選出作品

作品 - 20170510_689_9611p

* 著作権は各著者に帰属します。無断転載禁止。


(無題)

  生活

八月の雨に降る批評かな

Haimの、
新曲をきいて、
口ずさむ、
新しい、
風と、花の、
言葉、
つまり、
改めて、
水の、
物語、

カレンダーが、
切る、
風と、
人差し指の、
傷口、
の浅い、
赤、

色素の、
薄い、午後に、
生まれる、
アフリカ、
の、名前を、
呼ぶ、ヨハネスブルグ、
また、あらためて、
アジアと、
暗く叫ぶ、
獣と、毛虫が、
一匹、
花の名前を、
科学に垂らす、
日に、
萌える、
夢の、香り、

こんな、午後なのに、
いいえ、
こんな、午後なのに、
叫ぶ、
ものは、
一人じゃない、

(いいえ、こんな、午後に)
あらためて、
(季語が機械化されて、
地面に伏せている)
右翼的な、
まばたき、
まつげが長い、
革命の、
君、
または、
左翼的な、
サヨウナラの、
紫陽花、
咲き誇るのは、
ゲバルトの、
潮騒、
満ちていく、
天皇の、俳句、

永らく、
この、土は、
国体の、
名が与えられ、
抉られた、
右目だけが、
まだ、すべての、
鉄が熱かった、時の、
鍬の、歪みを、
知り、

深い、宗教の、
森に降る、
小さい神の、
(人の様な輝きをもった)
未熟な、雨、

権力の、
座る、
四月の、花と
花言葉で、
埋め尽くされた、
椅子に、
遠方からの、
悲しい政治、

わたしは、
一匹の、
(それも、たった一匹の獣!!)
獣を、知る、
そして、獣は
(たった70億と3億が
出会っただけの、
数字に)
わたしたちの、顔を見る、
70億と、3億の、
手が生えた私たちの、
身体に、
70億と、3億の、
足が生えた私たちの、
身体に、
たった一匹、
(だけの)人のような、
獣が、
人のように、
降る