一人暮らしの部屋の中、ライターとリモコン
地下鉄、アンチテーゼ、浅い睡り。
蒸した心に、ハエが止まってこっちを見てやがる。
鳥の鳴き声、羽ばたく音楽。パサパサとピーピーと。
僕ってこんなに脆かったっけ?
心ん中にはいくつもの地雷が埋まっているようだ。
こういうときは どこへ連絡すればいいんだっけ?
80年代、90年代を検索しても
僕のメモリーからは何も検出されませんでした。
ハードが一緒でもソフトが違ってるんですね。
それでも皆で遊んでる奇想天外の社会人ゲーム
理性、天使、抑圧、嘘、過去、自己分析、葬式、頭ん中に浮かぶのはそんなんばっかで。
うざってぇな。破滅しちまえ。エントロピーなんか単なる固定観念だろうが。
自分じゃない自分を何枚も羽織ってる。邪魔だから、次から次へと干していく。
なかなか乾かないのはどうしてだろう?
また生乾きのまま羽織って出かける。
街を占拠する鉄骨とコンクリの物体
毎日の落胆や我慢なんて些細なこと。
淡々と頷いて笑っていたら
どんな色も淡くなっていく。
灰色への序曲のような、腕時計が僕の未来。
選出作品
作品 - 20190723_147_11331p
- [佳] (無題) - 竹田 井沢 (2019-07)
* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。
(無題)
竹田 井沢