鉄よ 呪われるがゆえに
讃歌を
与え奪う者
その破滅を
かの顔へ叩き潰す
竈の炎に鍛ぬかれたひともとの
廻転する死、
略奪の母
生を価とする死‐
あらゆる天使達の貌を観よ
牙は膿に塗れ
毒は臓腑を灼く
硫黄の垂涎を以て、
崇拝せよ、嫉むそのかみこそを
市街、殲滅は覆い、
偶像破壊を恍惚と
暴虐を複製物とし
価値無き、普く死するためだけに在る
栄誉
そを煽り
軍靴を揃えよ、
<行進しゆく後に何をか,>
今こそ蜂起の時
死を怖る者に
死を
精悍たれ
軍装の青年達
猶美しく徽章の華を誇り
異人には極刑を
非-選民には銃殺を
プロパガンダ、忌々しくも堅牢たらず
われらが正統たる
奴隷統治、
進行を阻まば
誰なるとも 非国民 にて
係る惨死を累累と築け
人間ならざる敵、そを
敵たる筈の
人間
が血に
われは
荘厳たる血反吐塗れ
選出作品
作品 - 20190802_405_11361p
- [優] 叛分子、記憶 - 鷹枕可 (2019-08)
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叛分子、記憶
鷹枕可