一握りの種が
冬をいくつも超え
草むらは黄色の波に
花の精は
甘い香に誘われ
ひとつずつ見ては舞う
土に太く根を張り
スクラムを組み
風にも倒れず
何の手入れも要らず
来年の種までつけ
あるがまま無心に咲く
欲を重ねる人間には
到底かなわない
桜の人気をよそに
わたしはわたし
弱いようで 強い
誰にも負けない
この色
理にかない
表も裏もなく
寒さに耐えた分だけ
花びらはほほ笑み
嘘のない世界が広がる
選出作品
作品 - 20200227_161_11729p
- [佳] 菜の花 - かわせみ (2020-02)
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菜の花
かわせみ
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