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二矢

選出作品 (投稿日時順 / 全1作)

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化石

  二矢

裏山の赤土が剥き出しになった山の斜面で僕は化石を掘っている。
そこは中生代の地層が昨日の地震でむき出しになったところで、夕べ散歩の途中偶然にもティラノサウルスの親指を発見し、学会に報告したところだ。
山の頂上に立つ少女のミニスカートから除く白いパンティーを頼りに僕は一人発掘をしている。
不意に手元が暗くなり、見上げると白いパンティーは剥ぎ取られ、交尾の真っ最中。
やれやれ。
手のひらのマメを数えてお昼にする。
黒パンにウサギの耳を挟んだだけの簡単なサンドウィッチ。
泥水よりましな程度のコーヒーで流し込む。
土砂が流れ出す。
崩壊する新建築って寸法だな。
新しいパンティーを穿いた少女もスタンバイしているようだ。
僕は再びスコップを担ぎなおして土を掘る。
白いパンティーの縫い目と食い込みとを間違えないように、慎重に掘り進む。
晴れた午後のうららかな日を浴びて、裏山の赤土が剥き出しになった山の斜面で僕は化石を掘る。
白いパンティーの少女を目印にして。

文学極道

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