――さようなら、スレイプニル
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一匹目の鼠
「美は破壊にこそ宿る」
戦争とは、最も破壊的な芸術営為である
戦争とは、生存競争の最たる現象、状態である
生存競争とは、他者の死を糧とする、種に拠る種への葛藤も無き収穫、食人食である
従って、
芸術とは、精神、存在への現実的脅威であり、土から取られたあらゆる偶像、つまり人間への破壊運動でなければならない、
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理想像の反抗
「性善説からの反論」
それが芸術なら、ぼくはそんなもの、欲しくない
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虚構の鼻、現象の奥歯
「実は実、虚は虚なら」
ぼくの私は黴の様に渇水をした、ノアの帰らない舟、鴉が最初の堰を廻るのはそこに引っかかった溺死とカンタレラが見紛う程に悪い壜のラベルに砕けたサラダボウルだったからだと、壁龕のなかで市長舎が干乾びていた
精神病院の壁に喚く私が、壊れた防衛衝動的な狂人の鼻翼の下に蓄えられた旭日昇天旗が、常態として割鐘を降って行った、開襟襯衣の青年は戦争を鋏で切り、そして拾い集めた、それが現象の応接間の中で最も美しい鼠の糧となり、
排泄物となった、その私であった筈の書翰さえも、翼を孕む溪谷の浅く浅はかな落涙より指と、その公領を渡るべきではなかったのだろう、巻尺はあらゆる鼻と癌の稜線に陰を架けて、親友達とジャムの屑肉を上品に拭う、
正確な時計よ、きみは牛乳罐の比喩であり、遅滞をしたぼくの、捨てられた釘の奥処程に醜い物種を誇る、告別の狂奔、その人間性を墜落をする鈍色の死体であった、さようなら、且ての別人たち、賓客たち
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現実喪失者、鼠への最後通告
「否-矛盾律の摂理」
未来は止って、人は止まらず に、
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選出作品
作品 - 20191016_493_11510p
- [優] 死刑囚 - 鷹枕可 (2019-10)
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死刑囚
鷹枕可