選出作品

作品 - 20191002_335_11486p

  • [佳]  格子 - 霜田明  (2019-10)

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格子

  霜田明

1.

チーターのような未就学児が
一斉に坂道をくだっていく 

不安を恐れるひとが息を吸い
不安に安らぐひとが息を吐く

風は飛行機のように遅く
一日は細分化すると短い

意識すればはるか遠く
意識しないとどこかで近い

2.

自然は行分けされて
リブステーキのような意味を運んでくる

意味をこえると夜中の横断歩道のように
足を掬いとる磁場がある

鉄は身体の外側から錆びていく
身体の内側へ沈んでいくために

怠惰な私たちは勤勉な人たち以上に
最大の効率を願っている