世界の涯までも領海なのだろうと彼等が鬩ぐ、彼等は牛乳壜との戴冠式を終えては潜水服に嘯く、酷い雑音が劈いている、そのときからかかのときに到る迄を、標高のメートル法を越える峰が電話線を渡しながら海に逆立っている、かれら処女航海は海の上、何時でもランプシェードで出来た鳥達や鉱物学者たちの卒倒癖は陽の目を見たためしがない、時に火と愛であり壊れた蠍のシャンソンであった拡声器の避難勧告は緩やかな海の底より海抜数万ヘルツの空の蓋に到るまで賑やかな上昇線を辿り、獄中の樹木に人間達の的がまるごと収まるほどの乾燥壜をいくつかぶらさげて綜合病院の窓をくぐる、彼が思う様に他者は他者であることを発見したのは麺麭屑の蝋燭が12歳をこえた頃だったが、亜鉛の幾何学、海の縁にこびり付いた航海士たちの靴跡へ必然の椿事が滞りなく取り行われる為には薔薇の模型と膠着したステンドグラスの真鍮溶媒が必需であり、その殆どを雄鹿のヴェールに舞踏する狂人の採算に追われなければならなかった、凡そを開き速度計が降り頻る通販カタログの蝶番に挟まれた未遂の開胸術は銅鉱の鈍い吐気を振り切って落ちるまで花の西洋燈を灯りつづけるだろうか、蟹の花は愈々馨り灯蛾の多足植物にその寝椅子を委ねるだろうか、それらは果して線香の天候を曇らせ瓦礫の微笑する窪に並々と注がれた硬化アンチモンを聖遺物の古い習わしから透徹させ得るだろうか、詰問の後には必ずと言って良いほどに別の舗装路が敷かれ、誰しもがそれを通るが私達は別の選択をこころみてみなければ為らない、例えば噴泉の陰鬱、精神病的腸詰の黒い煤窓、神経衰弱患者達の死への紛糾と融和、在るのは絶望より酷い花籠だけ、相場師達が若し悪魔的な潔白を解き磨くならば鈍く鈍い銅版画のなかには一体何者が縦横を切り揃えた馬丁の個人的権限を攫って行ったのか、屡々軟膏には結膜炎の兆候が垣間見える様に許された伽藍には紙の翼に係る日時計が置かれている、その時刻を認めるには明瞭な拡大鏡が必要であり、偶然と呼ぶべきものは骰子の嵌められた断頭台より多くも少なくもないと広報される、継手に蛾の死骸が挽かれる、広場の露壇に湛えられた海に、
選出作品
作品 - 20170923_299_9916p
- [優] 信仰告白の避難 - 鷹枕可 (2017-09)
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