詩投稿掲示板 - 過去ログ [112]

2462 : corona  泉ムジ '07/11/26 17:57:00

そっと手をひらいて
潮が去ったあとに
日輪にうつるオウムたちの
羽冠
とり残された 点描の泡
立ち眩む/宿借は殻を捨て
行くべきなのだ/
という嘘に
湾曲をなぞっていた黒い肌の少女は
赤い波打ちぎわに腰かけて
砂まみれの足首を抱いた

ここには王国があったという
彼は道路に立ち 胸を指して
自分にはその血が流れているだろうかと問う
聞こえなかったふりをする
私の肌は白すぎて 熱に膨れ
かつて幻想だった大地に横たわる
影を踏んで
日傘を捨て
堅い手をやわらかな腹部へとみちびき
ここにあなたの血が流れていると答えると
彼は膝を折り 髭だらけの口で祈る

ひと月ぶりの朝に
岩穴を這い出し
水が退いた平地へ下りる
歓声
打ち上げられた 木製の船に
漕ぎ手はない/宿借は新しい殻を
見つけられずに死んだ/
それでも
石壁に奴隷や家畜が折り重なる神殿で
新しい生け贄が捧げられ
砂浜の足跡は消された

母はこの海を渡ってきたという
誰も知らない 遠い場所から
そのことを母に尋ねても何一つ教えてくれず
聞こえなかったふりをする
白く輝く肌は あたしと違い
幻想と呼ばれる大地を思わせる
風が吹いて
髪がなびき
はるか昔に飛んでいったオウムたちへ
ふたたび切りひらかれていく予感を告げると
あたしの爪先は濡れ 濃い朝焼けに触れる

>> permanent URI: http://bungoku.jp/ebbs/20071126_657_2462p


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