平原
漂白されたシャツの続いている
照り返しがまぶしい
地平線はひかれるからこそ
泥 と 空
が延びていくが線分の
一刷毛の薄れる
だからこそ雨雲も出ない
一滴の黒い
染みのインクの雫の
落ちてわずかに広がる
平原 と 染み
を隔てる
縁のように
そそけ立つ
炎症に開始する
ひきつれ 真っ白いほうの縁は皺
寄せながら回転を開始する
開始する渦よ
真っ黒い中心点が
凝集しろ
聞こえるだろうか
音:生成が
かたい紙をきしませる
家鳴りのような
さえずりが
ない 地殻変動も
ない 隕石雨も
ないのに(器用な曲馬団の手も)
自らは折りたたみ
/折りたたまれ
抱えられ
/抱えこんだ襞が震える
褶曲は踊る踊り
ながら迷い
終極はおとない
湿りけを失うことがない
せり上がる
構造体:線としての
薔薇
がひらいた
選出作品
作品 - 20180505_893_10415p
- [佳] 薔薇 - 無能 (2018-05)
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薔薇
無能