夜中 わたしたちだけが
仕方なく飯を噛む時
不幸の先っぽで思わず笑ってしまう
やっと今度の行き止まりらしかった
一晩、二晩と 怠惰に皺を増やしたけれど
引っ掛かりのない幕引き
溜息も勿体無いくらいに
ただ1人 幼な子だけは心残り
しくしくと尾を引いている
優しく抱え上げて 充分撫でてやれば
明日にでも空に紛れていくでしょう
いいや 悲しむことはない
頼まずともすぐに来る奴なんだ
口の中のものをよく飲み込んでから
手を右に替えて数百回目の0地点をもう一度
ゴールだかスタートだか
もうずっと分かっていない
いつか飲み込めなくなったら
きっと教えてほしい
選出作品
作品 - 20201105_396_12200p
- [佳] 夜食害 - 八坂 (2020-11)
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夜食害
八坂