縫い留められた花粉、塵屑
海峡と翻訳機械に総ては聳え、
茫海の青年はその背筋を翼に擡げられた鋼球体に終端と起端を踏みしだき
工廠へ倒れている智慧のダヴィデを縦断する
偽製その黒い華燭―薔薇色の蜘蛛は
死後紛糾の係争に有る一粒の棘の食糧でもあり
あろうことか眼窓―地球の関与を俟たない微粉塵には
私庭の酸い葛藤生花工場が蔓延する様に
繭球を建築家が隔て眺めている
それは純粋な悪意を充て瑞々しく蘇る
対偶関係に繋る聖母、血塊を蹲る螺旋燈の建築物であり、
その嬰児の母は名をマリアと言った
その嬰児の母は名をエリザベツと言った
精製花粉の厩、創造球が蝕既たる闇黎光を双嬰児の胸像が四隅に裂罅疵を闡く
鹹水の窪―映像―影像に静謐たる複翼人は曖昧な欺瞞を施し
稜線一把に擲たれた花束の銃、
得てして総て死線は
繊細精緻な繭の紡錘室、
万有引力その個静物数多の成果たる純血統種の優越に過ぎず
気紛れを履くデウスの機械機関は有るべくも無く
貿易品目録に花崗岩を押さえ
鉛丹と瑠璃青の分身―楕円を廻る死葬車の如く水溝橋梁の火事は跡を絶たずして、
選出作品
作品 - 20180804_382_10649p
- [優] ルイーニの印象 - 鷹枕可 (2018-08)
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ルイーニの印象
鷹枕可