落葉樹がセンチメンタルな養分を吸い上げ、晒し首になると分かっていながら花は咲く。煌めいて仕方がない粉塵は粘土の重力がその左半身を殺され、眼底に滲んだ青黒い吐き気が昨日引き裂いた資源ゴミを食べてしまう。閉じられた光たちが見せるのは圧迫の血脈の蜃気楼。その跳弾が加速する歪みの中で一人は存在できないから手掴みを覚え、脳を捨てた脚が血管のすべてを破裂させ、染まり切った空へと全てを持ち上げる。
繋がりを持とうとした。道の途中、夜空を見せる鏡の中、雨の気配が満ちていた。
三面鏡を作ろうとして、引き伸ばされる直線となろうとして、関節だけの糸となって気付けるのは、満たされることのない空っぽの道理が弾けているだけの、この泡が不思議であるということ。
足先から這い登る蟻は、冗談の小人
武装された青信号へ向かう、清廉な淀み
選出作品
作品 - 20191008_407_11497p
- [佳] 眩まない - 黒羽 黎斗 (2019-10)
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眩まない
黒羽 黎斗