さと内容の強度、両方の向上を目指します。
アラメルモ氏の読解力と、一つ一つの場面を深く感じ取って下さった事に深謝します。
「人間不在」を入れた理由の一つとして、「両手」の物質感(切断されたものとしての)を強調したかった、というのがあります。他にもアラメルモ氏の仰られた通りに「哀切さ」を意識して使いました。
>できたらこのような結末に至った母親側からの心的なイメージ。
>少しでも浮かべさせてほしかったかな。
主題を書き切る筆力を身に付けたいです。
ご指導くださりまして、ありがとうございました。 ('17/04/28 21:42:01 *6)