引き裂いてやれ
   揚帆と幌を 
引っかき回せ 
   肉屋の鉤を棘の翼を 
  死の泉と愛の蜂巣に芽ばえた
    アスピリン錠の充ちるつかの間を
   告白せよ 
 公園掃除夫たちに
   宣言せよ 
     洞察眼は潜水服のなかの乾いた舌ですらなく 
       体操器械の繁栄は 
   撓やかな野苺の毒を踏み分けていく
           遮断機を耐えていると
       そして
 分け隔てなく 
溺れる薔薇の触角のように 
   確実であり 
             また 
  不均整であるにせよ 
     孰れも葡萄槽に泛ぶ 
 ドーリア柱の逞しい咽喉ほどには
      退屈な一束としての避雷針はひとつとしてないのだ 
	
選出作品
作品 - 20190204_616_11045p
- [優] 偶然を登る枯れ葉 - 鷹枕可 (2019-02)
 
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偶然を登る枯れ葉
  鷹枕可