詩投稿掲示板 - 過去ログ [499]

9166 : 百日紅  金曜日 '16/10/07 23:00:32



南向きのベランダから見下ろすように見える隣家の
コルク層がすっかり剥がれ落ちている百日紅は
壮年の花盛を誇るよう枝先を薄紅に染めていました

真っ白な真新しい塀に囲まれた若い芝の家から漏れるひかりを
君はどんな気持ちで眺めているのだろう
叔父や叔母と云うものは甥や姪にとって
どこか否応なしに気分を高揚させる存在みたいだ
単純なかるた遊びにでも夢中になって興じる事が出来る
遅れて帰宅した君は
「外まで笑い声が聴こえたよ」
と、なんとも云えない笑みを浮かべる


なあ、俺はお前にとって決して良い兄で在るとは思っていない
それにどこか気恥ずかしく、照れ臭いものだから、こんな事を面と向かって話す事はないだろう。
だからこんな風に書くけど

時々やって来ては甥や姪を笑わせる叔父なんて誰にだってなれるんだ
それより時々やって来る叔父と車座になって笑い合える時間を共有出来る甥や姪を
当たり前のように毎日守り続ける君を俺は少し誇らしく思う

こんな事、面と向かって話す事はないだろうけど
君は
あの真っ白な塀の向こう側
あの窓から漏れるひかりをどんな気持ちで眺めていたのだろう

隣に大きな百日紅の咲く坂の下の家で
若い芝と真新しい白い塀の君の家で
シフォンを透過する、そのひかりの中で
今日も誰かが泣いたり笑ったり。

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- ealis -